どういう物語にしていこうか……
そんなこんなで毎日書いています。
それではどうぞ。
嵐が過ぎ去った翌朝……散歩がてら散らかっている浜辺の片付けをしているところに、1人の少女が打ち上げられていた。
(大丈夫……なのかな……?)
近づいて、様子を確かめてみる。意識は失っているようだったけど……呼吸はちゃんとしていた。傷は有るものの、重症には至っていない。
(と、取り敢えずは休めるところに運ばないと……)
少年は、少女をおんぶして自分が住んでいる小屋に運ぶことにした。
だが、運ぶといっても少年はまだ子供……運ぶのには困難を極めた。
(でも……近くに頼れる大人はいないし、町からも少し離れてる……僕しか、この子を運ぶことができない)
少年は、その小さい体に鞭を打って歩を進ませる。例え相手との体格差が違っていたとしても、傷ついている人を放っては置けない。
これは、両親からの教えの1つでもある。
困っている人が目の前にいたのなら、傍観するのではなく、助けなさいと。見て見ぬ振りをするなと。
少年が亡くなった両親からもらった教え……
それを実行して褒めてくれる人は……身近にはもういない。
だが、それが本当の意味で生きていることに繋がるなら……少年は親の教えに従い実行するだろう。
なんとか小屋まで辿り着き、ベットに横にさせる。この後はどうするか?
少年がまず思い浮かべたのは、この少女の傷を癒すこと。
薬学などの知識はあまり持ち合わせていないにしろ、ここは薬草で有名な土地。きっと傷を癒すことができるものもある筈だ。
そう考えた少年は行動に移す。
未だ朝食の時間にはなっていないので、その時間だけでも、野山に行って簡単な薬草を採取しに行こうと決め、籠を背負って小屋から出る。
少年が行く野山は、小屋から目と鼻の先の位置にあった。そこにも動物たちはいるが、比較的に大人しい小動物がほとんどだった。
少年は傷に効く薬草を摘み始め、どんどん籠の中に入れていく。籠のなかが半分まで埋まったのを頃合いとして、小屋に戻る。
まだ町長の娘が来る時間ではなかったので、その場で簡単な傷薬を作る。
薬草から作るものなので、臭い的にきついものではあるが、効き目はある筈だ。
両親がまだいた時に、たまに町のお医者さんのところに行って、薬草から薬を作る作業を見たことがある。
それは今でも続いており、お医者さんが開いている時間には、都合が合えばそこに行って薬を作る見学をする。
それを見て覚えて、実際に作って、薬草と一緒に売ることもある。
確かに子供で半人前で……失敗することもある。
だが町の人はそんな健気な少年の薬草や薬を買う。薬の効果は、お医者の作るものよりも劣るかもしれない。
それでも少年が一生懸命に作ったものは、例え効き目が無くとも、買っていく。
お金がそんなにかからないこともあるが、町の人はそんな少年を、両親が亡くなってからも必死に生きていこうとする少年のことが好きなのだ。
少年は、それを知ってか知らずか、日々を生きている。
ただ、自分がやれる事をやる為に……
少年は、傷薬を少女が怪我をしているところに塗り、包帯で巻く。
今の自分には、これぐらいしか出来ない。だが、傍観するよりかはよっぽど良い。
少女に応急処置を施した後、町長の娘が朝食を作りにやってきた。
「朝食を作りに来たわよ。今日は……って、その子どうしたの⁉︎ 怪我してるじゃない‼︎」
「その……朝早くに目覚めたから浜辺を散歩していて、そしたらこの子が倒れてたんだ。それで、薬草摘んで薬を作ってさっきこの子に手当てしたんだけど……」
少年が話している最中にも、町長の娘は少女に近寄る。
そして、顔を驚愕にしていた。それに気づいた少年は口を閉ざした。
「どうしてこんな所に艦娘が……」
「かん……むすめ?」
「あなたも聞いたことがあるでしょう? 5年前に突如現れた深海棲艦が海に現れて海の秩序を乱した……連合艦隊も1ヶ月で敗れ去って、今では深海棲艦の好き放題……それを打破しようとして作られた存在が艦娘よ」
少年は静かにこの話を聞いた。艦娘の存在は知っていた。深海棲艦に唯一対抗できる存在であることも勿論聞いたことがある。
しかし、話を聞いただけでどんな容姿をしているかなどは分からない。
ましてや今日出会った少女が艦娘とは知る由もなかった。
(なら……少女の周りに落ちていたあの鉄塊は……この子の?)
「気の毒だけど……ここに置いてあげられないわ……」
「えっ……」
少年は、町長の娘の言葉に唖然とした。意味が分からなかった。
「な、なんで? なんでダメなの……?」
そんな言葉しか出なかった。
自分は、正しい事をしていると思っていた。それこそ、両親が教えてくれたように……目の前で困っている人がいたなら助けなさいと、それが正しいと思って実行した。
なのに……何故こんなことを言われたのか? 純粋な少年には分からなかった。
「この町の掟なの……艦娘と深海棲艦、どちらにも関わるなっていうのがね……だから「おかしいよ‼︎」……」
「そんなのおかしい‼︎ この子は……この子は傷ついているんだよ⁉︎ それを、どこかに放り出せとでもいうの⁉︎ そんなの……あまりにも可哀想じゃないか‼︎ この子が目覚めた時……側に誰もいない独りぼっちになっちゃうよ‼︎ そんなの……僕は耐えられないよ……」
少年は泣きながら訴える。我儘にしか聞こえないだろう。
その町の誰が聞いても、どうすることもできない。この町の掟には逆らえない。逆らう者なら、致し方なく町から追放される。
「そんな事をしたら、あなたがこの町から追い出されちゃうわよ‼︎ それでもいいの⁉︎」
町長の娘は、きつめに言った。
この少年が言ったことは、間違いではない。自分自身の心の中ではそう思いながらも、そんな言葉しか出なかった。
それは、少年が1人であるから。両親を失っているから。
今では町の人達が優しく接してくれてはいるが、もしもこんなことがバレたら今度こそ少年は独りぼっちだ。
それを危惧しての発言だった。
だが少年は、何ながらも目をまっすぐに向けていた。
「そうなっても‼︎ そうなっても……放っておくなんてできないよ‼︎ 目の前の事を傍観して生きて行くなんて、生きているなんて言えないって、父さんから言われたんだ。だから僕は……例え町のみんなから嫌われても……本当は怖いけど、誰かが困っているのを見過ごして生きてまで……僕は生きたくないよ‼︎」
目から次々と涙が溢れてくる。だがそれは恐れでも、怯えでもない。強い決心から生まれた涙だった。
「……はぁ……ここまで親御さんに似るなんて……私のお父さん共々頭が上がらないわ……分かった。この事は秘密にしておいてあげるから、その子が元気になるまでは、自分で面倒を見ておくのよ? 良いわね?」
「っ! ありがとう‼︎ 明美さん‼︎」
突然だが、町長の娘の名前は、明美さんと言う。僕をいつも気遣ってくれるいい人だ。
「なら、朝食を作るわね。その子の分も作っておくから、もしもその子が起きたなら、食べさせてあげるのよ?」
「はい‼︎」
明美さんは、朝食を作ったら自分の家に戻って行った。
僕はそれを食べて、少女の看病に徹した。
もう少し長めに書こうとしましたが、今回はここで切らせていただきました。
まだ構想が上手く練れてない中、試行錯誤で物語を展開していきますが、どうにかやっていこうと思っています。
それではこの辺で。