機動戦士ガンダム Silent Trigger   作:ウルトラゼロNEO

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ロボットの戦闘描写って本当に難しいですね…。


フォン・ブラウン-凍りつく宙で-

「これでラストだっ!」

 

あれから数十分後、居住区ではたった今、ウィングが最後の一機である隊長機のグフカスタムを縦一文字に真っ二つに切り裂いた。グフカスタムは派手な爆発はしないがショートを起こしながら所所で小さな爆発が起きていた。

 

「一先ずは落ち着いたわね」

「だがまだ住民の避難が終わっちゃいねぇ! これ以上、居住区への侵入させないためにも居住区を出て暴れながら敵を引き付けるぞ」

「了解!!」

 

レーアからの通信にカレヴィはすぐに指示を出すと、二機は居住区を出て囮役をかって出るのだった。

 

・・・

 

「まずひとつっ!!」

 

カレヴィ達が囮になるため動き出す数十分前。

勢いよく宇宙へと飛び出したブレイカーはバーニア全開で近くの敵MSへ突っ込み、相手が反応する前に膝部分による膝蹴りを腰部分へ浴びせた後、頭部とビームライフルを持つ右腕の肩の辺りを撃ち抜き行動不能にさせた。

 

「ッ……! 4機のVガンダムに隊長機のVダッシュヘキサか」

 

その場に留まるのは得策ではない。

敵MS群がビーム射撃を放つと同時にすぐにバーニアを操作し回避しながら周囲に展開したヴィクトリーガンダムの部隊を確認すると更にベダルを踏み込む。

 

「ウッ……グッ……!!」

 

バーニアで加速している間でも強烈なGが翔を襲う。

翔は歯を食いしばりながら耐えつつ、Vガンダム達の射撃をシールドでガードしつつ撃ち返しながら近くのVガンダムへと近づく。

 

「ッ!!」

 

相手のMSも曲がりなりにもパイロットだ。

ビームサーベルを引き抜くと近接戦を持ち込んできた。

一瞬驚いたように目を見開く翔だがすぐに対応する。ビームサーベルを突き出してくるVガンダムに翔は機体を斜めに動かし避けるとサーベルを突き出した腕を掴む。

 

「ふたつっ!」

 

掴んだ腕の二の腕部分に向かって頭部のバルカンを発射し穴だらけになり爆発して本体から右腕は離れる。翔はすぐさまブレイカーのマニュビュレーターでVガンダムの頭部を殴り離れたところをビームライフルで左腕とバックパックを撃つ。

 

「みっつっ!!」

 

先程破壊したVガンダムが右腕が持っていたビームサーベルを腕ごと掴んで背後で銃口を向け、引き金を引こうとする機体へ投擲する。

まっすぐ伸びたビームサーベルはフロントスカートに突き刺さり、更に両腕を撃つ。

 

「はぁっ……はぁっ……。───っ!?」

 

いくら不殺を心掛けるといってもそれだけでも精神的消耗は激しい。

下手に殺すよりも神経を使うからだ。すぐに動こうと息を整えながら操作しようとした時、二つのビーム砲がブレイカーを襲い直撃する。Vダッシュヘキサによる砲撃だ。

 

「ぐぁっ!? ぐぅぅっ!?」

 

直撃したのはシールドを持っていた左腕だ。

左腕の爆発と共に凄まじい衝撃がコクピットを襲い、翔は悲鳴を上げる。

その間にも残った二機のVガンダムがブレイカーを仕留めようとビームライフルを撃ちながら接近してくる。

 

「アーク……エンジェルか……?」

 

接近してくる二機のVガンダムはブレイカーに夢中で援護射撃としてアークエンジェルから放たれたミサイルに反応が遅れ直撃すると、爆発したのだ。

 

《翔君、大丈夫ですか?!》

「ええ……。なん……とか……!」

 

するとルルからの通信が入り、翔は返答しながらもモニターに映るVダッシュヘキサを睨みつけるように見つめ、ペダルを踏む。

 

「っ…!」

 

Vダッシュヘキサは近づかせまいとオーバーハングキャノンとビームライフルを撃つ。

ブレイカーはオーバーハングキャノンは避けるがビームライフルが右肩に直撃するも、手に持つビームライフルを何発もオーバーハングキャノンへ向け撃つとそのうち数発がオーバーハングキャノンへ直撃して爆発する。

 

