バチチチチ ギュイーン ジュウ~
とある研究所の一室からそんな音が聞こえる。中には、三つ編みの白衣を着た女の子と、手術台のようなものにのせられている女の子がいた。
「マスターマスター。」
「どうしたの?ピケル?」
白衣の少女の足下に白い人形が寄ってくる。
「コレ。」
「これは・・・。」
手渡されたのはあるマグカップ。昔始めて友達になってくれた女の子と一緒に作ったもの。それが綺麗に2つに割れていた。
「サクラ・・・。」
嫌な予感がしていた。そこに
「マスター!マスター!マスター!マスター!」
紫色の人形が走ってきた。
「どうしたのクラン。そんなに慌てて。ってちょっと?引っ張らないで。」
駆け寄ると白衣の裾を持ち、再びもと来た道を走っていく。ただ事ではないと思ったのか、白衣の少女も案内される道を急ぐ。
「マスター この子!」
「この男の子は。」
研究所を出ると、玄関先にうつ伏せに倒れている男の子がいた。
「とりあえず、この子を中に入れるわよ。クラン、ピケル、手伝って?」
外に放り出しておく訳にも行かず、中で看病をすることにした。
夢を見ている。夢の中では母さんと俺がじゃれている。けれど、突如現れた黒い霧。母さんは俺を突き飛ばして1人その霧に飲み込まれていく。俺はその姿を見ていることしかできなくて、
「母さん!!」
叫んだところで目が覚めた。
「ここは?」
知らない天井。どうやら俺はベッドに寝かされているらしい。ゆっくりと起き上がる。
「気がついた?」
扉のほうから声をかけられる。目を向けると白衣を着た女の子がいた。
「あなたは?」
「私はメビウス。サクラ・・あなたのお母さんの親友よ。ハヤト君。」
「え?なんで僕の名前を?」
「それは焔覇吐に聞いたからよ。」
「そうだ!焔覇吐!焔覇吐はどこ?!」
「焔覇吐は今私のラボに「返して!」ちょっと。」
「返して!焔覇吐を取り上げないで!お願いだから、返してよ!」
「ちょっと落ち着・・・え~い!」
ズビシッ
脳天にチョップを入れられる。
「ちょっと落ち着きなさい!焔覇吐は転移の時にエネルギーを使ったから今補給中よ。だから、先に何があったのかだけでも教えて?」
そう言うと、メビウスさんはベッドの横の椅子に腰掛けた。
彼、ハヤト君は焔覇吐が近くに無いことにかなり狼狽していたが、チョップによって少し冷静になったようだ。
「それで、一体何があったの?」
椅子に腰掛け再度問う。初めは喋ることを渋っていたが、向き合い続けたら諦めたのかポツポツと喋り始めた。
「そう、それであなたはここに飛ばされたと。」
「はい・・・。俺に、俺にもっと力があれば!」
ハヤト君はシーツを握りしめてそう叫ぶ。その姿はとても痛々しくて、気づくと私は頭を抱きしめていた。
「何を!」
驚きの声をあげるが、無視して、頭を撫でる。
「あなたは悪くないわ。だから、そんなに自分を責めないで。」
そう言いながら頭をなで続ける。その言葉で緊張がとけたのか、堰を切ったように泣き出す。肩を震わせ、声をあげて泣く姿を私はとても愛おしく思った。
はい。というわけで、第九話でした。色々忙しくて書く時間がとれず遅くなってしまったことをお詫び致します。とりあえず、今後の展開で出していきたいな~と思っているのは「ユライ」「カナン」「アオト御一行」「六魔将」「おとぎ城」等です。(意外と多い(^_^;))これら以外に「このキャラ出して~」等ありましたら、感想の方で送ってください。
Xion・Ⅸ様、感想ありがとうございます。
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