世界の枠から外れた者   作:裂やん

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時間が12話からあまり進まない!
12話から数えても多くて2日くらい?1日しか進んでない気がするのだが・・・?

やっぱゼクトは空気になりやすい。
そんな15話、どうぞ。


第15話

Side.エヴァ

 

 神鳴流の素春の屋敷で夕食を頂いて風呂に入ってから、私は風に当たるために屋敷の屋根の上に座っていた。お酒を持って。

 

 すると私の後に風呂に入ったシキが私と同じようにお酒を数本持ってやってきた。

 

「エヴァも風に当たりながら酒か?」

 

「そういうシキこそだろ?」

 

「月が綺麗だったからな。肴に丁度いいと思って」

 

「で、本当にそれだけで屋根に上ってきたわけじゃないんだろ?」

 

 それだけの理由なら別に屋根に上ってこなくてもいいはずだから、何かあるのだろう。

 

「やっぱばれるか。いや、なに。エヴァと大事な話をしようと思ったから」

 

 大事なこと?大抵のことは些事だから余程重要な話か?

 

「そろそろ覚悟というか決心しないといけないと思ってね」

 

 ん?覚悟?決心?あれ、この雰囲気と流れってまさか!そうなのか!?

 

「一度、君には伝えたことがあったけど、もっかいきちんと伝えたいと思ってね———」

 

Side.end

 

 

 

Side.紫稀

 

「一度、君には伝えたことがあったけど、もっかいきちんと伝えたいと思ってね。

 

 エヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェル。

 私は君を300年前のあの時から変わらず愛している。いや。あの時よりももっと愛している。だからパートナーとしてずっと私の隣にいて欲しい。

 私の、神儀紫稀の伴侶となってほしい」

 

 これが私の本当の想い。やっと伝える勇気が持てた。

 

「・・・300年か。長かった。やっと私達は手と手を取り合って生涯を一緒に進んで行けるんだな。

 

 シキ。私は、エヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェルは300年前のあの時よりも大きくなったこの想いで、神儀紫稀を愛し続ける。それは生涯なくなることはない。

 だから私を貴方の妻にしてください」

 

 あーこれはやばい。涙が止まらないな。

 

「キティ。どうして泣いているんだい?」

 

「それは嬉しいからだよ、シキ。シキこそ泣いてるじゃないか。それと何故いきなりキティなんだ?」

 

「私だって嬉しいんだよ、キティ。いいじゃないか。二人きりのときはこっちで呼ばせてくれよ」

 

 そう言いながら私はキティにキスをする。何気にお互いファーストなんだぜ?

 

「いきなりするなんて・・・」

 

 真っ赤だな。私もそうなんだろうな。自分でも分かるし。

 

「300年も待たせて悪かったね。中々決心がつかなかったんだ」

 

「そうだな。お互い近くにいすぎて積極的に前に進めなかったのかもしれないな。最近の私なら、機会があれば襲っていたかもしれんがな」

 

 そんなの分かっていたさ。自分に向けられる好意に気付かないほど、鈍感ではないつもりだよ。だから決心したんじゃないか、共に生きていこうと。

 

「そろそろ部屋に戻ろう。明日の試合のこともある。キティが風邪を引いてしまっても大変だし」

 

「別に明日の試合なんて楽勝だろう?それに私は真祖だぞ。風邪なんて引かないさ」

 

「それはどうか分からんさ。念の為だよ。私の気分的な問題さ」

 

 試合自体はそこまで大変じゃないだろうな。キティを一人でここにいさせて何かあったら私の精神的に耐えられないからだけどね。

 

「キティ。今夜はキスと一緒に寝るだけで我慢してね。そこから先は他人の家でする度胸は流石にない。魔法球に入ったとしてもだよ。京都に来た理由が一段落したらまた世界を放浪しよう。多分ゼクトは京都で別れると思うから」

 

 恐らくゼクトは私の京都での用事が住んだら魔法世界でまた暫く一人でいることを選ぶだろうから。

 

「そっか。だとしても私達は不老者だから、いつか再び会えるだろうさ」

 

「そうだね。まぁー京都には短くても一月はいるつもりだから、もう暫く時間はあるさ。もしものときはレーベンスシュルトの魔法球に入ってのんびりすればいいしね」

 

