艦隊これくしょん 〜諦めない心〜   作:橆諳髃

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今回はR-15指定として書きましたが、そんな要素があるのだろうかと書いていて思いました。まぁ、念の為です。

それではどうぞ。


36話 R-15 姉(仮)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なぁ……足柄……」

「……お姉さんよ」

「えっ?」

「私の事、お姉さんって呼んでくれないと返事しないわ。勿論、私と2人きりの時だけ呼んでくれれば良いの」

 

今の俺の状態は……多分察してくれているとは思うが、未だに足柄の胸の中に抱かれている状態だ。それも、最初よりも抱きつきは強くなって、頭も優しく撫でられ続けている。確かに嬉しいことに変わりはないが……そろそろ業務に戻らなくてはならない。だが……。

 

(足柄の事をお姉さんと言わない限り、何も変わりそうにないし……仕方がない)

 

「お……お姉……さん」

「……」

 

どうやらはっきり言わないと返事をしてくれないようだ。こちとらお姉さんという単語を言うのが恥ずかしいというのに……。こうなったら恥とかどうとか言ってられないな。

 

「ね、姉さん」

「な、何かしら?」

 

足柄が反応してくれた。顔を上目で見てみると、足柄の顔が真っ赤になっていた。自分からお姉さんと呼んでと言ったくせに、いざ言うとこんな風に顔を赤くする。可愛いのは確かなことであるが、今は仕事をしないとな。

 

「もうそろそろ仕事の続きをしないか? こういう事は、まぁ俺が忙しくない限りできるしさ。だから、早く仕事とか終わらせて、後はゆっくりと休もうよ」

「そ……そうね。確かにそうよね。早くやる事済ませてやった方が、その後は……」

 

足柄の「その後は」に続く言葉は聞き取れなかったが、顔を見るとなんか考えているようで……。

 

(というより考えてる顔しか見えない……)

 

まっ、足柄も離してくれたし、早速本部から来た書類を片付けようか。

 

その後安騎尭と足柄は本部から届いた書類を片付けた。安騎尭はいつも通りの作業スピードであったが、足柄に至っては午前中よりも早くなっていた。しかしながらミスはなかった。

 

その後は足柄と一緒に食堂に行き、一緒の席に座る。すると……。

 

「こんばんは、安騎尭。隣に座っても良いですか?」

「おぉ、榛名か。あぁ、良いよ」

「ありがとうございます。では」

 

そう言って榛名は俺の右に座ってくる。一方の足柄は俺の左に座っているために、俺は榛名と足柄に挟まれた形で座っていた。

 

「足柄さん、今日安騎尭の秘書艦をしてみてどうでしたか?」

「え? そ、そうね。秘書艦を初めてやったから、失敗したらどうしようかって心配してたけど、上手くできたみたいで安心したわ。それに、分からないところは提督に聞いてできたし、提督の教え方がとても分かりやすかったから、難しい事もできたの。今度秘書艦をする時も、今日以上に頑張りたいわ!」

「そうですか‼︎ それは何よりです。それとですね、もう1つ聞いておきたい事があるんです」

「あら? 何かしら?」

「正直に言って欲しいんですけど、安騎尭の事を、足柄さんはどう思います?」

「て、提督の事を⁈ う〜ん……そうね……」

 

そんな会話を聞きながら、俺は頼んだ醤油ラーメンの麺を啜っていた。なんで醤油ラーメンかっていうと……今はそんな気分だからだ。誰だってあると思うが、今日は唐揚げ食べたいなとか、ラーメンが食べたいなとか、そう思う時があるだろ? それと同じようなもんだ。

 

まぁそれはさておき、俺がラーメンを啜っていると、足柄が榛名からの問いに答えた。

 

「そうね。私は提督の事、好きよ。大好きよ! それも異性としてね」

「そんなんですか。足柄さんも、安騎尭の事が好きなんですね」

「えぇ、大好きよ。確かに榛名とは、提督と過ごした時間とか全然違うし、提督の事をよく知っているのも榛名だとは私も思うわ。でも、この提督を好きだって気持ちは……誰にも負けたくないの」

「……そうですよね。やっぱり恋をして、自分の好きな人を他の人も好きだと知ると、その人に負けたくないって気持ちになりますよね」

「えぇ。それに、提督の事を好きな艦娘は他にもいるでしょう? だから、提督に振り向いてもらえるようにもっと自分を磨いていくわ! 戦場でも恋でもどっちともね」

 

