世界の枠から外れた者   作:裂やん

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やっとまとも?に会話が出たゼクト。
もしかして必要なかった?いやそんなはずは。

そんな13話、どうぞ。


第13話

Side.エヴァ

 

 魔法世界に魔法球を設置してゼクトを交えて修行して2,300年が経った。

 

 時々魔法球から出て旧世界の暗黒大陸などにも3人で赴いたりした。

 

 シキに貰った白紙の魔法球で気に入った城があったから貰ってきたけど、まぁ構わないだろう。名前はレーベンスシュルトと言ったな。

 

 それにしてもシキは理不尽すぎる!全知全能に近くないか!?

 

 私が一生懸命頑張って!頑張って10年も掛けてっ!!創った魔法を前から使えただなんて!!

 くっ、!私の10年はなんだったと言うのだ!!あの時、初めてシキに殺意を持ったぞ!!

 

 私よりも錬度が高いとか・・・。この10年を返して欲しいと思ってしまうほどだぞ?

 

 でも、その夜、久しぶりに一緒のベッドで寝てくれたから帳消しにしてもよかったな。

 

 そういえば時折シキは一人でいなくなっている。早ければその日に、遅くても2,3日で帰ってきたことがあったな。大抵無傷だったけれど。治癒魔法すら使ってないのは見ただけで分かるんだがな。

 

 一体何をしてるんだろうか?そういえば私ってシキのことあまり知らないんじゃ?

 

 あれ?おかしい?名前と数多の手札の一部と戦い方と魔法を全部使えることと物質を創り出すことくらいしか知らんぞ?

 

 あいつ、私に一目惚れしたと言っておいて!私の過去は知ってるのに!!自分だけ話さないだと!?後で問い詰めなければならんな!それにそろそろいいと思うんだ、うん。けど、肉体年齢が10歳のままって、なんか虚しい…。不老者でも成長できる薬開発しようかなー・・・。

 

「エヴァー!ゼクトー!ちょっと話あるから来てー!!」

 

 ん?どうかしたのか?

 

「今行くー!」

 

「わかったのじゃ!」

 

 なんか面白そうなことが起きそうじゃないか。

 

Side.end

 

 

 

Side.ゼクト

 

 2,300年前かの?ふと私の前に現れた男女(男は20代前半、女より少女)の二人組み。

 

 一方は【破滅を齎す黒】。史上最高懸賞金1100万ドルの賞金首、ノワールことシキ。

 もう一方は【闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)】。額は200万程じゃが真祖の吸血姫、エヴァンジェリン。恐らくじゃが、今、魔法球から出て行動すれば一気に跳ね上がるじゃろう。

 

 中々に面白そうじゃったからあやつらの願いを聞いてみることにした。まぁー体の良い暇つぶしのつもりじゃったのじゃがな。

 

 それだったのに熱中してしまって、なし崩し的に師匠みたいな立ち位置になってしまった。

 

 それにしてもシキは一体なんなんじゃろ?

 

 軽く診ただけなのに魔力や気の総量があり得ないほどに膨大なのじゃ。観測できないほどに。

 

 挙句に魔法は全て使えるといったバグっぷり。剣術や体術、戦闘技術なんかも一流の類じゃった。修練や弛まぬ努力もしてきたんじゃろうが、総合においてあれほどの者は1万年に1人いるかどうかじゃろう。

 

 人類であやつに勝てるやつはいないんじゃないか?神や魔王と呼ばれる存在なら勝てるかも知れんが、それより下位のものじゃ勝てんじゃろうな、多分。

 

 それにシキは本当に面白かった。ちょくちょくわしやエヴァと3人で旧世界を放浪もしたのう。

 

 スキマじゃったか?あの移動方法は一体なんなんじゃ?魔法とも違うようじゃし・・・。ゲートを取らなければ行き来が出来ないはずなのに、魔法世界と旧世界をあんな気軽に移動するなんて、バグ以外の何者でもないじゃろう。

 

 そして、エヴァンジェリン。あやつもバグとはいかずとも大概チートじゃったようじゃ。

 