「そうだな。それじゃあ観光を楽しむことにするさ」

 

 そう言って私達は用意された部屋に戻って一組の布団で寝ることにした。

 

 

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 因みにこの恥ずかしいやりとりは撮影していた。キティにばれないように。

 

 恐らくこの映像を見たら私とキティは二人とも身悶えるんだと思う。だけど処分したりはしない。これは大事な記録で記憶だから。

 

Side.end

 

 

 

Side.other

 

 昨晩、思い出すと身悶えるようなやりとりをした紫稀とエヴァの二人は朝っぱらからイチャついていた。

 

 ゼクトと素春はそんな二人をニヤニヤしたり、暖かい目で見守っていた。お手伝いさんといった人たちは、動揺したり困惑の目を向けたりしながら、昨晩何があったのかと思っていた。

 

「そういえば素春殿。あなたの娘さんは一体どこだ?今日の昼に試合うのだろう?」

 

 朝食を食べながら試合の確認をする紫稀。

 

「娘の素香(もとか)は一昨日から遠方にいっておって今日の昼前に戻ってくる予定なんじゃ。それまで京をのんびり見て回るか道場で鍛錬を見たり、自由にしてくれて構わぬ。素香が帰ってきたら呼びに行くか声を掛けるから大丈夫だ」

 

 事情を説明する素春との会話で試合までの時間をどう過ごすか決める紫稀。

 

「それなら鍛錬を見ながら得物の準備をするか。試合に使うのは木刀でいいのだろう?」

 

 木刀ならあの樹の枝使って準備すればいいし。と続ける紫稀。

 鍛錬を見ながらという事は、見稽古を使用する気満々である。

 

「あー刃さえ潰れているなら何を使ってくれて構わんよ」

 

「あぁー分かった。別に無手だろうと私は戦えるのだがね。一応木刀は準備しておこう。ご馳走様。美味しかった」

 

 そう言って紫稀は借りた部屋に戻っていった。

 

 その後、少し遅れて食べ終わったエヴァも「ご馳走様でした」と言って紫稀を追いかけていったのだった。

 

 残っていたゼクトと素春は二人の行動を見ながらニヤニヤしていたのだった。

 

Side.end

 

 

 

Side.紫稀

 

 朝食を終えてから不審に思われないように部屋に戻ってから、私は影の倉庫から【無銘】と同じくらいの長さの世界樹の枝を取り出した。

 

「これを錬金すればいいかな?」

 

「シキ。お前って確か木刀は・・・ってなんだその枝?魔力とか色々と凄いぞ?」

 

 およっ?もう食べ終えてきたのか、キティ。

 

「まぁー本体の樹が内包する魔力とかいったものは無限といっても過言でない代物の枝だからね。それくらいは当然でしょ」

 

「は?」

 

 やっぱ驚くか。ん?あーそうか。世界樹のこと話してなかったっけ。

 

「そういった大樹があるわけだよ。私はそれを世界樹と呼んでる。今度その場所に一緒に行こうか」

 

「あ、あぁ」

 

 それじゃキティを連れて道場にでも行こうかね。おっとその前に錬金しないとね。

 

「練成陣を書いてその上に枝を置いて、ホイっと」

 

 世界樹の枝を原料にしたからか予想以上に素晴らしい代物が出来てしまったよ。名前がないのも勿体無いしな。何かいいのはないかなー?

 

「そうだ。【木刀・無銘】でいいや」

 

 ん?どっかの執事な漫画に出てくる木刀の名前と似てるって?いいんだよ。インスパイアってやつだ。問題ない。

 

「なんだそのネーミング?」

 

 キティもそんな反応なの?いいじゃないか分かりやすくて。

 

「シキがいいなら私は何も言わないよ」

 

 最初からそういえばいいのに。んじゃそろそろ鍛錬も始まってるだろうし道場にいくとしますかねー。

 

 

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 何故か今、門下生全員に睨まれてます。

 あれ?どうしてこうなった?

 

 いやいや理由は一つしかないか。昨日のことですね。

 どうでもいいや。

 

 ん?なんか素春殿と同等かそれ以上の気配が1つこっちに向かってくるな?来れば分かるから放置でいいな。

 

 おっ、扉が開く。

 

「父上。青山素香、只今戻りました」

 

「素香か。よく戻った。それで、どうだった?」

 

「はい。そこまで強力な妖はおりませんでしたのでそれ程時間は掛かりませんでした」

 

 ふーん、彼女が娘さんね。別嬪さんだね。あだっ!