その答えはとても前向きのものに思えた。最初来た時は、当然の事ながらそんな前向きな事を、艦娘達から聞こえなかった。前の屑提督のせいで自分の事に自信を持ったり、楽しい感情を持つ余裕がなかったせいだって分かってる。それがここ最近になって艦娘達の意識が変わった。昔の自分と変わるために、今を楽しく生きるために。それが……俺は嬉しい。

 

「やっぱり皆さん変わりましたよね。最初よりも皆さん自分の目標を持つようになって……」

「それは当然よ! だって、こんな有能で優しい提督がそばにいてくれるんだもの。変わらない方がおかしいわよ‼︎」

「だそうですよ安騎尭。いえ、ここは弟君と呼んだ方が良いですかね? お・と・う・と・くん?」

「っ⁉︎ ゴフッ! ガハッ……」

「て、提督⁈ 大丈夫⁉︎」

 

麺を啜っていると、耳元で榛名がその単語を発してきた。それを聞いた時に、喉に麺が詰まってむせてしまった。足柄はそれを見て優しく俺の背中をさすってくれた。逆に榛名は俺の様子を見て笑っていた。

 

(榛名の奴……まさかさっきの俺と足柄のやり取りを見ていたのか? というかそうとしか思えない。まぁ、俺と離れて寂しいっていう思いも分かってるし……。それにさっきの榛名の言い方、すごくドキッとしたし……)

 

「あれぇ〜? どうしたんですか安騎尭? 顔が赤いですよ?」

「そ、そんなの‼︎」

「そんなの?」

「は、榛名が急にそんなこと言うから……」

「そんなことって、なんですか?」

 

榛名は笑いながらそう聞いてくる。こうなると完全に榛名のペースだな。さて、どうやって切り抜けるか……。そうだ……あれを使ってみるか。

 

「は……じゃなくて、お、お姉ちゃんが俺の事いじるから……」

「っ⁈ お、お姉ちゃん⁈」

 

俺が榛名の事をお姉ちゃんと言ったら、榛名はすぐに顔を赤くした。

 

「は、はははは榛名が安騎尭のお姉さん⁉︎ 榛名が……安騎尭のお姉さん……」

 

それを繰り返して榛名は俯いた。よし、どうにか榛名のペースは崩した。だがこれがいけなかった。急に俺の左腕に柔らかい感触が襲った。

 

「提督、私の事はお姉ちゃんと呼んでくれないの?」

「え⁈ ええっと……」

「さっきのように私の事……お・ね・え・ちゃんって、呼んでくれないの?」

 

足柄は俺の左腕を抱き寄せ、それだけでなくさっき榛名が言ったように俺の耳元で囁いてきた。それも物凄く色っぽい……。齢18の俺には刺激が強いとでも言おうか。いや、これ以上の事をしてきた記憶はあるが……。

 

それにさっきまで俯いていた榛名も、それを聞いて対抗心が出たのか、俺の右腕に抱き付いてきた。

 

「安騎尭……私の事も、そう呼んでくれて構わないんですよ? お・ね・え・ちゃんって」

「うぉ⁈」

 

榛名も俺の耳元で囁いてきたが、その距離が近い! 耳と唇が当たるか当たらないくらいに近かった。

 

「それで、どうなの? 言ってくれるの? 言ってくれないの?」

「安騎尭……榛名お姉ちゃんに甘えても良いんですよ?」

 

2人の顔が目の前に映った。どちらとも上目遣いで見てきた。

 

(だ、だから俺はそんな顔に弱いんだよ‼︎ ……も、もうどうにでもなれ‼︎)

 

「お……お姉ちゃん……」

「うふふ、やっぱり可愛いわね。提督は……」

「もっとお姉ちゃんに甘えてくださいね。弟君♡」

 

そして俺は榛名と足柄に頭とか顔とか撫でられまくったり、お姉ちゃんと言ってとねだられたりとなんか色々と大変だった。その後からは、意識が無くなったかして覚えていない。

 

(でもま、俺としては榛名や足柄の可愛い面が見れて良いんだがな……)

 

多分そんな事を思いながら意識を失ったんだろうな。




艦種は違いますが、安騎尭に姉(仮)が2人出来ました。

さて、次はどんな話を書いていこうか……と思うこの頃です。

ではまたの機会に。
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