機動戦士ガンダム Silent Trigger   作:ウルトラゼロNEO

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HG REVIVE第4弾にガンダムMk-IIが!!第3弾のフリーダムもそうですが凄い待ち遠しいです。ストフリ出ないかなー

私はガンプラ作ってはいるんですがHGばっかりでMGやRGはなんだか敷居が高い気がして作ったことないんですよね(MGはBFのブルーレイBOXのビルドストライクのクリアバージョンしか作ったことない)

だからHGで出てくれるのはありがたいです。MGやRGではデスティニーやZやMk-IIなんかを作ってみたいですが、MGは同じのでも種類あるしRGはパーツが細かいし壊れやすいって話を聞くので手が出ないです…。実際、MGやRGを組む人の話を聞いてみたいです。


グレートキャニオン─ふたりの男─

 

 

「……懐かしいもんだな」

「ウィングガンダムプロトゼロ……。貴官が地球圏に亡命した際に持ってきた機体だ。ゼロシステム……。悪魔のようなシステムだ。コロニー軍をあれ程恐ろしいと感じたのは初めてだ」

 

 翔達が百式と戦闘を繰り広げ始めたのと同時刻、カレヴィは某基地にて機体の受領を行おうとしていた。

 その外観の特徴からウィングガンダムの系列であることが分かるウィングガンダムプロトゼロを見上げるカレヴィにこの基地の司令官が険しい表情で口を開く。

 

「この機体を元にウィングガンダムを作り、その後は様々なデータ取りや実験を繰り返したが結果は貴官も知ってのとおりだ。私としてもこの機体をこの場に置いておくのは気が引ける。さっさと持って行ってもらいたい」

「分ぁってるよ」

 

 どこか厄介払いしたいと怯えた様子の司令官にカレヴィはため息をつきつつ、プロトゼロに乗り込もうとする。

 

 だが、基地全体に警報が鳴り響いたのだ。

 あまりにも突然の出来事にカレヴィと司令官が周囲を見渡す。

 

「司令、敵部隊からプロトゼロの引渡せとの打電です! 大人しく渡せば攻撃はしないとのことです!」

「そうはさせるかよッ!!」

 

 焦った部下が走ってきて息を切らしながら電文が映し出された端末を持って報告に来ると、カレヴィは司令官の指示を受けずに素早くプロトゼロに乗り込むのであった。

 

 ・・・

 

「……ッ」

 

 プロトゼロのコクピットに乗り込んだカレヴィ。

 ハッチを閉め、操縦桿を握るとゼロシステムが起動し、額にジワリと汗が浮かぶ。

 かつてこの機体で自分は惨劇を起こしたからだ。グレイには乗りこなしてみせるといったが不安はある。

 

「民間人のガキである翔やレーアにいつまでも頼りっきりじゃいられねぇからな……。そろそろ大人の格好良さを見せてやらねぇとな」

 

 不安をかき消すように自分に言い聞かせるように軽口を吐く。

 己の中にある不安は取り除けはしないが少しは気分が楽になる。

 

「ウィングガンダムプロトゼロ……出るぜ!」

 

 止むを得ず、格納庫の扉が開いたのを確認したカレヴィは格納庫から出るとペダルを一気に踏み込んで空へ舞い上がるのだった。

 

 ・・・

 

「基地からの返答は?」

「それが……なんとも」

「プロトゼロを引き渡せば攻撃はしない……。そのことは伝えたのか」

 

 コロニー連合軍の艦であり、暗色を使用したカラーリング以外はアークエンジェルと同型のエイナル達の部隊が所属している戦艦ドミニオンのブリッジにてエイナルがオペレーターに確認のため尋ねるとオペレーターは頷く。

 

「──ッ! 高速で接近するMSあり! これは……プロトゼロです!!」

「引き渡す気はないということか……。艦長、私が出る!」

 

 するとレーダーに映った機影にオペレーターがはじかれたように振り返って報告するとエイナルはすぐに行動を開始する。

 

「……少尉一人でか?」

 

 エイナルの言葉を聞いた艦長は引き止めるように静かに口を開いた。

 