 キ・・・エヴァ肘鉄しないでっ!痛いよ!エヴァが一番だから!ね!?

 

 ふぅーようやく落ち着いてくれた。それで遠出って妖退治だったのかな?

 

「そうかご苦労だった。それで今日はお前と試合いたいという者が来ている。戻ってきたばかりで疲れているだろう。2時間休息を取ってからやってもらいたいと思うのだが、問題ないな?」

 

「はい。それは勿論大丈夫です。ですが、相手はどこに?」

 

「それならあそこにおる」

 

 ちょっと人を指ささないでくださいよ。あら?お嬢さん。私を見るなり何嘗めた顔してんのかね?

 

「父上。お言葉ですが、あの程度の気しか持たぬ者が私の相手になるとは思えないのですが?」

 

 あっ、そういえば今抑えてるんだっけね。忘れてたよ、てへっ。

 

「素香。お前は少々天狗になっておるようじゃな。紫稀殿の本当の実力すら測れぬとは。紫稀殿、少しばかりご自身の力量を示してもらえぬだろうか?」

 

「別にいいが、どの程度まで示せばいいかね。あぁー2割ほどで構わんか。それ以上出すと素春殿や素香殿ならいざ知らず他の門下生では死にかねんな。それでは少し気をつけたまえよ」

 

「「「「「がはっ!」」」」」

 

「ぐっ!2割で此処までとは。流石ですな紫稀殿・・・」

 

「これで2割やてっ?それなりに死線を乗り越えてきたウチでさえきついだなんてっ・・・」

 

 あれ?2割しか出してないのに素春殿と素香殿、門下生側の数人を除いてみんなダウンか。気絶はしてなくてもかなり疲弊しているのしか残らないか。だらしのないな。

 

「なんだ、ここの門下生は弛んでるんじゃないか?シキは殺気を出したわけではないのに、少し力を出しただけで気絶するなんて。シキの本気の殺気を当てたらそれだけでショック死しそうだな」

 

「エヴァ。それは思っても言っちゃいけないよ。私が完全に解放しても立ってられるのは、3人くらいだな、私が知ってるので。それと一般人ならともかく、多少なりともこっち側にいるなら気絶はしてもしにはしないでしょ?」

 

「3人?私とゼクト以外にもいるのか?それと一般人より少々優る程度なら十分死ねるだろ」

 

「まぁーね。恐らくだけど。おっとそろそろ抑えるとするか。いい加減危なくなってくると思うし。素春殿たちは大丈夫か?」

 

 死ぬ死なないはもうスルーことにする。平行線を辿りそうだし。

 

「あぁ。強者であることは分かってはいたが、まさか此処までとは思っていなかった」

 

「そりゃそうだろうな。普段の行動時は3分《ぶ》程度まで抑えているし。よくて門下生より劣る程度だ。まぁーお嬢さん。剣士なら相手が力を抑えていたとしても本領を見抜けねば即座に殺されるぞ」

 

「うっ・・・」

 

 ありゃ。流石に言い過ぎたかな?これじゃ試合出来ないっぽいな。まっいいか。神鳴流の技は見せてもらえるんだし。

 

「試合は流石に無理っぽいな。素春殿。流石に疲れただろうから今日は屋敷の方に戻っているよ。明日からよろしく頼むよ」

 

「分かりました」

 

「父上。明日からとは一体何の話ですか?」

 

「それは後で話す。まずは気絶している者たちの介抱をせねばなるまい」

 

 んーこりゃやりすぎた?手間かけさせたっぽいな。まぁーいいや。

 

 明日からが楽しみだなー。

 

 

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 後日、何故か素香殿から修行をつけてくれと頼まれた。私は魔法使いなら鍛えられるけど剣士とかは門外漢だぞ?

 それにしても、どうしてこうなった?

 

Side.end




時間が進まない・・・。どうしたものか?

結局、本契約なり仮契約なりしていない罠。大戦期に入る前には本契約済ますから大丈夫!多分。きっと。めいびー・・・。
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