機動戦士ガンダム Silent Trigger   作:ウルトラゼロNEO

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アイランド・イフィッシュ─願い─

 

「動力部はまだかッ!!」

「翔、皆……早くして! アタシ達も……もたないッ!!」

 

 デビルガンダムコロニーはどんどん姿を変えていく。

 地球へと向かう触手を破壊する地球軍だが、それを邪魔するように放たれたガンダムヘッドに苦戦を強いられる。

 DXやXが背中合わせでこれの撃破をすると、グランとティアが動力部破壊を目指した翔達に叫ぶ。

 

「クッ……!?」

「カガミさんっ!? きゃぁあっ!!?」

 

 ティアの言うように限界は近かった。

 カガミのゼータプラスもガンダムヘッドから放たれたビームを直撃し、脚部に大きな損傷を受け、ヴェルがカガミに気を取られている間に彼女のジェスタも損傷を受けてしまう。

 

「兄さんッ! コロニー軍のMSがッ!」

「やはり奴は人間には制御できるものじゃない……ッ!」

 

 損傷を受けたガンダムヘッドはそのまま近くのコロニー軍のMSを取り込み、損傷を修復する。そのことに気付いたマヒロの知らせにティグレは顔を険しくさせ、デビルガンダムコロニーを睨み付ける。

 

「奴め……。まだ進化をしようとしているのか!」

「まさに悪魔だね、こりゃぁっ……!!」

 

 そのデビルガンダムコロニーは更なる進化を始めた。自身の体に更にガンダムヘッドを生み出し、その背部には悪魔のような大きな翼を広げる。

 ヤマトやフェズも流石にこのまま勝てるのかと内心で感じてしまう。今はただ動力部の破壊を目指した愛弟子たちを信じるしかなかった。

 

 ・・・

 

「生体ユニットであるレーアお嬢さんを救い出せれば、奴の機能は低下するはずだッ!」

 

 デビルガンダムから放たれる拡散粒子弾を避けながら、ルスランはデビルガンダム攻略の術を翔達に伝える。

 

「でも、どうやって助けるッ?!」

 

 迫りくるデビルフィンガーをゴッドスラッシュで破壊しながら、ショウマはデビルガンダムを睨みながら誰に問うわけでもなく叫ぶ。あれ程の巨体を持つにも関わらず、デビルガンダムの機動性もゴッド達に負けなかった。

 

「隙だッ……! 一瞬の隙を作ればいいッ! その隙をついて私達が動きを止める!」

「成程ね……。翔! 最後はアンタがレーアを助けんのよッ! あたし達が何とかするッ!!」

 

 エイナルはエピオンをワイバーンモードへと変形させデビルガンダムを攪乱しながらショウマの問いかけに答えると、翔にレーアを託そうとする。

 

「了解……ッ!」

 

 だが隙を作ろうとも今のデビルガンダムを何とかしなければ話にならない。

 ブレイカーRを狙うデビルフィンガーをブレイカーRはバスターライフルで撃抜く。貫いたバスターライフルのビームはそのままデビルガンダムの肩部を貫く。

 

「きゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっっっ!!!!?」

 

 すると耳を劈くようなレーアの悲鳴が聞こえシーナはレーアの名を叫び、翔はその悲鳴を聞き、歯を食いしばる。

 

 分かっていたのだ、

 デビルガンダムへのダメージはそのままレーアに繋がることも。

 これ以上、下手な攻撃は出来ない。レーアを助ける為にはデビルガンダムを何とか隙を作らねばならなかった。

 

「何度破壊しようと無駄だッ! どれだけ傷ついても蘇る……! 永遠に朽ち果てることなくッ!!」

 

 翔の動揺の隙を突くように、修復したデビルフィンガーがブレイカーRの機体を拘束して締め上げる。ブレイカーRをギリギリと締め上げながらヴァルターはデビルガンダムの性能を見せつけ、彼らを嘲笑う。

 

 捕まって、じわじわと損傷を受けるブレイカーRにゴッド達が助けようとするが、デビルガンダムの拡散粒子弾によるけん制を受け、思うように動けなかった。

 

「貴様は未来を欲すると言っていたな……! 私もレーアとこのまま地球に降りるのだ、我ら親子の邪魔をするなァッ!!」

 

