ヴィヴィオ一途なのに……   作:碧河 蒼空

7 / 14
7話 転生者とは言え、現在の親の遺伝子が流れています

 なのは家、アリサ家、すずか家と共に、俺は家族と温泉旅行に来ている。

 俺が温泉から出て、部屋に戻ると、イライラしているアリサとそれを宥めるすずか、何か考え事をしているなのはの姿があった。何でも、酔った姉ちゃんに絡まれたらしい。

「まあまあ。そんなんでイライラしてたら、十年後やっていけないぞ」

 俺は前世の大学時代を思い出しながら言った。

 脱ぎ出す者、泣き出す者、怒り出す者、騒ぎ出す者、絡む者。下手したら、犯罪者になる奴も少なくないのだ。

「何、知ったような事言ってんのよっ!?」

 ……ああ、アリサは飲んだらグチって絡むタイプだな。多分。

 アリサの言葉を聞き、そんな事を思った。

「ま、年期の差だよ。俺はそこら辺をぶらついて来るよ」

 そう言って、俺は立ち上がる。

「あんたも同い年でしょうが!!」

 アリサのツッコミを聞き流し、俺は部屋を出た。

 

 

 

 

 歩き始めてから十数分が経った。

 山の中だけあって自然が多く、見通しが良いとは言えない。故に、こんな事も有り得るのだ。

「あれ?フェイトじゃん」

 俺はフェイトに気付かれることなく、彼女の元にたどり着いたのだ。

 俺の存在に気付いたフェイトは、右手に持つデバイスを俺に向け、臨戦態勢を整える。

「白いのの仲間が一体、何の用だい?」

 オレンジ白の髪に獣耳、後ろから尾が伸びた若い女性が俺に睨みを利かせ、問う。

「散歩中に知り合いが居たから、声を掛けただけだよ。ここで会ったのは只の偶然」

 俺は両手を上げることで戦意が無い事をアピールし、獣耳の女性、要はアルフに答えた。

 実際、ここでフェイトに遭遇したのは偶然である。ここらでジュエルシードを賭て闘うのは知っていたが、フェイトがどの辺りに居るのかなんて、俺が知る由も無いのだ。

「嘘だっ!!どうせ、フェイトからジュエルシードを奪おうって考えだろっ?そうはさせないよ!!」

 そう言うと、アルフは右手で俺に殴りかかって来た。

 俺は右足を軸に、左半身を回し、逸らす事によって、それを回避する。

 だが、アルフの攻撃はそれだけで終わらなかった。彼女は左手で凪払うように裏拳を放つ。俺はそれを左手で上に逸らそうとした。

「っ!!?!?」

 逸らそうとしたのだが、頭に強烈な衝撃が走った為、頭を押さえ、うずくまる。

 目の前ではアルフも同じ様にうずくまり、涙目になっていた。

 俺はこの衝撃を知っている。俺は横で立っている、この衝撃を俺等に与えたであろう大男を睨みつけ、不平を言い放った。

「何すんだよ親父っ!!」

 そう。我が親父である。

「何すんだだと?喧嘩は両成敗だと何時(いつ)も言ってるだろうがっ」

 再度、俺の頭に衝撃が走った。

「で、喧嘩の原因は?」

 親父が問う。

「……ジュエルシードっていう危険物が事故でバラまかれて、ユーノがなのはを魔法使いにして、それを集めてたら、こっちの二人も同じのを集めてて、それで取り合いになったんだよ」

 ふてくされて、適当に説明するのだが。

「なるほどなぁ……。これまた、不思議な事もあるもんだ」

 それで理解してしまうのが親父様である。

 何かを考え込むように腕組みをし、考え事をする親父。

「よし。まずは飯を食いながら話をしよう」

 そう言い、親父はアルフの腕を取った。

「蕎麦の道具を持ってきてるし、俺も蕎麦を振る舞おうじゃないかっ」

 そのまま、アルフの腕を引き、歩いて行く。

「ちょっとっ、何するのさ!?」

 アルフの抵抗も虚しく、二人の姿が見えなくなった。

「じゃあ、俺達も行こうか」

 俺はフェイトの手を掴む。

「……え!?……え!?」

 またもや、状況に着いて来れていないフェイトは抵抗する事なく、俺に引かれて歩いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。