「やれるか……!?」

 

それでもまだ手に持つビームライフルで撃ってくるVダッシュヘキサに翔はビームサーベルを引き抜いてブーメランのように投擲高速回転させながらVダッシュヘキサへ放つ。

 

「──今っ!」

 

Vダッシュヘキサがビームサーベルを避けようと期待を横にずらした瞬間、翔はビームサーベルのビーム部分へ向けビームライフルを撃つとビームサーベルのエネルギー刃に直撃、ビームが拡散してVダッシュヘキサに浴びせる。

至近距離でビーム波を受けたVダッシュヘキサは一瞬の動揺を見せた瞬間、ブレイカーは残りのビームサーベルを引き抜いて投擲。コクピットを貫く。

 

「……はぁっ……はぁっ……!」

《至急、ガンダムブレイカーを回収せよ!!》

 

殺してしまった……が、今の状況で不殺を貫けるほど自分は凄い人間ではない。

仕方がない。あの場では殺さなきゃ自分が殺されていた。翔はそう自分に言い聞かせるように心の中で呟き続けるとマドックから緊迫した声でブレイカーの回収を指示する。

 

(……死にたく……ないよ……。こんな寒い場所で……死にたくない……)

 

先程のVガンダムの部隊を見てふと思い出すこともあるが、先程の戦闘と中破したガンダムブレイカーの破損状況に翔はアークエンジェルの居住区にいた時よりも死の恐怖を感じ、自分の体を抱くように両腕で肩を抱き、うずくまるのだった。

 

・・・

 

「無事か!?」

「ええ……。なんとか……」

 

アークエンジェルの格納庫へ回収されたブレイカーのコクピットが開かれ整備士のチーフであるメガネをかけたひょうきんな男性……グレイが声をかけると、翔はヘルメットを脱ぎながら答える。

 

「敵はどうなってます……?」

「今はお前が出て一小隊を潰してくれたから収まってるよ。後は居住区にいるカレヴィ達だな」

 

ヘルメットを脱ぎいで一息つくと、現状を確認する翔にグレイは動くのもままならない翔をコクピットから引きあげながら答える。

 

「……すいません、機体をボロボロにしちゃって」

「なにを言ってんだ、出てくれただけでもありがたいのに一小隊を撃破するなんて大手柄だぞ。機体なんてもんは直せば良いんだ、気にするな。とりあえずはまた医務室に送っておくぞ。悪いがもしかしたらまた出撃して貰うことになるかもしれないしな」

「……ええ」

 

グレイの肩を借りながらボロボロのブレイカーを見つめ、意気込んで出て行ったもののこの結果に謝罪すると、グレイはなにを言っているんだとばかりに翔の頭を小突き、部下に翔を医務室へ運ぶために指示を出して運ばせる。

 

「さて……ここまで酷いと新調した方が早そうだな」

 

両腕はもう使い物にはならないだろう。

グレイは現在、自分達がいる月面基地になにか役立つ資材がないか確認を始める。

 

「ふむ……。組み上がる前の機体のパーツが何個があるな」

 

電子端末で月面基地の資材を確認すると目星しい物を幾つか見つける。

 

「未完成のガンダムのパーツとユニバーサル・ブースター・ポッドか……」

 

これらのパーツを今すぐ取り寄せれば敵の第二波に備えられるかもしれない。

グレイはすぐさま近くの部下へと指示を出すのだった。

 

・・・

 

「たった三機のMSと戦艦に我が部隊がやられただと!?」

 

翔が医務室へ運ばれたのと同時刻、敵部隊を指揮するムサイの艦長が部下の報告に驚愕する。

ヴァルターからの指示を受け、アークエンジェルの追撃に派遣された当初は尻拭いと愚痴を吐いていたが、まさかここまで相手が圧倒的な力を持っているとは夢にも追わなかったのだ。

 

「ちぃっ! ガンダムは化物か!」

「このままだと私達の居場所まで感づかれます!」

 

忌々しく歯軋りしながら、拳を打ち付ける艦長に部下は焦ったように叫ぶ。

 

「えぇいっ! ならばアレを出せ!! 文字通り踏み潰してやるッ!!!」

 

もうこちらにはMSがない。

ヴァルターから支給された最後の切り札を艦長は投入することを決定するのだった……。

 




露骨なフラグが立ちました。フォン・ブラウン編もあと少しで終了となっております。
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