「奴はゼロシステム搭載型……。そして今回、私に受領された機体もまたゼロシステム搭載型。どうなるか分からない」

「……部下達を危険に晒さないためか。良いだろう」

「恩に着る」

 

 エイナルの言葉から真意に気づいた艦長の了承にエイナルは素早く格納庫へ向かうのであった。

 

 ・・・

 

「少尉、ガンダムの調整は済んでいます!」

「ご苦労、君達の腕は信用している。十分に戦えるだろう」

 

 格納庫に到着したエイナルに気づいた整備士が声をかけると、彼は整備士達への信頼を露にしながらmコクピットのなかに乗り込み操作を始め、システムを起動させる。

 

「問題は……私にこの機体を扱えるかどうかだな」

 《進路クリア、発進どうぞ》

 

 射撃武器はないものの個人的にエイナルはこの機体を気に入っていた。

 だがこの機体はプロトゼロと同じくゼロシステムが搭載されていたのだ。

 ヘルメットに写るSYSTEM-EPYONの文字を見ながらエイナルは機体を操作し、オペレーターの指示に頷く。

 

「ガンダムエピオン、出撃する!!」

 

 ペダルを踏み込み出撃するガンダムエピオンはすぐに接近するプロトゼロを捕捉した。

 

 ・・・

 

「その機体はキサマらには過ぎたものだ! 大人しく渡せ!」

「……人間には、の間違いだろ、エイナル」

 

 大出力のビームソードで斬りかかるエイナルはビームサーベルで受け止めたプロトゼロに接触回線でパイロットに叫ぶと、そのパイロットであるカレヴィはエイナルに反応するも、静かに反論する。

 

「なっ……!? カレヴィか!! 貴様……その機体に……!?」

「電文を見てすぐにお前だろうとは思ったよ。けどなぁっ、こんなモンを渡すわけにはいかねぇんだよ!!」

 

 エイナルもプロトゼロの話は聞いている。

 テストパイロットはカレヴィだったからだ。カレヴィがこの場にいることにも驚きだが、また再びプロトゼロに乗っている事に驚いているとプロトゼロはバッと距離を取る。

 

「ふざけるな、今すぐ降りろ!! ゼロシステムは……ッ! グゥッ……!!」

「おいエイナル!? ッ……!?」

 

 カレヴィを想い、降りるように諭すエイナルではあったがゼロシステムから次々に勝利のための指示が出る。

 苦しむエイナルに気づくが今度は自身にもゼロシステムの指示が出る。

 

 ──バスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使えバスターライフルを使え

 

 

「ぐっ……! 俺は……ッ!!」

 

 相手がエイナルであるということと基地の真上であることからツインバスターライフルの使用を躊躇っていたカレヴィ。だがゼロシステムは容赦なく何度も何度も絶え間なく、指示を出してきた。

 

「──……敵……。私の敵……」

「エイナル……?」

 

 通信越しでブツブツと呟くエイナルにカレヴィはゼロシステムに苦しみながらも、怪訝そうな表情を浮かべる。

 

「私は……私の敵を排除する……。そしてカレヴィ……。いつまでも邪魔をするというのなら……貴様は……」

 

 次の瞬間、エイナルの切迫した声と共にエピオンは鬼気迫る勢いでプロトゼロを肉薄したのだ。

 

「貴様は敵だァッ!」

「エイナルゥウッ!!」

 

 エイナルの狂気じみた叫びにカレヴィは既視感を覚える。そして感じた。目の前の機体はかつての自分だと。

 

「俺は……乗り越える…!! エイナル……お前を食い止めてなぁッ!!!」

 

 いまだゼロシステムからの命令やビジョンが直接脳内に届く。

 今すぐにでも気が触れてしまいそうなのをグッと堪え、目の前のかつての自分のような状況下にあるかつての友を救う為、カレヴィはエイナルと刃を交わすのだった。

 

 ・・・

 

 

 

 ──兵達が死んでいく姿は見たくないのだ。

 

 

 

 ──兵の生存率を上げるためには……。

 

 

 

 ──これだ……。GNドライブを……ツインドライブを使ったこのシステムがあれば……!

