もう少し上手く描写を書けたらなと思います。
それではどうぞ。
風呂から上がった2人は、体を拭き、寝間着を着て一緒の布団に入る。これは昔から変わらない。安騎尭が1人で寝ようが、榛名と一緒に寝ようが変わらない。2人で一緒に寝た場合は、必ずと言って良いほど榛名は安騎尭を抱きしめながら寝る。昔の安騎尭は頬を赤くして寝るにも眠れなかった。今では慣れた……とは言えないものの、昔程の恥ずかしさは覚えず、安心感があって普通に眠れた。まるで母親が側にいて添い寝してくれるかのように……
そして1人で寝た場合……これに至っては特に問題なく安騎尭は寝る。それも数分かからずだ。それはそれで良いが、問題はここからだ。安騎尭が起きようとする時、伸びをしようとして上半身を起こそうとすると何故か動かない。それは手ですら動かない時もある。何故かと思っていると、耳元で寝言が聞こえる。そちらの方を向くと、いつの間にか榛名が安騎尭の布団の中に入って眠っていた。それも安騎尭の頭を自分の胸の方に抱きよせる形でである。そして耳元では甘い声で安騎尭と連呼していた。
最初の頃は頭がついていかず、学生時代は遅刻ギリギリという事もしばしばあった。しかし今ではそれの対処を用意しており、寝坊することはない。これも経験が織り成すことである。
しかしながら安騎尭にとっては嬉しい事である。何故なら、それ程にまで自分の事を必要としていると感じるからである。最初の頃はそれを感じ取る余裕がなかった。そしてそれが続くにつれて思った。榛名は自分の事を必要としている事を。そして、自分も榛名の事を愛おしく思っている事を。だから榛名がこっそり自分の布団に入り込んで眠ったとしても、負の感情なんて物は抱かない。寧ろ榛名が自分の事を必要としてくれるという嬉しさと、自分が榛名と一緒にいる安心感を抱いている。
安騎尭は今ではそう思う事が出来た。小さい頃には感じる事が難しい、そんな感情と想いを感じる事が出来た。
そして安騎尭と榛名が風呂で存分に甘えた日……確かに2人で一緒の布団に入るというところまでは同じだが、大切なのは2人で一緒の布団に入った後である。
「んっ……ちゅ……はむ……ふみゅ……はぁ……安騎尭……」
「ん……どうした?」
「実は……聞いてしまったんです。安騎尭がそう遠くない時間、この世界から旅立ってしまう事……本当は聞くつもりは無かったんですけど……体は正直で、つい聞いてしまいました……」
「……そうか。でも、前にも言ったと思う。俺にはこの世界でやり残した事があるって……。別にやり残した事が無くても、俺はまたこの世界に帰ってくるって」
「確かに安騎尭はそう言いましたよね。でも……榛名は不安なんです。安騎尭がこのまま帰ってこないんじゃないかって……それで、これまでの事が全部夢だったんじゃないかって……」
「榛名……」
「ご、ごめんなさい。可笑しいですよね。これが全部夢だなんて……榛名は馬鹿な事を考えちゃって……」
榛名は声を震えさせながら言った。目には涙が溜まっていて、堪えきれない涙は榛名の頬を流れる。儚げで悲しい顔をしている榛名を見た安騎尭は、優しく、そして強く抱き締めた。
「安騎尭……?」
「いつも俺は榛名に心配かけてる。それが、俺にとってはとても腹だたしいよ。正直、これまで沢山心配事させてるし、でも俺には……こんな生き方しかできなくて……」
「……良いんです。榛名は、安騎尭のそんな所が大好きなんです。例え心配を掛けても、貴方は榛名の元に帰ってきてくれますから……。寧ろ、まだまだ榛名に心配を掛けても良いんです。それで良いんです……でも、安騎尭が側からいなくなるのは……心配する以上に嫌なんです。例え安騎尭が榛名以外の誰かを好きになっても構わない、榛名が安騎尭に嫌われても構わない、そう……思っているんです。それでも貴方が……安騎尭が榛名の側からいなくなるのが嫌なんです……。わがまま……ですよね……」
