世界の枠から外れた者   作:裂やん

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皆さま、明けましておめでとうございます。


エヴァ様出せるー!!
やっと原作キャラに絡めます。

それでは8話どうぞ。



第8話

Side.other

 

 現在、紫稀は道中助けた馬車の持ち主、アーネスト・マクダウェルとその従者達と共にネストの館に向かっていた。

 

「そういえばネスト殿。奥方と娘さんがいると言っていたが、相談せずに私を滞在させてもいいのかい?」

 

「なに、それなら大丈夫。妻や娘は優しいからシキが私の危機を救ったと聞けば歓迎してくれるさ」

 

「そういうものなのかい?」

 

「そういうものだよ。さて見えてきたよ」

 

「そうか、あれがネスト殿のやか・・・た?」

 

 言葉のキャッチボールをしていた時、ネストの館を見た紫稀は驚いた。それは仕方の無いことだが。

 

 ネストは『館』と言っていた。だが、どう見ても『館』ではなくそれは『城』だった。

 その事実に紫稀は驚きを隠し切れずに口を開いた。

 

「ネスト殿。あれは『館』ではないよ。間違いなく『城』だ・・・」

 

「『館』も『城』も大して変わらないと思うが?」

 

「いやいや、全く違うだろうに!『館』とはそれなりの権威があるものたちが住むもので、『城』とはそれらや土地を纏めるものが住まうものだろう!!ということはネスト殿の家系は代々領主か何かなのか?」

 

「そういえば教えてなかったか。シキの言うとおり私の家系は代々この辺りの土地の領主だよ。と言っても私はあまり権力で支配するというのが好きではないから気にしないでくれよ」

 

「分かった、もうその辺に関しては言わないことにしよう。言っても意味がなさそうだ」

 

「ははは、そういうことだ。さてついたから降りよう。妻達に紹介したい」

 

「了解したよ。あまり大げさに紹介してくれるなよ」

 

 ネストとの会話に若干の疲れを感じつつ先に馬車を降りたネストに続いて降りる。

 

 玄関へ向かうネストの後に続きつつ城を見る紫稀。

 

「(そういえば原作の麻帆良祭の時にどこかの城に預けられたとかって話があったが、私というイレギュラーの存在で元々、城に住んでいたことになっているのか??)」

 

 少々考えを小声で口に出しながらも歩いていた紫稀は先に進んでいるネストに追いついた。

 

 ネストが開いた玄関の扉の向こうに待っていた景色は———

 

「「「「「おかえりなさいませ、旦那様」」」」」

 

 

 

 メイドさんの一団だった。

 

 

 

「今戻った。ヴィラとエヴァはどこだ?客人を紹介したいのだが」

 

 いつものことなのか大して反応しないネスト。

 

「こちらですよ、あなた。おかえりなさい」

 

「お父様、おかえりなさい」

 

 紫稀が声のした方を向いてみると、声を掛けて来たであろう女性と幼女?少女?の2人がいた。

 

「(ん?向こうにいるのが奥方か?で、その隣がエ…ヴァ。あれなんか原作より可愛くない?落ち着け私。こういうときはあの言葉だろう。Yes ロリータ!Noタッチ!!よしっ、落ち着いてきた。)」

 

 原作で知っていた以上に可憐なエヴァを確認した紫稀は危ない人になりかけていた。

 

「ただいま、ヴィラ、エヴァ。シキ紹介しようこっちの女性が「妻のエルヴィラです。ヴィラと呼んでください」・・・でこっちが娘のエ「エヴァンジェリンです」・・・。それで彼は私達が山賊に襲われそうになったときに助けてくれた「神儀紫稀、こちらではシキ・カミギですね。気軽にシキと呼んでください」・・・ねぇ、私泣いていいかな?」

 

 いざ、3人を紹介しようとしていたネストは感じな部分を3人に奪われてかなり落ち込んでいた。

 

「(奥方のヴィラ殿と娘のエヴァンジェリンだけではなく、私にも台詞を取られたのがそんなに悲しいのか?やりすぎたかな?)」

 

 ネストの落ち込みようを見て紫稀はそう小声で口に出していた。

 

「ネスト殿、男の涙なんて女性の涙を見たくないとは別の理由で見たくないからやめてくれ」

 

「そうですよ、あなた。シキさんの前でみっともない姿を見せないでくださいね」

 

「お、お父様、落ち込まないで」

 

「エヴァ。お前だけだよ、私のことを心配してくれるのは・・・」

 

 落ち込むネストに追い討ちをかける紫稀とヴィラ。若干困惑しながらもネストを励ますエヴァ、そのエヴァを見て微笑むネスト。その微笑を見て紫稀が思ったことは

 

(親馬鹿か?)

