ラブライブ!Э 1/2な俺と9人の女神達との世常 Э   作:カビバラ

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0 最序章→穂むら屋

「よし……」

 

 時刻は16時くらい、思ったよりも迷ってしまって結局何十時間とかかってしまったが、なんとかオレ達は今日のうちに、目的地である、穂むら屋という店に到着。

 

 予想外なことにここに向かうまでの間に雨が降り出した。雨でも変身能力は反応するので、今のオレの姿は”女”。

 女になると声も高くなって胸も膨らみ身長体重は減少、体つきも丸っこくなり本当に見た目だけはただの女になる。

後それと、髪型は伸びたりしないので、男女両方の体になるべく違和感の無いように、ポニーテールにしている。

 

 それにもう一つ、服だが昔父さんが着ていた男性用のチャイナ服を着てきた状態で女になってしまったので、サイズがあってなくて歩きずらい上にかなり違和感がある。

 でもかといって持って来た変え服も、女性用は親の言い分で一切家に置いてないので、いずれもサイズが微妙に違うだけの、似たりよったりな男性用チャイナ服3着しか持ってきておらず、その為にわざわざ着替えれる場所を探すというのも時間がかかるし面倒。ぶかぶかで変に思われるかもしれないが、そこは何とかして誤魔化そう。

 

「ブヒー! ブヒー!」

 

 ちなみに良牙さんも俺や父さんと同じで変身能力を持っていて、この人の場合お湯をかぶると男、水をかぶると女ではなく野球ボール二個分くらいの大きさの黒い子豚になるらしい。

 

「ブヒブヒブヒブヒ!」

「良牙さん、ちょっと静かにしてください」

「ぶ、ブッヒー……」

 

 赤面かいてジタバタしている様子を見る限り、多分元の姿に戻りたいんだろうけど、お湯も持ってないし、温泉に入るにしてもどこにあるかわかんないし、良牙さんが知ってるとしてついて行ったとしていつ着くか……俺も本当なら男の姿で来たかったけど、戻るのはいろんな意味で難しい。

 

「良牙さん、申し訳ないんですけど元の姿に戻るのは後からでお願いできませんか?」

「ぶっひぃ……ぶひっ!」

「うがっっ?!」

 

 扉をノックしようとしたその瞬間良牙さんは高く飛びつき、オレの左の二の腕に噛み付いてくる。

 

「……っ!」

 

 思わず屈んで出血してる場所を右手で抑える。それでも結構な量の血が出てて普通に痛い。小さいくせに噛力はハンパじゃなく、流石良牙さんと言ったところだ。素直に関心は出来ないが。

 

「何?!」

 

 そんな中オレの叫び声に反応したのか、穂むら屋から大人の女性が飛び出てくる。

 

「……? あなた、こんなところで何してるの?」

「え、いやちょっと豚に……あれ?」

 

 再び振り向いたが、先程いたはずの良牙さんが見当たらない。

 

「おかしいな……」

 

 屈みながら周りを何度もくまなく確認するが、やはり良牙さんはいない。

 

「どこに行ったんだろう……?」

「──状況はよくわかんないけど、随分とひどい怪我じゃない」

「え? あぁ、これなら大丈夫……!」

「本当に?」

 

 大人の女性に噛まれた痛い所をポンとつつかれその瞬間体中に激痛が走る。

 

「いっ……!」

「どこが大丈夫なのよ、無理しないで。とりあえず包帯巻いてあげるから来なさい」

「……え?」

 

▼ ▼ ▼

 

 言われるがまま着いていき、ほむら屋に入って少し進んで畳の部屋で左腕に包帯を巻かれ、暖房の前に正座。べちょべちょだがこの手の状態で風呂に入るわけにも行かないので代わりにタオル数枚を全身に巻きつけられる。まるでミイラ。工夫力は0。

 

「へくしょん!」

 

 などと文句を言ってはいるものの……やはり寒い。

 

「そんなサイズ合ってない服を着て、雨の中傘も刺さずに歩くからいけないのよ」

「おっしゃる通りです……」

「それはそうと災難だったね、豚に噛まれたって」

「うん……」

「名前は?」

「天道春樹……」

「へ?」

「え?」

「天道春樹君って男の子って聞いてたんだけど?」

 

 あー……どうやらこの人は、オレの事を天道春樹と認識していないらしい。確かに今の俺は女で、来るのは男って伝えてるはずだし、変身能力も男の姿でここに来て、それから話そうとしていたので、今のところなにも話していない。まあわかんないのも無理はない。

 説明するのにも、水をかぶると女の子になるんです! と言う話だけで信じてくれた人は今まで一人もいない。実証するのが一番だが、この状況でだと少し動きづらい。

 

「あ……間違えました。早乙女春香、はるかです」

 

 でも、ややこしくなってきたのでここはとりあえず女っぽい偽名を使って誤魔化そう。

 

「ん、えっと、春香ちゃんは春樹君とは知り合いなの?」

「みたいなもんかな……」

「春樹君はいつ来るの?」

「さぁ……」

 

