機動戦士ガンダム Silent Trigger 作:ウルトラゼロNEO
「お前ら、機体状況はどうだ?」
「右肩の辺りかな、被弾した。それ以外はまだ何とか」
第二防衛ラインのMS隊と交戦後、辛くも突破することには成功した翔達。
カレヴィが機体の状況などを通信越しに問いかけると翔がまず機器をチェックしながら最初に答えた。
「俺は小破、まぁなんとかなるかな」
「アタシも大丈夫だね」
続いてショウマとフェズがそれぞれ答える。
モニターで確認すれば確かに防衛ラインを突破するためか自機共に所々に損傷がある。
逆にここまでこの被害で抑えられたのは奇跡以外の何物でもなかった。
「あそこが海底トンネルの出口だ。シャッターは俺が破壊するから、そこを同時に一気に海底トンネルを抜ける。気ィ抜くなよ!」
モニターの数100m先には海底トンネルを出入り口を守るシャッターがある。
カレヴィは指示と共にツインバスターライフルを発射すると、極太の金色のビームは海底トンネルをシャッターを破壊するだけに留まらず、更にその先で待ち構えていたであろう敵部隊をも直撃する。
「今だァッ!」
カレヴィの叫び声と共に翔達は一気にペダルを押し込んで海底トンネルの出口から飛び出すとそれぞれが各々の武器を構える。
ツインバスターライフルの効果で隊列を乱すことが出来たのか、ブレイカーFBのダブルバズーカとZプラスのビームライフルはそれぞれ、いとも簡単に直撃して特にバズーカに至っては爆風による相二次被害も出している。
「シャァァァァァイニングゥウッ! フィンッッッガアァアアアッッ!!!!!!!」
完全に隊列が乱れた敵部隊にシャイニングの必殺技とも言えるシャイニングフィンガーが密集していた敵の一機に直撃、そのまま爆発して周囲の敵機体も爆風に煽られる。
「ウオオオオォオオオオッッッ!!!!」
勇ましい雄叫びを上げるフェズに呼応するようにシャイニングはその周囲の敵機体をなぎ払うようにその拳、その蹴りで薙ぎ倒していく。
「流石にバスターライフルまでは想定しきれなかったか? だが、まだだぜ!!」
上空ではプロトゼロが二丁に分離させたバスターライフルの引き金を引いていた。
そこから放たれる光線の威力は言わずもがな、奇襲攻撃により乱れた敵の隊列を次々破壊していく。
「ッ……! 上か!?」
空中からバスターライフルを発射していたプロトゼロだが、更に高度から敵機の襲来を察知する。
確認してみればそこには飛行機体と四機のフォースインパルスガンダムを中心とした敵飛行部隊がこちらに接近してきていたのだ。
すぐさま二つのバスターライフルで迎撃するのだが……。
「避けたっ!!?」
先陣を切る隊長機と思わしき蒼い飛行機は円を描くようにバスターライフルのビームを避け、尚、接近してくる。カレヴィは素早くマシンキャノンを発射するが……。
「可変機かッ!!」
マシンキャノンを避け、更に接近する敵隊長機は変形する。
その姿は細長く鋭利とした印象を受けるその機体名はガンダムAGE-2。
AGE-2は素早くビームサーベルを抜き、斬りかかってくるとプロトゼロもツインバスターライフルを連結し、片方のマニピュレーターにビームサーベルを引き抜いて、受け止める。
「──ツインバスターライフルとは物騒なモン持ってるよな。流石にソイツで来りゃ、ある程度は潰せるか。っていうかその機体自体はウチのもんだろ」
「なに……!?」
ビームサーベル同士のぶつかり合いでスパークが起きる中、接触回線からAGE-2のパイロットと思わしき若い男性の声が響く。急に喋りかけてきた敵パイロットにカレヴィは当惑してしまう。
「使うな、なーんて固いことは言わないけど色ぐらい変えようぜ。機体の色が黒だったら白に変えるとか」
「接触回線で強引に繋げてまで随分とお喋りな奴だな……!」
「それが俺なもんでね。もしかして怒った? ならカルシウム豊富な牛乳を勧めるよ、イライラには効かないらしいけど」
まるで友人に話すかのようなフランクな口調で一方的に話しかけるAGE-2のパイロットに初めてのタイプの相手であると同時に鬱陶しく感じたカレヴィのどこか怒気が含んだ言葉にAGE-2のパイロットであるジェイクはそれすらもネタにして軽口を続ける。
「もしかしてカレヴィ・ユハ・キウル?」
「だったらなんだ……!?」
「へぇ、地球軍に寝返ってパイロットをやってるなんて話聞いたけどまさかねぇ。知ってるぜ、空中戦におけるエースパイロットだって」
剣戟を結びながら突然、なにを思ったかカレヴィ本人かを確認してくるジェイクにカレヴィは眉間に皺を寄せて、表情を険しくさせながら答えるとコロニー軍時代のカレヴィのことを知っているのか、ジェイクは関心を示す。