 

 だった。

 

 そんな状況を回復するように紫稀はエヴァに声を掛けた。

 

「エヴァンジェリン、子供とはいえ女性に聞くのは失礼だと思うがいくつになる?」

 

「き、9歳です。あと1ヶ月ほどで10歳になります」

 

 エヴァはその質問に若干驚きヴィラの服の裾を掴みながら答える。そんなエヴァの行動を見た紫稀は今度は完全に暴走しだした。

 

「ネスト殿!あんたの娘さん可愛すぎだろ!?私あの子ならいつまでも愛していけると思うぞ!!つうか嫁にください!!!マジで!?」

 

「なっ!いくらエヴァの可愛さを理解して、危機を救ってくれたシキでもそれはダメだ!エヴァは一生嫁に出す気はないし、婿を取らせるつもりもない!!」

 

「あ、あのっ・・・」

 

「いいじゃないか、私になら!彼女が嫌がることは絶対にしないから、嫁にくれよ!もしくわ婿になってもいいから!!ネスト殿をお義父さんって呼んでもいいから!?」

 

「ダメだダメだダメだ!!誰がなんと言おうとエヴァは誰にも渡さん!!というかその呼ばれ方は気持ちが悪いからやめてくれ!?」

 

 暴走した紫稀はネストにエヴァを嫁にくれと喚き、ネストはそれに若干の怒りを出しながら却下し、その2人の口論に困惑と動揺を隠せないエヴァ。

 

 と言うか、見た目12歳の少年相手にムキになりすぎではないか、このオッサンは。

 

「いい加減にしなさい、二人とも!エヴァや他のみんなが困っているではないですか!」

 

「「ぐえっ!!」」

 

 ドガッという音と共に床に倒れる紫稀とネスト。その二人の近くに立っていたのはヴィラ。その両手には厚さ1センチほどの本があった。

 

「そこのあなた達、この二人を寝室と客間にそれぞれ運んでおいて。ネストの方には起きたら応接間に来るようにメモか何かをテーブルに置いて。シキさんのほうには起きるまで誰かそばに付いていて。起きたら応接間に案内して頂戴。私とエヴァは応接間にいっているからよろしくね」

 

「「「「分かりました、奥様」」」」

 

 近くにいた4人のメイドに指示を出してエヴァを連れてヴィラはその場を後にした。

 

 

 

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 

 時は少し進み、客間に運ばれた紫稀が目を覚ましたのはあれから30分経ったころだった。

 

 そして現在、メイドに案内されて応接間にいた。ネストも同じくらいに起きたのか、紫稀が入って少ししたらやってきた。

 応接間にいるのは五人。紫稀とマクダウェル家の三人と残りの一人はメイドだった。

 

「先ほどはお見苦しいところを見せて申し訳ない。エヴァンジェリンの行動を見ていたらついつい暴走してしまったようだ」

 

「いえいえ、気にしないでください。暴走したのは夫も同じですから」

 

「うっ・・・」

 

「えっと・・・」

 

「・・・」

 

 先ほどの行動の謝罪から入る紫稀。それを受け取りもう一人を指摘するヴィラ。指摘されて唸るネスト。その状況下でオロオロとするエヴァ。全く反応しないメイド。

 

「それであなた、シキさんを城に招待した経緯を話してもらいたいのだけれども」

 

「あぁーそうだな。山向こうの街からの帰りに山賊に襲われそうになったのを助けてくれたのがシキだ。それでお礼として暫く滞在してもらうことにしたんだ」

 

「そうだったんですか。シキさん、改めて夫とお供の従者を救ってくれたことに感謝します。それとあまり盛大な御もてなしは出来ませんが歓迎します」

 

「ネスト殿にも道中言ったが感謝されるために行動したわけでないから気にしないでください。あまり断るのも無礼だと思ったので滞在の件は受け入れました。最近はゆっくりと腰を落ち着けることがなかったので此方としても感謝したいところでしたから」

 

 紫稀がネスト達を助けたところから道中の話などをして、時間も時間なので食堂に移動する面々。

 食事中にも旅の話を聞いて興奮するマクダウェルの三人。それに苦笑しつつも話し続ける紫稀。

 

 四人の宴会もどきは城の使用人を多く巻き込み夜遅くまで続いた。

 

 途中からエヴァは紫稀に懐きはじめ、「エヴァって呼んで下さい」といった提案を受け入れた。エヴァがうとうとしだした時には紫稀の膝の上に座っていた。それを見ていたネストが親の敵を見るかのような目で紫稀を睨んでいたのは余談である。

 

Side.end




あれ、おかしいな?エヴァ様の影薄くね?
もっと出る予定だったのに、威圧感がないエヴァ様だと影が薄くなると言うのか!?

大丈夫だ。きっと次回には沢山出ると思うんだ。



次回は早目に更新出来ればと思います。
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