機動戦士ガンダム Silent Trigger 作:ウルトラゼロNEO
今回は記念小説のようなモノで投稿するタイミングが掴めなかった番外編のような話を投稿します。
初めてのガンプラ
──“ガンダム”を好きになったのは何時の日のことだっただろうか?
「どうしたの、翔?」
───正直、覚えちゃいないが最初は単純にガンダムの機体が格好良かったからだろう。
「これって……」
────そこからアニメや小説、漫画を見始めどっぷりハマって…。
「あぁっ……MSのプラモデルね」
─────“ガンプラ”にもハマって行ったんだ。
・・・
「どうかしたのか?」
「翔がプラモデルを見てるのよ」
グレートキャニオン攻略作戦終了後、アークエンジェルはパナマ基地へ向かう前に物資の補給をしていた。
そんな中、パイロット達にも休息が与えられショウマ、レーア、翔の三人は近くの町に立ち寄っていた。
その道中の模型屋で足を止めた翔は店頭に展示されているモビルスーツのプラモデルを見て足を止めていると、先頭を歩いていたショウマが足を止めた翔とレーアに気づき、声をかけるとレーアがじーっとショーケースを見つめている翔を一瞥しながら答える。
「へぇ……珍しいな。翔が興味を示すなんて」
「そうね。翔の部屋は必要最低限のモノしか置いてない殺風景な部屋だもの。無趣味かと思ってたわ」
無趣味な翔だと思っていたショウマが感心したように模型屋の前に立つ翔の近くに歩み寄っているとレーアも以前、翔の部屋を見た時のことを思い出しながらショウマの言ったことに話すと翔は黙って模型屋の中に入店し、驚いた二人は慌てて後を追う。
「翔……買うつもりなの?」
「……そのつもりだけど」
棚に積まれたプラモデルをジィーッと見つめる翔にレーアが苦笑しながら声をかける。
翔は答えながらMSのプラモデル……RX-78-2 ガンダムの箱を手に取る。
「プラモデルかぁ……。作ったことあんのか?」
「人並みにはな」
ショウマが棚に置かれたプラモデルを見ながら翔に尋ねると翔は他の目ぼしいプラモデルも手に取りながら答える。
「ふーん……。じゃあ、俺も作ってみるかな。翔、作り方教えてくれよなっ」
ニッと人懐っこい笑みを翔に向けながらショウマは積まれたプラモデルの中からZプラスのプラモデルを手に取る。
「流石にエクシアはないわね……」
「あっ? レーアも作る気なのか?」
商品棚のプラモデルの中からワンオフ機であるエクシアがないことに当たり前ながらも少々、落胆しているレーアに意外かと思ったショウマが声をかける。
「いけないのかしら?」
「そうは言ってないって。ただ意外なだけだよ」
「……なんとなくよ。単純に無趣味だと思ってた翔がここまで反応したから気になっただけよ」
不機嫌そうな表情を浮かべるレーアに頬を引き攣らせながら肩を竦め、おどけながら答えるなか、レーアは棚からストライクを取り出す。
「じゃあ早速、レジ行こうぜ……って何か色んな道具持ってるな。もしかしてそれ全部必要なのか? 爪きりとかじゃダメ?」
「別に構わいけど……。綺麗に作ろうと思えばそれなりに必要だが、今回は作ってみて興味が出てきたら専用の道具を買い始めれば良い」
「まぁそうね。こんな事を言うのはアレだけど一度作って飽きてしまったら、プラモデル代だけならまだしも道具のお金が勿体無いわ」
ショウマがいつの間に翔が持っていたカゴの中に入っていたガンプラ以外の無数の道具を見て問いかけると翔は精算を始め、いままで使い道が特になかった給料で支払いながら答えると、その背後でレーアが同意し二人も支払いを終了してアークエンジェルへ戻る。
・・・
「さぁ、早速作ろうぜ! どうすりゃ良い?」