 そのままブレイカーRの機体をガンダムヘッドの直線上に持ってくると、ガンダムヘッドを展開しチャージを始める。

 身動きが取れないブレイカーRをゴッド達も救おうと動きたかったが出来ず、誰しもが翔の死を連想した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──1人を除いて。

 

 

 

 

 

 

 

「さァせるかアアアアアアアァァァァァーーーーーーッッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 動き出したのはネメシスだった。

 エヴェイユの力を開放し、光を纏ってデビルフィンガーをファンネルと共にビームトンファーで破壊する。

 

「諸共消えろォオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーオオオッッッ!!!!!!!」

 

 しかしデビルガンダムのチャージは終わってしまった。

 もうヴァルターにとってルスランは忌むべき敵。ブレイカーR諸共消し去ろうとメガビームキャノンを発射する。

 

【ルスランッ!!】

 

 まっすぐ伸びた死を招く光線はブレイカーRとネメシスを飲み込もうとする。

 回避するにはもう間に合わない。翔やシーナでさえ諦めかけたその時、ネメシスは機体を大きく広げてブレイカーRを庇う。

 メガビームキャノンをその身に受ける姿に、シーナは悲痛そうにルスランの名を叫ぶ。

 

「……今度は守れた……」

【もう良いよ、ルスラン退いてッ!!】

 

 ポツリと通信越しに聞こえるルスランの呟き。

 その言葉に驚きながらもこのまま幾ら覚醒状態とはいえ、ネメシスも撃墜されてしまう。シーナは今すぐに退くよう叫ぶがネメシスはまったく動く気配を見せない。

 

「これで良いんだ……。私もあの男と同じだ……。過去に囚われ過ぎた……。お陰で私は未来に何の希望も持ち合わせていなかった……」

 

 ポツリと言葉を漏らしその表情には自嘲した笑みを浮かべる。

 翔とシーナはその姿を見ていることしかできなかった。

 

「だが未来を切り開くことは出来る……ッ! ガンダムのパイロット……! レーアお嬢さんは必ず救い出せ……! そして……ッ!!」

 

 ネメシスはどんどんエヴェイユの光を増幅させ、輝かせる。それはまさにルスランの命の輝きだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「──未来を掴め!!」

 

 

 

 

 

 

 ネメシスはそのままメガビームキャノンの閃光の中を突き進み、メガビームキャノンの砲口に突っ込んで、次の瞬間、大爆発を起こす。

 過去に囚われた男は未来を切り開くために散ったのだ。

 

「ルスラン・シュレーカー……ッ!」

 

 破壊されたメガビームキャノンからルスランのエヴェイユの光が散り、その一部がブレイカーRを通じて翔に宿る。

 

「ウオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!」

 

 叫ぶ。

 ルスランの死を無駄にはできない。

 自分に持てる全力でぶつかるんだ。

 

 翔とシーナはエヴェイユの力を更に覚醒させる。

 それはまるでルスランの力さえも受けたように。その光は虹色となって広がる。

 

「この光は……っ!?」

 

 ブレイカーRが放った虹色の光はデビルガンダムの動きを止めるに十分な効果を発揮した。

 ヴァルターは動揺しているのだ。

 エヴェイユがここまでの力を発揮するとは思わなかったからだ。

 

「リン、おっさん!!」

「ああッ!」

「アタシの命……ここで燃やすわッ!!」

 

 デビルガンダムに隙ができた。

 ショウマはリンとエイナルに声をかけると、それぞれ行動に移る。

 

「逃がしはせんッ!!」

 

 動揺している間に動きを止める。

 エピオンはツインバスターライフルを向け、最大出力で発砲する。

 その極太のビームはデビルガンダムの脚部に損傷を与える。

 

「ゴオォォォッドォッ!! フィンッッガアアアアアァァァァァーーーーーーーーアアァァッッッ!!!!!!!」

「真・流星ィッ胡蝶ゥ剣ンンッッ!!!!!!」

 

 ハイパーモードに変化したゴッドは金色の閃光に、蝶の如き気の羽を纏ったドラゴンは宙を舞った後に急降下し、飛び蹴りを放つと、デビルガンダムの脚部を完全に破壊した。

 

「今だァッ!!」

「行けッ!!」

「翔ッ!!」

 

 再生が始まる前に片を付けなくてはいけない。

 ショウマ、エイナル、リンは翔に全てを託す。

 

「……ッ!!」

 