「サインでも欲しいか?」
「アンタの命が欲しいね」
再びサーベル同士の刃を交えるプロトゼロとAGE-2。余裕を取り戻したカレヴィの言葉にジェイクは口角を上げ、機体をその場で飛び上がる。
「──チィッ!!」
なんとAGE-2が飛び上がった後方にはフォースインパルス4機が一斉にビームライフルのトリガーを引き、四つのビームが一気にこちらに接近してきていたのだ。
カレヴィは舌打ちをしつつプロトゼロをネオバード形態へ素早く変形して、飛び上がることで避ける。
「隊長、外しちゃいました」
「見りゃ分かる」
フォースインパルスのうちの一機に乗っている一番年下の最年少であり慕われるジェイクを一番に慕うアジア系のキリッとした翠色の目の青年……レン・ハヤテの通信にジェイクはいちいち、言わなくても良いと言わんばかりに答えると、AGE-2を変形させ、プロトゼロの後を追う。
「女のケツばっか追いかけてたもんで、こーいうのは慣れっこさァッ!!」
「中々、やるな……っ!」
飛行を続けるNB状態のプロトゼロを可変形態であるストライダー形態のAGE-2が追撃する。
鋭い射撃を繰り返しプロトゼロを追うAGE-2パイロットの技量を素直に認めながら、二機の壮絶なドッグファイトが幕を開けたのだ。
「俺達もっ!」
「──させるかっ!!」
レンが他のフォースインパルスに通信をいれ、ジェイクの援護をしようと動こうとした瞬間、WR形態のZプラスが射撃をしながら突進して、その行く手を阻まれる。
「こいつ……っ!」
「──ウオオォォォォォオオオッ!!!!!」
なんとかシールドで受け流すことに成功したレンだったが、ショウマのZプラスは素早くMS形態に変形してビームサーベルを引き抜いて仕掛けると、素早くシールドを構えるが、真っ二つに切断されてしまう。
「っ!」
だが、周囲にいたフォースインパルスの一機がZプラスに射撃をしようとするが下から放たれたビームによってライフルが貫かれて破壊される。
「……させるか」
「サンキュー! ナイスアシストだぜ、翔!」
地上からビームライフルを使用した精密射撃で相手のビームライフルを撃ち落したのはブレイカーFBだった。
「翔、アンタも行ってやりな」
「しかし…」
「アタシなら大丈夫さっ!」
二つのビームソードを巧みに利用した剣さばきで敵を次々に撃破するシャイニングはブレイカーFBに通信を入れて指示を出す。
だが、そうするとまともに地上にいるのはフェズだけになってしまう。翔の懸念にフェズは安心させるようにニッと活気に溢れた笑みを浮かべ……。
「ビィイムソォードォッ! タイッッフウウゥゥゥゥーーーーンッ!!!!!!!」
二刀流で機体を高速回転させ敵陣へと突っ込むシャイニング。
まさに一騎当千の働きを見せるその姿を見てブレイカーFBはショウマの援護の為、その機体特性を活かして、素早く空へ舞い上がりZプラスと共に4機のフォースインパルスとの交戦を開始する。
(胸の中でざわつくこの感じ……。なんなんだ……?)
ショウマとコンビを組んでの戦闘を行うも相手もまた中々の連携がとれていた。
集中しなければやられてしまうのは百も承知なのだが翔の胸の中にはある気持ちの悪い感覚があった。
・・・
「一部の敵部隊、海底トンネルから侵入されました! 現在、第三防衛ラインとジェイク隊と交戦中!」
「最終防衛ラインを突破されていないとはいえ、カイリのおっさんはなにやってんだか……。まぁでも、いざって時はもっと奥へ誘ってやんな。折角来たんだ、派手なおもてなしをしてやんのが筋ってもんだろうよ」
一方、パナマ基地の司令部ではオペレーターの報告にやれやれと言わんばかりのベロニカだが、その雰囲気は一変して、ニヤリと含みのある物言いをする。すると司令部の扉は開かれ……。
「司令……。私を第三防衛ラインへ出撃させてください」
「はぁっ? なんでもまた。お留守番が嫌になったのかい?」
そこにいたのはリーナであった。
リーナの申し出にベロニカはからかう。リーナは招集されたとはいえ、ヴァルターの娘だ。やはり扱いは変わってくる。
「私を……呼んでいる……。引きつけてくる人がいるんです……。とても……とても嫌な感覚……」
現在、敵が第三防衛ラインに現れたと同時に感じたのはとてつもない不愉快な思いと不快感だった。それは拭わねばならない。彼女は出撃を希望するのだった。
パナマ編もいよいよ中盤、予定では後、5、6話で終わる予定です。
後、バトオペNEXT初めましたー。初めたばかりでまだなんとも言えませんがM1アストレイで頑張ってます。