「どうするもなにもまずは説明書通りに作ることだ。プラモデルの中でもガンプラ……MSのプラモデルの説明書は異常な程、親切だからちゃんと工程通りにやれば良い」
翔の部屋に三人が集まり、買ってきたガンプラを広げると、待ちきれないショウマに翔が道具を整理しながら答える。その横ではレーアが黙々と説明書に書かれたランナーがちゃんと同封されているか一つ一つ確認していた。
「まずはニッパーで……って言ってもショウマは爪切りとかだったな」
「一応、私はニッパーだけは買ったわ」
「ん……。まず、パーツを切る時はランナーとパーツの間を少し残すように切るんだ。だが、説明書にも書いてあるけど迂闊に切ってはいけない部分を切らないように注意しろよ」
それぞれガンプラを開封し説明を始める翔は意気揚々と爪切りを持つショウマを見ると、隣でレーアは翔と同じ新品のニッパーを開封する。
そんなレーアを横目に自分でその作業を行いながら説明すると、二人も同じように作り始める。
「そして今度は根元から切り取る。所謂二度切りだな。こうすれば力加減も最小限に出来て切り取った跡も少なくて済む……。だが、完成後目立たないような箇所であるなら一度切りでも良いぞ。それで後はヤスリかけだな……。基本的に金属ヤスリがあれば十分だ。一応、買ってきたから使うと良い」
「俺は爪切りのがあるから良いや。レーアが使わせてもらえよ」
「じゃあお言葉に甘えるわ。けど翔は金属ヤスリは使わないのね」
道具の中から棒状の金属ヤスリを取り出す翔は二人に向けると、ショウマは断りながら爪切りのヤスリ部分で処理を始めると、レーアは受け取り金属ヤスリを取り出しながら、ナイフで切り跡の処理をする翔を見る。
「まぁ……余程の事がない限り、デザインナイフやアートナイフでも出来るっちゃ出来る。ヤスリがけは人によって方法が違う。もっと綺麗に仕上げたいなら他にも金属ヤスリやナイフ以外で紙やスポンジなど多種類のヤスリがけやマーカーを使ったもので仕上げるが今回は割愛しよう」
「おぉっ、綺麗にくっつくもんだな!」
パーツの処理を終えた翔がヤスリがけについての説明をしていると、ヤスリがけが終わったのかパーツ同士を合わせたショウマは驚いている。
「ショウマ……。それポリキャップ忘れてるぞ」
「あぁっ!? どうしよう!?」
「……安心しろ。こういう時はナイフを使うんだ。パーツの合わせ目にナイフの刃先を入れるんだ。注意点は傷がつかないように目立たない場所からな。後はてこの原理で……ッ……外せる」
さり気なくパーツの入れ忘れを見抜いた翔の指摘にパチッとハマったせいで外せなくなったパーツに慌ててるショウマのパーツを取り、デザインナイフでパーツを外す。
綺麗に外れたパーツを渡され「おぉっ!?」とショウマは驚いている。
「……ん? なに書いてんだ翔」
「……これはスミ入れだ。パーツに溝があるだろう? これをモールドって言うんだが、ここに書き込むと……」
「へぇ……随分と立体感が増すわね。私にも貸してもらえるかしら」
自分のガンプラ作成に戻る翔がパーツにペンを使っているとショウマがそれに気づき、声をかけると翔は説明をする。
翔が書き込んだパーツを見るレーアはそのモールドが際立っていることに感心し申し出る。
「すみ入れペンにも種類がある。マーカーやシャーペンとかな。特にマーカーは油性や水性がある。効果がそれぞれ違うから用途に合わせて使うと良い。エナメル塗料なんてものもあるが今は割愛しよう。基本的には消すのも指で擦ったりして消すことが出来るが、汚れに繋がるから注意するんだ。まぁ最初は……シャーペンで良いだろ」