安騎尭は榛名が話している間は遮る事無く黙って聞いた。黙って聞いたは良いが、それでも安騎尭にとっては聞き捨てならない所があった。それは……
「榛名」
「……はい」
「これから言う事をよく聞いて欲しい。それも最後まで聞いて欲しい」
そして安騎尭はそこで言葉を切り、再び話し始める。
「俺は、榛名が言った事がわがままだって思いはしない。だってそれが、他の人からわがままだと思われても、俺がそうは思わないから。わがままだと思わない。だから榛名がさっき言ったわがままは、俺にとってはわがままでも何でもない。逆に、そう思ってくれるのが……俺は嬉しく思う。それと、俺は榛名が言った事の中で1つだけ訂正したい」
「訂……正……?」
「あぁ、訂正だ。それはな……」
安騎尭は榛名の目を真っ直ぐ見て言う。
「確かに俺は榛名以外にも好きな人はいるさ。艦娘ではあるんだけどな。正直一夫多妻制でも良いって思っている自分がいる。でもな、俺が榛名の事を嫌いになる事はあり得ない」
「……えっ?」
「俺がここまで来れたのは、榛名が俺の側にいてくれたからだ。俺の事を支えてくれたからだ。そして、俺の事を愛してくれたからだ。だから俺は、俺の事を思ってくれる榛名が……大好きだ」
「……うぅ……うっ……ひっぐ……」
安騎尭の言葉を聞いて、榛名は溜め込んでいたものをまるで吐くかのように涙を流した。安騎尭の胸の辺りに顔を埋め、安騎尭の胸を強く握りながら目を赤くするまで泣いた。その間安騎尭は、榛名の背中に片腕を回し、もう片方の腕で榛名の頭を上から下へと優しく撫でる。
そして数分後、榛名は安騎尭の顔の方へと顔を上げる。そして、未だに潤んだ瞳で言う。
「ぐすっ……やっぱり安騎尭は……優しいですよね」
「それも前に行ったよな。俺は別に優しいやつじゃないって」
「ふふ……やっぱり安騎尭は変わりません。でも、そこが榛名の好きなところでもあります。ねぇ……安騎尭」
「どうした、榛名?」
先程の潤んだ瞳は消えてはいなかったが、榛名の目からは不安は無くなっていた。そして、いつもの優しい感情が宿っていた。
「安騎尭……この世界から旅立っても、榛名の事を忘れないって……約束してくれますか?」
「あぁ、約束する」
「……本当ですか?」
「あぁ、あっちの世界に行っても、俺は榛名の事見続けてるから。もしも榛名が危険な目に合いそうな時も、あっちの世界の理を破って助けに行くから」
「……分かりました。榛名は……安騎尭の事を信じます。この世界からいなくなっても、榛名は安騎尭の事を信じ続けます。だって……」
「あぁ、この関係は……俺と榛名が一生愛し続ける関係は、何があっても変わらない。歳を取っても永遠に変わらない。そう、約束するよ」
「榛名も……約束します。この関係が変わらない事を」
そして安騎尭と榛名は互いの唇を合わせた。長い時間、自分の愛しい人が側にいる事を確認するかのように……
「ちゅっ……はぁ……安騎尭……榛名は……榛名は貴方の事を、もっと近くで感じたいです……」
「……あぁ、俺もだよ。榛名」
「安騎尭……榛名は……嬉しいです」
「あぁ、俺も嬉しいよ。榛名」
「安騎尭……安騎尭……はぁんっ♡」
「大丈夫か? 榛名」
「はっ、はひ……榛名は大丈夫です……だから……もっと安騎尭を感じさせて……」
「分かった。じゃあ……いくよ?」
「……はい……もっと……きて」
こうして安騎尭達は、これまで経験した事のない体験をした。
私が初心なため、こう言うような話を書くのは難しいと感じています。もっと私に文才とかがあれば……
そして、物語もいよいよクライマックスです。自分の中ではまだ書きたいこともあるので、最終話を書いてもまた所々物語を書いたり編集したりしたいと思います。
それではまた……