 仲間達が、ルスランが死を持って切り開いた道を無駄にするわけにはいかない。

 虹色の光を纏ったブレイカーRはデビルガンダムに突進し、胴体部まで飛び上がるとメインカメラで頭突きをして、デビルガンダムを仰け反らせると、胴体部を無理にこじ開ける。

 

「【レーアッ!!】」

 

 中にはヴァルターとレーアがいた。

 唖然としているヴァルターを無視してレーアにそれぞれ同時に声をかける翔。

 

【レーア、今のお父様もお父様への敵意だけで戦う貴女を見てるのは辛かった! でももう終わりにするから。レーアの憎しみも全部ッ!!】

「レーア、変わることが全て正しいとは限らない……! 変わった結果、君の父親みたいになる場合だってある!! 今のレーアだからこそレーアなんだッ! 今は分からなくたっていつか見つけだすんだ、自分の願いを……可能性をッ!!」

 

 かつてレーアの問いかけられ、答えられなかった二人。

 だが今なら自信を持ってハッキリと言える。

 これが自分達がレーアに問いかけられた答えだ。

 

「翔……? 姉さん……?」

 

 DG細胞によって囚われたレーアはその身体を解放する。

 

 翔達の言葉が届いたのだ。

 見上げるとそこにはブレイカーRが。

 翔とシーナの名を呟くレーアにブレイカーRは頷き、レーアを救い出す。

 

「返せ……! かァアえェエエせェェェェェェェェーーーーーーーエエエエエエッッ!!!!!!!」

 

 レーアを奪われたデビルガンダムはその姿を悪鬼のように変え、ブレイカーRへ向かっていく。

 コックピットにレーアを乗せたブレイカーRは右のマニュビレーターを天に向ける。すると虹色の光の剣が現れ、そのまま向かってくるデビルガンダムを両断し、背後の動力炉ごと破壊した。

 

 ・・・

 

「今だッ!!」

 

 デビルガンダムコロニーはその動きを止める。

 それが動力炉を破壊したことによるものだと気付いたグランはラーカイラムへ通信を入れる。

 

 ・・・

 

「コロニー内の味方機、退避完了!!」

「射線上の味方機、離脱完了!!」

 

 ラーカイラムでもその動きは伝わっていた。

 オペレーターが矢次にレギンに報告をする。レギンが確認すればメメント・モリはすでに発射準備完了していた。

 

「メメント・モリ発射ァアッ!!!」

 

 今度こそ終わらせる。

 レギンの一令と共にメメント・モリは発射され、コロニーを飲み込み、今度こそ破壊することに成功するのだった……。

 

 ・・・

 

「やったぁあっ!!」

 

 コロニーから離脱してアークエンジェルに帰還したブレイカーR達。

 アークエンジェルに帰投し、皆口々に勝利を喜んでいる。

 周囲のコロニー軍ももう争う気はないのか武装解除をしており、格納庫ではルルを始めとした全ての者が集っていた。

 

「お前のお陰だぜ、翔」

「……本当に凄いな、君は」

 

 格納庫は翔を中心に人が集まっていた。

 ショウマやエイナルが翔を褒め称える中、翔は何も答えない。

 

「……翔?」

 

 あまりに何も答えない翔に隣に立つレーアが怪訝そうに彼の顔を覗き込む。

 翔はどこか寂しそうな表情をしていた。

 

【……本当に良いの?】

(ああ……)

【……分かった】

 

 内側から聞こえるシーナの声に頷き、この世界にもう自分は不必要だと悟った翔にシーナはある事を始める。すると翔の身体は淡い光に包まれ、徐々に半透明になっていくではないか。

 

「翔……!? なんで……!?」

「……もう俺がいる理由はないだろう。きっともう戦争は終わるはずだ……」

 

 今の翔を見て、周囲はざわつく。レーアが今の翔の状況に戸惑っていると、翔は今まで聞いたことのないくらい安らかな声で答える。

 

「──……自分の世界に帰るんだね」

「リーナ……!?」

 

 周囲が唖然としている中、ポツリの声が聞こえる。

 皆がその方向を見れば、ドクターに支えられながらこちらに来たリーナだった。

 彼女が目を覚ましたことは喜ばしいが、彼女の言葉が気になる。

 

「……分かってたのか?」

「……なんとなく……だけど」

 

