ヴィヴィオ一途なのに……   作:碧河 蒼空

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13話 ギャグが、書けねぇ……

 七月七日。願いを天に届ける為、願いを短冊に記し、それを笹に吊るす日本においてメジャーなイベント、七夕その日である。彦星と織姫の伝説も有名だ。

 ここ、海鳴の町ではこの日に七夕祭りが行われる。出店が並ぶのは勿論、二日前まで町の人達に短冊を書いてもらい、それを大きな笹に飾り、祭りの夜、ライトアップするのだ。

 短冊を書くのは子供達だけと思われがちだか、海鳴の七夕祭りでは毎年、たくさんの大人達も願い事を笹に吊るしている。それは商売繁だったり家族の幸せを願うもの、色恋沙汰と多種多様だ。

 俺も毎年、両親と短冊を書きに来ている。願い事は勿論、ヴィヴィオと結婚できますように、だ。

「あ、稔くーん!」

 祭りの会場である海鳴海浜公園に入った所で女の子の声に呼び止められる。声に視線をやると、手を大きく振っているなのはに、アリサとすずかがこちらを見ていた。

 親父が行ってこいと言いと背中を叩くので、俺は彼女達に歩み寄る。

「稔くんもこれから書くの?」

「ああ。俺も今来た所だからな」

 なのはの問いにそう答えると、彼女は人懐っこい笑みを浮かべ、俺の手を掴んだ。

「じゃあ、一緒に行こうよ!」

 そのまま俺を引っ張るなのは。

「ちょっと待てって」

 苦笑いを浮かべて親父と母さんに視線をやると、母さんはニコニコ顔でこちらを見るばかりで、親父にはシッシッと、まるであっち行けと言わんばかりに手払いをされた。そんな両親に俺は苦笑いを深める。

「分かった。行こうか」

「うん!」

 なのはに引かれるまま俺は短冊を配っている場所に向かい、歩を進めた。

 祭りに備え、短冊を書く為のテントが設置されている。受付で短冊を貰い、願い事を描いたら再び受付の人に渡せば、祭りまでに短冊を笹に吊るしてくれる。

 なのはに手を握られたまま歩いていると、数分でテントに辿り着いた。

 すぐ横に並べられたテーブルでは数人の団体が願い事を書いている。

 受付で短冊を貰った俺達四人はテーブルに備え付けられたペンを短冊に走らせた。

 黙々と書く俺に対し、女子三人はお互いの願い事を聞き合って、会話に花を咲かせている。まさに三人寄れば姦しい、である。

「で、あんたはまた秘密な訳?」

 そう言うのはアリサ。俺は毎年、俺の願い事を誰にも明かしていない。いくら子供心とは言え、なのはは俺の事が好きなのだ。そんな彼女の前で俺の願い事を見せるのもあれだろうし、アリサとすずかはなのはの恋心に気付いているので、面倒な事になるのは明白。特にアリサ。

「勿論」

 アリサはそんな俺の答に溜め息を吐く。

「まあ、あんたのそれは今に始まった事じゃないし、大して興味ないわ」

「そっちから聞いといて随分な言い草だな、おい!」

 俺は既に書き終わっていた短冊を手に取り、受付に持っていった。受付のおばさんに優しい笑みを向けられたが、毎年の事なのでもう慣れている。

 他の三人も俺に続いて短冊をおばさんに渡した。こいつらも書いていたらしい。

 俺達はおばさんに別れを告げ、この場を後にした。

 

 

 

 

 Other view

 

 稔と別れた三人娘は翠屋でケーキを茶請けに紅茶を飲んでいた。

「なのはちゃん?」

 すずかの声にはっと顔を上げると、二人の視線はなのはを向いている。

「にゃはは……ごめんね。ちょっと考え事してた」

 苦笑してそう答えるなのはに、アリサは視線を鋭くした。

「で、今度はちゃんと教えてくれるの」

 なのははフェイトの事を一人で悩んでいた時、アリサを怒らせてしまったのだ。暫く、口を利いてもらえなくなる位に。それ故のアリサの反応であった。

 たが、それは自分の事を心配してくれているのだとなのはは分かっているので、そんなアリサに畏縮する事なく、今度は別の意味で苦笑しながらなのはは答える。

「さっき、稔くんとアリサちゃんがお話してる時に稔くんの短冊を覗いたの」

「うん。それで?」

 アリサが続きを促す。

「全部は見えなかったんだけど……結婚できますように、って書いてあったんだ」

 紅茶の表面を見つめながら、なのはは悩みを打ち明けた。

「なるほどね。つまり、稔が誰と結婚したがってるか気になるのね」

「……うん」

 核心を突いたアリサになのははただ、頷く。

 稔の短冊に書いてあるのが自分の名前だったら、どれだけ嬉しいことか。だけど、もしそれが他の名前だったら……。そう考えると胸がざわつく。なのはは今、そんなモヤモヤをかかえていた。

「なによ。そんなの簡単じゃない」

 アリサに一蹴され、きょとんとするなのはを他所に、彼女は話を続ける。

「短冊なんて祭りになれば見放題じゃない」

「そっか。祭りの日に稔君の短冊を探せば良いんだね」

 暫く空気だったすずかが合点がいった様にアリサの言葉を継いだ。

「次ははしっかり見て確かめるわよ」

 こうして、彼の知らない所でプロジェクトは始動したのだった。




 お久し振りです。
 更新する度、お久し振り、と言っているような気がしますが、まあ、気にしない事にします。

 サブタイトルの通り、ギャグが全く思い浮かびませんorz
 こんなんで大丈夫でしょうか?

 今回は予約投稿を使用しているため、この後書きを書いているのは7月3日の20時頃だったりします。
 今日が夜勤明けなので、『三人寄れば姦しい』以降は通勤時間と夜勤の合間で書いたものです。
 一応、手直しはしましたが、少し寝たといっても夜勤明けの頭なのでブッ飛んだ文章があるかもしれないので、もしもそういった文章があったら、それがギャグだと思ってください。

 話は変わります。
 プロットではもう完結しているはずだった、と言うのは良くどこかしらで書いているのですが、もし、プロット通りに進んでいたと仮定すると、6話で無印が終了し、7話がエピローグ兼オチのStrikerSで完結。つまりは全7話ですね。
 狂ったのは親父が出てきてから。つまり、プロット通りにいったのは結局の所、2話まででした。親父め……。
 今後の流れですが、上記の事もあり、知ってる方は多いと思いますが、A'Sは全カットです(碧河はA'Sが一番好きw)。StrikerSはヴィヴィオとの出会いから描き、本編はあと2~3話で完結させたいと思います。
 プロットではO・HA・NA・SHIエンド(碧河はO・HA・NA・SHIネタが好きじゃありません)の予定でしたが、一部シリアスにしてしまった為、このエンディングだと浮いてしまわないかどうか不安になってきてます。
 まあ、これだけキンクリしといて、浮くとか今更なんですけどね(汗)

 とまあ、本来だったら後半の後書きに書くような事をここで書いてしまった訳ですが、七夕記念がこれで終わりということは無い(はず)なので、今半も宜しくお願いします。

 さて、後半を数行くらい書き始めますか。
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