 

 

 

 ──力を貸してくれるか、×××

 

 

 

『……うん、分かった』

 

 

 

 ・・・

 

 

 

「──翔ッ!」

「うっくぅっ……。また変な夢……?」

 

 久しぶりの女性の声と何やら夢のようなものを見ていた翔はコクピットに乗り込んできたショウマによって目を覚ました。

 

「ここは…?」

「谷底みたいだ……。俺たち、アイツに負けてここに叩き落とされたんだ。動くなよ、頭から血ィ流してるから」

 

 ヘルメットのバイザーを上げ、目を動かして辺りを見回す。

 目を覚ました翔を見て、安堵のため息をつくと、バイザーに付着した血を見て、翔のヘルメットを外して応急処置を始める。

 

「その……さっきは悪かったな。お前の言う通り、射撃をすれば良かったのに」

「別に……。気にしなくていい」

 

 翔の頭に包帯を巻きながら先ほどの戦いでの意見の食い違いに関して謝罪すると翔はただ静かにショウマに任せたまま、答える。

 

(……やっぱ怒ってんのかな?)

(……あそこで負けたのは単純に俺達の実力不足だ。誰が悪いとかじゃない)

 

 翔は無口なタイプであまり顔に出すタイプじゃない。

 押し黙る翔に対してショウマが戸惑っていると言葉足らずの翔は包帯を巻き終わるのを確認して礼を言って立ち上がり上半身のパイロットスーツだけを脱ぐ。

 

「……通信機器がイカれてる。他にもバーニアの不具合か」

「ああ。俺の方もそうだった。もっともバーニアはお前ほど酷くはないんだけどさ」

「直すしかない……か……」

 

 コクピット内で機器を操作する翔はすぐに不具合を確認する。

 ショウマも翔のところへ来る前に己の機体を確認していたのか頷いた。

 翔はコクピット近くにある簡易型の工具を取り出す。それを見たショウマは己の機体の所へ戻って修理を始めた。

 

 ・・・

 

「しかし民間人って話なのに良く器用に修理できるよな」

「……まぁ知識だけはあるからな」

 

 それから半日が経過した。

 黙々と修理をする翔にショウマはただ驚いていた。

 

 つい数週間前まではただの民間人だったと聞いていた翔がMSパイロットとしての知識を学んだ自分と同じくらいの作業をこなしているのを見て驚かざる得なかったが、翔はありのままを答える。

 どうにもあの光と同化してから知識だけは増えた。もっとも操縦技術程の知識ではない。あくまでショウマより知っている程度でメカニックほどではないだろう。

 

 ・・・

 

「おーい、飯にしようぜ!!」

「……修理もしないで何処か行ったと思ってたら魚取ってきてたのか?」

 

 それから更に時間も経った。

 完全には直せはしないが応急処置程度の修理は出来る。

 なんとかバーニアの処置が終わり通信機器を修理している翔にショウマが声をかける。見れば脱いだ自分のヘルメットに何匹かの魚をいれて持ってきたショウマだった。

 

「焚き火を起こしてだなぁ……っ! あれ……火がつかねぇ……!?」

「……マッチを使えよ。コクピットに工具と一緒に備え付けの緊急の遭難道具があったろう」

 

 適当に枝を集めて焚き火を起こそうとするショウマだが、いくら擦っても煙の一つも起きない。

 その様子に呆れつつコクピットから取り出したマッチで火を起こす。

 

「コクピットにある非常食じゃ味気ないと思って釣ってきたんだよ」

「……そう、ありがと」

 

 ショウマは獲った魚の口に手頃な枝を突き刺し、焚き火の近くに刺して焼き始めると、その気遣いに純粋に感謝をする。

 

 ・・・

 

「……ショウマはなんで軍人に?」

「俺は元々戦災で孤児だったんだ。そこを先生に拾ってもらって武術なんかを教えてもらってるんだ」

「……先生……。フェズのことか。だがショウマの機体はモビルファイターではないんだな」

 

 数分後、魚が焼きあがり食べ終えた。

 翔は腹が膨れた感覚に満足感を覚えながら近くの岩に身を預け、ふと何気なく聞いてみるとショウマは己の身の上話をはじめ、翔の返答に頷きながら苦笑する。

 

