さて、今回もこれはおかしいのではと思う場面が出てくると思います。矛盾を感じてしまうかもしれません。
自分でもこれはおかしいのではと思ってはいますが、とりあえずはご覧いただけたらと思います。
「安騎尭、少しいいですか?」
「ん? どうした榛名?」
榛名に呼ばれて顔を向ける。そこには、いつもと同じ笑顔を浮かべた榛名がいた。先程は扶桑に対して怒りを示してはいたが、今ではそんな様子は微塵も感じれない程だった。
「安騎尭、今日……榛名と一緒に寝てくれませんか?」
少し上目遣いな感じで榛名は言う。頬は少し赤く染まっていた。安騎尭はこれにドキッとした。未だに榛名のこの可愛らしい仕草には赤面してしまう。
「まぁ、今日も普通に仕事も終わったし、この後も予定は無いし、良いぜ。それとなんだが……良かったら久々に一緒に風呂にも入らないか? 秘書艦がクジで決まる様になってからは、あまり榛名と一緒にいられる時間も無かったし……」
「……良いんですか?」
「良いんですかって、俺から言ったことだし良いんだよ」
「なら……久々に安騎尭に甘えますね」
「あぁ、甘えてくれ」
「はい‼︎ ふふふ、なんだか嬉しいです‼︎」
「そう思ってくれるなら、俺も嬉しいな。じゃ、準備できたら俺の部屋まで来てくれ。待ってるから」
「分かりました。ではまた」
そこで安騎尭達は会話を切り、自分たちの部屋に向かった。
そして数分後、安騎尭と榛名はお風呂に一緒に入っていた。安騎尭はいつものように浴槽の縁に背中を預け、両腕も縁に置いて寛いでいた。榛名の方は、安騎尭の隣で女の子座りをして安騎尭に寄り掛かっていた。
「安騎尭にこうして寄り掛かっていると……安心しますね。それに、身体の内からポカポカと暖かくなってきます」
榛名は目を細めながら言う。それに対して安騎尭は微笑んでいた。
「そうか、俺もそう言われて嬉しいよ。それに、俺も榛名に触れていると安心するよ」
「ふふ、榛名もそう言われてとても嬉しく思います。それに……」
榛名は安騎尭の頭を両腕で包み込むようにし、自らの胸の方へと誘導する。安騎尭はいきなりの事でなすがままにされ、結果的に安騎尭の頭は榛名の胸と腕に包み込まれていた。安騎尭の頭はもろに胸の柔らかさを感じ取っていた。
「はっ、榛名⁈ いきなり何を⁈」
「ふふふ、慌てる安騎尭はとても可愛いですね。いえ、この様子からすると、弟君といった方が良いですね。ねっ? お・と・う・と・くん♡」
「っ///」
「 弟君の赤面した顔も……とっても可愛い♡ チュッ」
「っ〜〜〜⁉︎」
榛名は赤面した安騎尭のおでこにキスをする。それに対して安騎尭は表現しようもない叫び声を上げようとするが、今安騎尭の顔の下半分は榛名の胸に埋もれている状況にある。なので……
「はぁん♡ もぅ、くすぐったいですぅ……でも、そんな弟君も可愛いです。もっともっと、お姉ちゃんに甘えてくださいね♡」
「……」
いつの間にか安騎尭の呼び方は弟君に変わり、榛名も自らの事を姉と呼び、所謂姉モードになっていた。そのため口調も変わっていた。
そして安騎尭はというと、脳がそれについて行けず、もはや呆然とするしかなかった。安騎尭が榛名のなすがままにされたのは、容易に想像ができる。しかしながら榛名は安騎尭の頭をただ優しく撫で続けたに過ぎなかった。その間にも安騎尭の顔半分は榛名の胸に埋もれてはいたが……
安騎尭が我に帰る頃には、いつの間にか安騎尭の腕が榛名の背中に回って抱き締めている状態だった。安騎尭自身そうした覚えはないが、無意識のうちにやったことだろう。それに気づいた安騎尭が慌てて背中に回していた腕を離そうとするが……
「そのままで良いんですよ、弟君♡」
「榛名?」
「今は貴方のお姉ちゃんですよ? 弟君?」
「ま、まだこれ続いてたの?」
「当たり前です。それにこれは弟君がいる限りずっと続きます。たとえ弟君がこの世界からいなくなる……いえ、旅立ってしまっても、この関係は永遠ですよ。ですから、甘えてください。お姉ちゃんに……榛名に甘えてください。榛名は、いつまでも安騎尭のお姉ちゃんですから」
榛名はそう言いながら安騎尭を優しく抱き締める。安騎尭は未だに顔を赤くしていたが、何よりもこうしていると安心する事に変わりはなかった。だから安騎尭は離そうとしていた腕を離さず、逆に力を入れて抱き締めた。
「あっ/// 安騎尭……」
「こうしていると……安心する。それに今は、もっと甘えたいって思えてきたんだ。だから甘えても、良いよね?」
「えぇ……えぇ……甘えて下さい。安騎尭が良いというまで、榛名は安騎尭の事を甘えさせてあげますから」
そうして安騎尭は何時間にもわたり榛名に甘え、榛名もそれに応えた。日を跨ぐ程でもなかったが、それは2人にとってとても長く、そして愛しい時間に思えたということは、言うまでもない。