 適正属性は闇と氷。苦手なのは光と火と治癒。それ以外は平均の魔法使いよりあるくらいじゃった。

 

 じゃが、適正があるないで威力や範囲は増減するが、一通りの魔法が使えると言うチートっぷり。

 

 更に助言をしたりはしたが、10年で新しい魔法を創るとはの。学者タイプの魔法使いじゃな。しかも、戦力としても一級品とか、そこらの魔法使いどもに喧嘩を売っておるのう。

 

 売ったとしても余裕で勝てるんじゃろうな、余程のことがない限り売らないんだろうが。

 

 あやつらは確固たる自身の信念を持っておるから、『力』に溺れて自分を見失うこともないじゃろう。

 だから、途中からは喜んでエヴァンジェリンの師匠役をやっておったのじゃがな。

 

 2,300年。そろそろ行動を別つ頃合かのう。寂しいものじゃのう。

 

「エヴァー!ゼクトー!ちょっと話あるから来てー!!」

 

「今行くー!」

 

「わかったのじゃ!」

 

 はてさて今度は何が始まるのかのう。

 

「今度は京都に行こうと思うんだ」

 

「は?」

 

 やはりこやつらは面白くて退屈せんでいいの。今回の旅に一区切りついたら寂しいが別行動することにしようかのう。

 

Side.end

 

 

 

Side.紫稀

 

「今度は京都に行こうと思うんだ」

 

「は?」

 

 あれ?反応がいまいち芳しくないな。

 

「それで京都とはどこにあるんじゃ?」

 

 あっ、そうか、知らないからか。ゼクトのお陰で反応の意味が分かった。

 

「旧世界の日本と言う島国だ」

 

「日本?んー何か知っているような気がする」

 

 そりゃそうだ。ヨーロッパ圏ならマルコ・ポーロの話くらい聞いたことはあるだろう。

 

「マルコ・ポーロ?誰じゃそれは?」

 

 あっ、ゼクトは魔法世界で生きてたから知らないか。

 

「今から約400から500年前に生きていた旧世界のヴェネツィア共和国の有名な冒険家。で、その冒険家が冒険の数々を載せた本の名前が東方見聞録。その一説にある国を紹介するものがある。それは『黄金の国、ジパング』。それが日本のこと」

 

「黄金の国、ジパング?なんじゃそれは。黄金が沢山ある国なのか?」

 

「いや、そういうわけではない。マルコ・ポーロが訪れた場所に金箔や金を使って建てられた建築物があっただけだ。黄金がそこらかしこにあるわけではないよ」

 

「ふむ、そうか。黄金がそこらかしこにあったのなら貰ってきても平気だとおもったのじゃがな・・・」

 

 意外と俗物的ですね、ゼクトさん。

 

「そういえば、エヴァ。確か古い建築物とか好きだったよね?」

 

「ん?そうだが、それがどうかしたのか?」

 

「いや、なに。日本は木造建築が主でな、古い建築物はかなり丁寧に保存されてるんだ。更に京都は古都とも呼ばれるほどだ。だからエヴァが生まれる前に建てられたものも色々と残っているんだ」

 

「それは本当か?是非観たいぞ!行こう!今すぐ、行こう!!」

 

「んじゃ、満場一致で京都行きというか日本行きはオーケー?」

 

「勿論だ!」

 

「わしは構わんぞ」

 

 エヴァの興奮度が怖いです!!そしてゼクトは変わらない感じだな。

 

 まっ、京都行きが決まったからいいかな。

 

 京都についたら神鳴流教わろうっと。

 

Side.end

 

 

 

Side.エヴァ

 

 古都・京都か。

 

 古い建築物が今もなお残ってるなんて素晴らしいじゃないか!

 

 是非とも拝まねばなるまい!!待ってろよー、日本!!

 

 なにより、この機会にシキと一線を越えてみせる!!

 

 覚悟しておけよ、シキ!?

 

Side.end




エヴァ様に始まりエヴァ様で終わる今回の視点。

あれ?おかしいな。前回の最後から時間が全く進まなかったぞ?具体的に半日すら。
今回で京都入りするつもりだったのに、どうしてこうなった?
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