すみ入れに関する知識を説明し終えた後に道具箱からシャープペンシルを二つ取り出しショウマとレーア、それぞれに渡す。
・・・
「……流石に頭部と胴体までは良いけど、少し複雑な手足を二つも作ることになると少しだれるわね」
「そういう時は二つ同時に作り始めればいい。それならば作る際のストレスも少なくて済む。っていうかもうそこまで作ったのか……」
着々と作り続けていたレーアがボヤくと翔が助言をするが、翔がショウマに気を取られていたのもあるがレーアの進行速度に驚く。レーアのストライクはもう本体が出来上がっていた。
「レーアに負けてらんねぇ! 俺も一気に作るぜ!!」
「プラモは自分のペースで作るのが一番だ。焦ったらロクなことにならない」
レーアに触発され、一気に進めようとするショウマに苦笑しながらも助言をする。三人はそのまま時間を忘れて、ガンプラ作成に没頭するのであった。
・・・
「出来たぁっ!」
「ええ……!」
「二人とも良い出来だよ。ちゃんとゲート処理もされてるしパーツも合わさってる。シールもちゃんと貼れている」
ショウマの目の前には完成したZプラス、レーアの前にはエールストライクが置かれていた。それぞれ目の前のガンプラを見て達成感を得ていると翔が微笑しながら褒める。
「よし……。じゃあつや消しをしようか」
「つや消し?」
「まずガンプラを持って付いて来てくれ」
缶スプレーと完成したガンダムを持った翔の言葉に首を傾げるレーア。
翔に言われたまま二人はそれぞれのガンプラを持って外へ出る。
・・・
「良いか? まず見ててくれ」
甲板に出てきた翔達は、まずお手本で翔はつや消しスプレーを取り出し、ガンダムに吹きかける。
「……よし、どうだ?」
「おぉっ! すげぇ! プラスチックって感じがしない!!」
「だろう? これは吹くだけでプラスチックのつやを抑えてリアルに見せれる。だが注意点はやはり組み終わった後だと間接に隠れて塗り残ってしまう。だから角度を変えて何回か吹き分けるか、パーツの状態で吹くかのどちらかだ。他にも光沢、半光沢なんてものもあるからこれも用途によって使い分けると良い。スプレーを吹く時は近すぎず遠すぎずを意識し吹き始めと終わりがかからないように真っ直ぐじゃなく払うように吹くのがポイントだ。他にも全体的にムラがないように吹くんだ」
翔がつや消しをしたガンダムのプラモデルを見せると、そのプラモデルを見てショウマが興奮していると翔はスプレーをショウマに渡し、助言をする。
・・・
「少し手間を加えると見栄えも格段と良くなる物ね」
「けどスッゲェ動くなぁ!」
つや消しを終え、机の上に置かれたエールストライクをレーアが満足そうに見つめている。その表情は心なしか緩んでいた。その横でショウマがZプラスをガシガシ動かしていた。
「二人ともどうだった?」
「正直、翔とショウマに付き合うだけのつもりで作り始めたけど、ここまで面白いとは思わなかったわ」
「俺も興味本位で作ったけど作り終わるとすっげぇ達成感があるな! 正直、2人の比べると跡とか見劣りするから爪切りで作ったの後悔してる……。今度作る時はニッパーは道具をちゃんと買うぜ!」
感想を聞いてみる翔にレーアとショウマはそれぞれ嘘偽りない感想を楽しそうに語る。
「プラモデル作りには他にも色んな技術がある。部分塗装に合わせ目消し、全塗装に後はめ加工……。他にも様々な技術がある。手間をかければかけるほど楽しいけど最初は自分の技術で出来る事からやって行くことが大事だ。どんなものでも楽しめなきゃ意味ないし続かないからな。新しい技術を取り入みながら作りたいなら少しずつ目的を決めて作るのも良いぞ」
「……こんなに饒舌に喋る翔は始めて」