「ファイタータイプは操縦した時のスーツがなぁ……。あれさえなければなぁ……」

「……ああ。あのタイツみたいなの……。けど折角教わった武術を活かせるMSがあるのにそれだけで敬遠するのは勿体無いな」

「まぁそうだよなぁ……」

 

 ショウマが照れ臭さそうに呟くと、翔もMFのスーツを思い出しながらも気持ちは分かるが、と苦言を呈すると自覚はあるのか、ショウマは気まずそうにポリポリと頬を掻く。

 

「翔はどうなんだ、家族とか知り合い……」

「いるよ。会えてないけど」

「あっ……悪い……」

 

 何気なく翔のことについて聞くショウマ。

 だが翔の返答に何を思ったのか、自分の浅はかさを感じて思わず謝ってしまう。

 

「……別に死んじゃいないよ。ただ会えないだけ……。俺は自分のせか……故郷に戻るために戦ってる。いつか絶対……帰ってみせる。これで二度と会えないなんて嫌だ」

「へぇ……いつか帰れると良いな、故郷に着いたら俺にも案内してくれよ」

「一緒に行けたらな」

 

 初めて強い翔の意思を見たショウマは笑みを浮かべると翔もつられて微笑を浮かべる。

 

「まずその為にはMSを直さないと……。予定通りでいけば今日の深夜には友軍の進行ルートを確保するために山岳基地周辺の敵を叩くはずだ」

「ああ。さっさと合流しないと先生達ばっかに任せちゃおけないからな!」

 

 翔はおもむろに立ち上がるとブレイカーFBを見上げる。

 すると気力も回復したのか、意気揚々とショウマも同意して焚き火を消す。

 

「ああ、レーア達だけじゃなくて少しは俺達も格好付けないとな。男は格好付けたがる生き物だろ」

「へへっ、お前も無口でつまらなそうな奴と思ってたけどそんな台詞言えんだな。今度、あの金ピカに会ったら勝とうぜ!」

「お前もただの脳筋だと思ってたよ。だけどお前の言う通り、あの百式には絶対に勝つ。今度は連携をきっちり組もう」

 

  翔の珍しい軽口にショウマは何気に酷いことを言いながらも拳を突き出すと、翔もまたあえてショウマに言い返して拳を突き合わせる。

 そうして二人は連携の意見を出し合い、ぶつかり合いながらも意見を纏めるのだった。

 

 ・・・

 

『翔はどうなんだ、家族とか知り合い…』

 

 

 あれから意見を纏め、仮眠を取った後に翔は通信機器を直していた。

 応急処置のような修理を終えたショウマはまだ寝ている。そんな中、翔は先ほどのショウマの言葉を思い出す。

 

 

『おぉっ、翔、ガンプラのコンテストで優勝したのか!』

 

『今度雑誌に翔のガンプラが載るんだって? お母さん買ってこないとね』

 

(父さん……母さん……。昔は反抗ばっかりしてたけど今は漸く笑って話せるようになったのに……。親孝行も出来ちゃいない……)

 

『なぁ、翔。GNドライブの作り込みってどうすりゃイイんだ?』

 

『如月さん、見てください! 私のキュベレイ、可愛いですか?』

 

『ふっ……貴様も俺のバンドに加えてやってもいいぞ。共に暗黒のメロディを──』

 

『でも、バンドって貴方一人だけじゃない。一人でもT.○.Revo○utionって感じ?』

 

『如月くん、君もたまにはガンダムだけではなくジオンのMSでも使いたまえ。ジオンのMSは良いぞぉ!』

 

(ナオキ……みんな……。俺は……俺は……っ……自分の世界に戻りたい……。こんな世界なんかじゃなくて……みんなにまた会いたいよっ……!)

 

 次々に蘇る元の世界での家族や友人、仲間達との楽しかった記憶。

 彼らともう一度会いたい。こんな訳の分からない世界で死ぬのは嫌だ。

 そう考えると思い出も相まって感傷的になって涙が流れる。

 

 

 

 

 

『──ッ……』

 

 

 

 自分の胸の中で自分とは違う何かがざわついた気がした。




カレヴィとエイナル、翔とショウマのお話です。カレヴィの方は次回でカタが着く予定です
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