朝御飯を食べ終わる頃、ようやく母さんと焔覇吐がリビングに降りてきた。
「ごちそうさまでした。」
「おそまつさまでした。さあ、早く歯を磨いてきなさい。普段よりも遅いんだから、やることパパッと終わらせるわよ。」
「わかった。」
俺は焔覇吐を受け取って身だしなみを整えに行った。
「さあ、はじめるわよ。」
玄関を出ると、ジャージをきた母さんが待っていた。
「まずは、焔覇吐を起動させなさい。」
そう言われ、俺は精神を集中させる。
(焔覇吐、起動!)
そう心で叫ぶ。同時に焔覇吐を纏った自分をイメージする。
ドラゴンをモチーフにしたヘルム。その先から延びる1本の角。後頭部についたとさかのような5本の短い角。三重に重ねられた肩当て。そして、背中に広がる薄い膜のような翼。
すると、ポケットに入れた焔覇吐が光を放った。そして、光が俺の全身を包み、光が収まると、焔覇吐を纏い終わっていた。
母さんに言われてからこの間約1.5秒。だが、
「遅い!1秒は最低でも切りなさい。」
「はい。」
やはりまだ遅いか。これでも最初に比べるとだいぶ早くなったんだがな。初めて焔覇吐を起動するときは大変だった。纏った自分をイメージしようにも、見たことがないから当然できるはずもなく、焔覇吐にイメージを共有してもらいやっとできたのだ。
「次はフォルムチェンジね。まずは炎。」
(シラヌイ!)
再び光が全身を包む。そして、一瞬で光が収まる。焔覇吐とは違い、スラッとした姿。目を覆うバイザー。そして、背中には翼の代わりに2本の腕がはえていた。
「うん。0.2秒。フォルムチェンジの方は大丈夫そうね。よく頑張ったわね。」
「まだリブート出来ないんだけどね。」
焔覇吐には『フォルムチェンジ』という特殊な機能がついている。これは状況に応じて様々な戦いが出来るようにという意図を込めて作られたらしい。今チェンジできるフォルムは7つ。『シラヌイ』、『サミダレ』、『マイカゼ』、『ライコウ』、『ムラクモ』、『アワユキ』そして、『レプリカ』。
それぞれ得意なことや苦手なことがあるが、今その事について考えるのはやめておこう。
「リブートはハヤトの思いに答える形で発現するわ。今は焦らずにやりましょう。さあ、最後に武器よ。武器はそうね~、弓!」
「ウルナッハ!」
間髪入れずにコールする。そして右手に意識を向けると直ぐにずっしりとした質感とともにウルナッハが現れた。エメラルドを散らばし、弓の下には緑色の羽が付いている黒と銀の弓。
「だいぶ速くなったわね。次は、家の中で普通に勉強しましょうか。」
そう言うと母さんは家に入っていった。
「わかった~。」
焔覇吐を解除する前に呼び出していたウルナッハを適当に放つ。けれど、放たれた矢は、空中で軌道を変え木々の間を縫うように飛び、200メートルほど先の木に吊るした的のど真ん中を射抜いた。
「よし、今日もいつも通りだ。」
焔覇吐のセンサーからの情報を受け取り、そう呟き、俺は焔覇吐を解除して、家に入った。
はい。というわけで第二話。説明回でした。ただ、もう少し説明したいことがあるので次回も説明回にさせていただきます。ご了承ください。批判、感想、誤字脱字の報告などありましたら、気軽に送ってください。あと、フォルムチェンジをする前の焔覇吐を装備した姿は、遊戯王の『波動竜騎士 ドラゴエクィテス』をイメージしてください。シラヌイ等は「胸を平らにしたシラヌイ」という感じでお願いします。