 その誤魔化しも少し考えれば変だと思うはずだけど、やっぱりわかんない人にとっては分からないものなのかな……

 

「まぁ私は店があるから戻るけど、あなたはとにかく温まるまではここにいなさい、風邪引くから」

「はい……」

 

 大人の女性もどこかに行き、さてここからどうするか。

 とりあえずは風呂場に行ってお湯を体にかけて、男に戻らないと。

 まだあの人は女のオレのことを春樹と思ってないし、とりあえず男に戻って、オレが春樹というのを認識させて、そこから変身能力の事を話すのがわかりやすく、簡単か。

 

「よし……」

 

 バックを部屋に置いて、邪魔なので巻きつけられたタオルを外し、一歩ずつそっとそっと歩き出す。

 畳の部屋の入口から見て、左右は一本道、階段や所々に扉があるのがわかる。右の奥は上に登る階段があり左の奥は売り物? が置いてあってそれに人声がする。

 普通、風呂場は一階にあるから、まず二階は後回しで大丈夫だろう。とりあえず右側にこそこそ歩く。

 

「大丈夫……だよな?」

 

 一つ一つ、少しだけ扉を開けて中を確認する。

 まずあった部屋の中に入り込みその中はトイレ。人は誰もいない。というよりいなくて良かった。

 次の部屋に行こうとした時……

 

「ぅありがとうございましたぁ!」

 

 っと左側から先程話していた女の人の声が高らかに響きわたり思わず尻もちついてしまう。

 

「いたた……」

 

 そして後ろを気にしつつ、再び次の部屋の扉を開け中には洗面所……と何かそれっぽい閉まった扉をみつける。見た目的に風呂場だろう。

 結構早く見つかってよかった。これで後は中に入ってお湯をかぶれば問題解決……かと思いきや

 

「〜♪」

 

 その中からシャワーの音と楽しそうな鼻歌が聞こえだす。

 喜びもつかの間すぐに我に返る。よくよく確認して見るとタオル、服、下着が。間違いなく中に誰が人がいる。

 どうする? せっかくここまで来たのにこれでは入るに入れない。

 中にいる人は歌っている鼻歌や声質からして女の子。今のオレは女、なので中に入るのは非常識的ではあるが、男の姿で入るよりかは問題はないはず。というより問題はその後、男に戻った時だ。──もう考えなくてもわかる。絶対に色々とめんどくさくなる。

 そして、どうするか考える間もなく、突然シャワーの音が聞こえなくなり、それとほぼ同時に扉が開き、女の子と鉢合わせになる。

 

「あ……」

「は……!?」

 

 当然相手は裸。女同士でもやっぱり恥ずかしいのか体の部分部分を隠すようにしながらその場にしゃがみこむ。

 

「あ……えっと……その……」

 

 男の姿じゃなくて良かったと思いながらさらに焦る。

 

「お……女の子でも突然入ってきて……何?」

「あ、いや違う、これには深い事情が……」

「赤の他人がノックもなしにこんなとこに入ってくるのに、深い事情なんてあるわけないやい!」

「だから本当に違うんだって!」

「とにかくどいて!」

 

 パニクってるのかオレを手で押し倒させ大慌てで服を着替え出そうとする。

 さらに不運なことにその人に体に着いていたお湯が飛び散りそれがオレの体にあたり……

 

「いてて……確かに、突然入ってきたのは悪かったけど、仮にも女の子同士なんだしなにもそこまで言うこともない……」

「え、ええっ…………?」

 

 その人が顔を青ざめいているのに気づき俺はふと下を確認する。

 

「は……」

 

 最悪だ。

 俺はその距離差数十センチ、裸の女の子の目線の真ん前で男になってしまう。

 

「……………………」

 

 お互い無言で数十秒の間石化したかのように固まり着く。

 俺からすれば見慣れた女の体を見ているだけで特に何か思うこともないが、相手からすれば見ず知らずの男の人に自分の裸の姿を人に見られている状態。

 当然何事もなく済むはずもなく……

 

「い……いやあぁああぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!」

 

 その悲鳴は大きく長く、何秒も何十秒も響き渡る。

 

「ど、どうしたの雪穂?!」

 

 悲鳴に反応し、当然のように先程の大人の女性、雪穂のお母さんが慌てて風呂場にやってくる。

 

「おおお母さん! この人覗き、だから今すぐ警察呼んで!」

「覗き!?」

「待って、違う、違うんだって」

「違うわけ無いでしょ! 誰がどう見ても覗きよ!」

「ああもう!」

 

 状況的にこれ以上隠すのは無理だと判断し諦めた俺は風呂場へと向かう。

 

「何をしているの?!」

 

 中に入って一気に温度を下げてシャワーを出し、それを体に思いっきりぶっかける。

 

「?!」

 

 水が左腕に染みて痛いが何も言わず耐える。

 そして二人が先程よりも戸惑い、驚いてる顔を見てオレは察する。

 もう後戻りは出来ないのだと。

 

 

 

「これが覗き目的じゃないって言う──証明だ!!!」

 

 

 

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