 リーナの言葉には翔も驚いていた。

 翔の問いかけに弱弱しく笑みを見せる。きっと無理して来たのだろう。

 

「……ああ、俺はシーナ・ハイゼンベルクに呼ばれて、この世界に来た。最初は傍迷惑だったが、今は自分の意志でこの世界で戦った……。でももう俺は彼女との約束を……果たしたんだ。だから俺は自分の世界に帰る」

「帰る……? 姉さんが……!?」

 

 翔の口から放たれた衝撃の事実にレーアの頭は更にパニックになる。だがこれだけは言える。

 

「行かないで、翔!!」

「翔君……っ!」

 

 翔に二度と会えないというのは嫌だった。

 別世界の人間だと言うのなら会う術などない。生きているのにも関わらず会えない。

 それは死よりも残酷だった。翔を止めようとレーア、そしてルルが目で訴える。

 

「ダメだ。約束したし、何より帰らないと俺は俺が本来歩むべきだった未来に進むことができない」

 

 シーナとの約束は果たした。

 今度はあやことの約束を果たさなくてはいけない。

 そうしている間にもどんどん翔の体は半透明になっていく。

 

「……ならば仕方ないな」

「副長!?」

 

 すると今まで黙っていたマドックが静かに答えると、ルルは信じられないと言わんばかりにマドックを見てその言葉に驚く。

 

 すると今度はエイナルが口を開いた。

 

「ああ。それが彼が選んだ道だと言うのなら仕方がない」

「……別世界ってのは今一、ピンと来ないけど……でもアンタには迷惑かけたわね。わざわざ別世界からなんて」

 

 エイナル、そしてリンも翔の選択を受け入れていた。

 彼らも出来れば共に生きてほしかったが、翔の選択に口出し出来る権利はないと思っていた。

 

「でもこれだけは言えるぜ、お前と会えて本当に良かった。お前はかけがえのない仲間であり、俺の友達(ダチ)だ」

 

 ショウマも翔の首に手を回し、涙を目に溜めながら彼を見送ろうとする。

 ショウマのその姿に翔も我慢してきた涙が溢れそうになる。

 

「……ごめんね、翔君……私も見送るよ」

「ありがとう、ルル」

 

 翔も別れが辛いのだと言うことを知ったルルも涙を拭いながら彼を見送る。

 ルルに翔は頷くと、最後にレーアを見れば、彼女は俯いていた。

 

「……私も……決まったわ。未来への願い……。だからそれまでは……さようなら」

「……ああ」

 

 顔を上げたレーアは涙を拭い、自分にそう答える。

 彼女の未来への願いは何か興味はあったが深くは問わず、翔は頷く。

 

「……みんな……ありがとう……さようなら」

 

 それが翔の別れの言葉だった。

 その言葉と共に翔は消え去り、その場には小さな青い光球だけが残り、まるで翔を導くかのようにどこかに消え去るのだった……。

 

 ・・・

 

 

【やっと終わった……。あなたが終わらせてくれた。どんなに感謝の言葉を並べても足りないけど……ありがとう】

「ああ……」

 

 翔はいま、真っ暗な空間でシーナと向かい合っていた。

 目の前で自分に感謝の言葉を話すレーアやリーナに似ている女性がシーナなのだろうと感じた

 

【本当に貴方を巻き込んでごめんなさい……。私の願いは貴方が叶えてくれた……。今度は貴方の世界で貴方自身の願いを叶えてね】

「ああ……。さようなら……シーナ」

 

 やがてこの空間に光が溢れ出す。

 シーナの背後には最後まで諦めるなと教えを残して散った青年と過去に囚われ未来を切り開くために散った青年が自分を見送っていた。

 

 やがて光は翔の視界を完全に奪う。

 

 ・・・

 

「翔、なにやってんだよ……。もうエキシビションマッチが始まっちまう……」

「翔さん……!」

 

 場所は変わり、ガンプラワールドフェスタ2024の会場。

 

 つまりは翔の世界だ。

 まもなく選抜プレイヤーによるエキシビションマッチが開催される。

 ナオキが携帯で表示されている時刻を見て焦っているとあやこはずっと感じていた胸のざわつきを感じ、再び不安になる。

 

「あっ……!」

 

 だがそれはすぐに消え去った。

 人ごみの中、こちらに見知った青年が向かってきているからだ。

 あやこは嬉しそうに目を細め、向かって歩き出す。

 