「……うるさい。まぁでも……ガンプラの作り方や楽しみ方に正解はない……。自分で好きなようにやるのが一番だ。それこそ目一杯の技術をつぎ込んだガンプラや何の技術もなく所謂素組みで作ったりな。最近のプラモデルは色分けが十分されているから素組みでも満足できるだろう。下手に技術をつければ、些細なことが気になってしょうがないぞ」
翔の説明を聞いていたレーアが苦笑しながら呟くと照れ臭そうに人差し指でほほを掻きながら説明を続ける。すると翔の部屋の扉にノックがされる。
「皆さん、なにかやっているんですか?」
「よぉっ、面白そうなことやってんじゃねぇか」
部屋に訪れたのはルルとカレヴィだった。
どうやら甲板で行ったことが話題になって聞きつけた二人が来たようだ。
「へぇ……プラモデルか。俺も戦闘機とかのを作ったことがあるぜ」
「格好良いです!」
翔達の間に置かれる三つのプラモデルを見て懐かしむカレヴィと両手を合わしたルルはパッと見た感想を口にする。
「へへっそうだろ! これから翔と道具とプラモを何個か買いに行くんだぜ!」
「えっ……?」
「いやぁ……正直、ここまで楽しいと思わなくてさ。今度はちゃんと道具で作りたいんだ。まだ時間もあるだろうし、頼むよ翔! また色々教えてくれよ」
得意げに話すショウマにさりげなく巻き込まれていることに思わず顔を向ける。
そんな翔に申し訳なさそうに両手を合わせながら頼みこむ。
「なら私も付いて行くわ。翔には色々とまだ教わりたいし1体だけって言うのも寂しいもの。たまにはシュミレーター以外のこともいいかもね」
「ほおっ……じゃあ俺も行くぜ。プラモデルなんざ十年は作ってねぇからな。たまには良いだろ」
「み、皆さんがやるなら私も……。翔君、私にも教えてくれる……?」
レーア、カレヴィ、ルルがそれぞれ反応すると翔に視線を向ける。翔は一斉に視線が向けられたことにビクッと反応しながらも……。
『如月さん、このガンプラは……?』
『このイベントで培った経験……。今の俺に向いているガンプラ……。ガンダムブレイカー0だよ』
『ゼロ……。この作りこみ……凄いです尊敬しちゃいます! 如月さん私にも技術を教えてくれませんか!?』
かつて思い出すのはガンダムグレートフロントでの出来事。
キュベレイを基にしたオリジナルガンプラを使っていた少女との会だ。
こうして頼み込まれるのは、何度も自分にガンプラの技術を教えを請うた彼女を思い出す。
「良いよ……。興味を持ってくれるって言うのは嬉しいしね」
やがてその表情には笑みが。紛れもなく今の翔は楽しんでいるのだ。戦争によって歪んだ世界のこの小さなひと時を。こうして五人は再び模型屋に向かうのだった……。
そういう訳でブレイカー2組、ガンプラを作るです。この世界のプラモ事情は特定のワンオフ機以外は大体ある感じです。というかここら辺は詳しくつっこまないで欲しいです。
BFのように見たら作りたくなるような話は難しいですね。要望があれば、ガンプラ編をもっと書いてみたいです。
ガンプラは本当に好きなように作るのが一番だと思います。それこそ最初は爪切りなど手頃な道具で作り始めるのも。私の友人はBFの影響でガンプラを買い道具も買っていましたが途中で飽きたようで上半身だけ作って後はなにもしてないそうです。それこそお金が無駄なので手短な道具で初めて楽しかったら道具を買い揃えて作り始めれば良いと思うんです。なんにせよ楽しむのが一番ですね。(私もガンプラデビューした幼い頃は破壊神の如く手でもぎって作ってましたがそれでも楽しんでましたし)
長くなり生意気言ってしまいましたが10000UA記念の今回の話、楽しんでいただけたなら幸いです。これからも本小説をよろしくお願いします。