「ただいま、あやこ」

「……お帰りなさい、翔さん……っ!」

 

 穏やかな顔を浮かべ、あやこに声をかける。

 彼女には翔が何があったか分からないがそれでも彼が大変な思いをしていたのは分かる。あやこは帰ってきた翔を心から迎えた。

 

「おい、翔! もう時間ないぞ!」

「ああ、今行く!」

 

 ナオキがブンブンと手を振りながら、翔に叫ぶ。

 もう時刻は二、三分前だ。翔はあやことクスリと笑うと、そのままエキシビションマッチに臨んだ。

 

 ・・・

 

「──長いようで短かった開催期間も本日で最終日! 皆さん、楽しんでいただけましたかー? 名残惜しいですかー? 私は名残惜しいぞー!」

 

 ガンプラシュミレーターに乗り込んだ翔達は準備を整え、エキシビションマッチ開始前にイベントMCから開始前に締めくくろうと話を始める。彼女の言葉の一つ一つに歓声が沸き上がる。

 

「連日大盛況だったガンプラワールドフェスタ2024! フィナーレを飾るのは夜空を舞台にしたエキシビションマッチですッ!!」

 

 腕を大きく広げ、言葉を締めくくると立体映像にはナオキのガンプラや翔のガンダムブレイカーが映し出され、合図と共に戦闘を開始する。

 それは誰をも魅了する素晴らしいファイトだったとこの戦いを見た者達は口を揃えて言うのだった……。

 

 ・・・

 

 戦士達はそれぞれの道を歩んだ。

 

 

 インスラ兄弟……戦争終結後、マヒロの提案で孤児院を設立。兄弟で今も戦災孤児を保護している。

 

 ルル・ルティエンス……コロニー軍との和平の為の旗艦としてアークエンジェルの指揮を執り、和平後、マドックやグラン達と共に統合された軍で指揮を執る。

 

 エイナル・ブローマン……言葉通り、部下と親友の墓を建てた後、長閑な街で商売を始める。融通が利かない性格ではあるが、そこそこ成功している模様。

 

 ショウマ……戦争終結後、リンと交際、後に結婚。弟子を取り、ヤマトやフェズ、そして愛妻であるリンが見守る中、心身を鍛えている。

 

 

 そして……

 

 

「……綺麗な所だね」

「ええ」

 

 リーナとレーアは世界を周っていた。

 それはリーナとの約束であったし、彼女自身も世界を自分の目で見ようとしたからだ。

 

「お姉ちゃん……。私……お姉ちゃんや翔、シーナお姉ちゃんに会えて本当に良かった」

「私もよ、でも私はまだ自分の願いを叶えなくちゃいけない」

 

 一面に広がる美しい花畑を見て、リーナはレーアに笑みをこぼす。

 初めて出会った時から随分と笑うようになったものだ。

 妹の成長を喜ばしく思いながらもレーアは空を見上げる。

 

「……翔……。いつか貴方にまた会える日を……私は願ってる……」

 

 空を見上げ、漸く見つかった未来への願い。

 それを叶えるために彼女はこれからも旅を続ける。

 翔といつか再会するために……。

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「完成したんだな」

 

 

 

「はい……。翔さんのお陰です」

 

 

 

「名前は決めたのか?」

 

 

 

「……翔さんのブレイカーの名前、借りたいんですけど……」

 

 

 

「ああ、構わない。教えてくれるか、その名前を」

 

 

 

 

 

 

 

 

「名前はガンダムブレイカーⅢ……です」

 

 

 

 

 

 

 

 誇り(プライド)をぶつける新たな戦いは目前に迫っていた──。

 

 

 




本編は最終回を迎えました。書きたいことはいっぱいありますが、まずはその後の話であるEX編を書き終え、本当の意味で完結した時にさせていただきます。

<EX編予告>


事の始まりはガンダムブレイカー0の強奪


「翔君……!?」


そして起きたアフリカタワーの崩壊


「何でなんだよ……。アンタはレーアさん達と一緒に戦ってたんじゃないのかよッ!? なんでこんなッ!!?」


ショウマの弟子……シュウジ


「俺はもうこの世界を救う気はない」


戦争を終結に導いた英雄……如月翔


英雄は悪魔に変貌する──。


機動戦士ガンダム Silent Trigger EX 近日公開。
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