神次元ゲイムネプテューヌV EXTRA ~四人目の弟の物語~ 作:白宇宙
ちょっと息抜きでこちらの投稿をば……。
そして、僕はやっぱりプルルートが好きみたいです(笑)
それでは、どうぞ!
教会が託児所になってはや三日、最初こそ馴れない子育てに悪戦苦闘するかと思われていたプルルートだったものの、彼女の朗らかな雰囲気に触れて、アイエフ、コンパ、ピーシェの三人の赤ちゃんは、もうすっかり彼女になついていた。
今日も朝から起きた三人の赤ちゃんは元気にプルルートと遊んでいる。
ただ一人、未だに問題が残っている赤ちゃんがいるが……。
「だっこ!」
「はいは~い、おいで~アイエフちゃん~」
「ずゆい! ぴぃも! ぴぃも~!」
「ぷぅーちゃん、えほんよんでほしいれす~」
「わわっ、順番、順番ね~?」
プルルートの周りに集まり、抱っこやら絵本やらおままごとやらをせがむ三人の小さな赤ちゃんたち。
その中で……
「………あー」
一人、プルルートが作ったぬいぐるみをモフモフといじりながら四人とは離れた位置で一人遊びをしている男の子、アキラである。
どうにも、アキラは三日たってここまで慣れ親しんだ三人とは違ってまだ距離があるのをプルルートは感じるのだ。
「んっと~……あきく~ん?」
「ふえっ!」
プルルートが名前を呼んだ途端、驚いてぬいぐるみの山の中に隠れるアキラ。
この様なやり取りがここ最近目立っている。
やはりそう簡単にはアキラの人見知りは治りそうもないようである。
「う~ん……どうしたらいいのかな~?」
プルルートがそんなアキラを見兼ねて、悩む中……。
「たっだいま~!」
教会の玄関口の方からとてもハイテンションな声とともに、この教会で暮らすもう一人の家族が約二週間ぶりに帰宅した。
「あ、ねぷちゃん帰ってきた~♪」
軽快な足音が徐々に部屋の方に近づいてくる、よく聞くとその足音は一人だけじゃなく複数人いるようである。
恐らくは彼女以外の友人もこの教会を訪れてくれたのであろう。
「おかえり~、ねぷちゃん遅いよ~」
「いやぁ~、ごめんごめん、ノワールがなかなか返してくれなくてさぁ」
ねぷちゃん、そう呼ばれたのはジャージとワンピースを足したような特徴的な服装と、薄い紫の髪にある二つの十字キー型の髪留めがよく目立つこの少女、“ネプテューヌ”である。
実は彼女もこのプラネテューヌの二人目の女神なのだが、プルルートと違って少々複雑な事情をもっている。
というのも、彼女はこの世界とは違う、別のゲイムギョウ界のプラネテューヌの女神なのだ。
なぜこの世界に来たのかは未だにわからないが彼女自身はこの次元に来たことでプルルートと友達になれたということで困っているというよりもむしろ今の状況を楽しめる程のお調子者である。
「だから、外でも言ったけど誤解されるような言い方するんじゃないわよ」
ネプテューヌにジト目で抗議する黒髪のツインテールの少女は“ノワール”。
プルルートとは旧知の仲で、長い付き合いをしている。
更に彼女はこの世界で新しくできた国、“ラステイション”の女神でもあり、怠け者のプルルートやネプテューヌと違って働き者のしっかり屋さんのツンデレ少女である。
「お邪魔します……」
遅れて二人の後ろから小柄な体躯の少女がひょっこり現れた、彼女は最近プルルートたちと友達になった北の国、“ルウィー”の女神の“ブラン”。
彼女はこの中でも一番の古株の女神で、以前までは新参者の女神であるノワールと仲が悪くいざこざが絶えなかったが、七賢人の企みによって窮地に立たされたところをプルルートたちに救われ、仲良くなった。
今ではこうしてネプテューヌやノワールと遊んだりするほどである。
そんなプルルートの友人の三人が二週間ぶりに帰ってきたので、一人教会で留守番をしていたプルルートはいつものように三人を笑顔で出迎えた。
「あ~、ノワールちゃんもブランちゃんも、いらっしゃい~♪」
「だうー」
「ぷぅーと! ぴぃも! ぷぅーと!」
「あうぅ………うぇぇぇ…」
新たな教会の家族とともに。
「わわ…大丈夫だよ~? この人たちは、怖い人じゃないから~」
見たことのない人が突然現れたことで三人のなかで人見知りしがちなコンパが泣き出しそうになり、慌ててプルルートがあやす。
だが、それとは裏腹にコンパは今にも泣きそうである。
「あー、ほらほら大丈夫だよ~? 笑って笑って、べろべろばー!」
泣きそうな子どもを見つけて咄嗟に何とかしようとしたネプテューヌがコンパの前で古典的ではあるがあやしはじめた。
「ふぇ? ……あは、きゃはははは!」
「ふぅ、危ない危ない……」
すると、一発でコンパの機嫌が直り笑い始めた。
古典的な方法ではあるが、初対面の赤ちゃんの機嫌を一発で治すとは大したものである。
ネプテューヌの意外な才能にプルルートはちょっとした感動を覚えた。
「すごーい! ねぷちゃん、あやすの上手だね~」
「え? そうかな? てきとーにやっただけなんだけど…」
たとえ適当でもその実力は本物だろう、子育てにもそれなりのセンスと言うものがあるのだから。
実際プルルートもコンパをあやすのに困ったことがたびたびあったのだからそこの所は彼女自身も理解しているつもりだ。
意外なところで意外な才能の持ち主の発見である。
「………ところでさ、プルルート?」
「なに~? ノワールちゃん~?」
すると、ここでノワールが何か疑問を抱いた目でプルルートに質問をする。
「あなたに纏わりついている、その小さいのって……?」
正直に言うと、今更かと言いたいところではある。
というか、なぜ入ってきたときに気付かなかったのだろうか?
ノワールの質問を聞いたプルルートは首を斜めに傾けて、何をいまさらと言いたげな表情で答えた。
「赤ちゃんのこと~?」
「赤ちゃん……生まれて間もない乳幼児を指す言葉ね……」
「赤ちゃん……そうよね、確かに赤ちゃんだわ」
「そっかー、赤ちゃんかー! ぷるるんの、赤ちゃん………」
プルルートの答えを聞いた三人は納得した様子でそれぞれの反応を示すが、
「「「………」」」
そこから沈黙がしばらく続いた……
しかし、その沈黙が数秒、いや数分続いた後……。
「「「ええええええええええええええええええええ!?」」」
三人の女神の驚愕の絶叫が轟いた……。
「ひっ!? ……びええぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!」
「ひぐっ……ふぇぇぇぇえええええええええええ!!」
ついでで人見知りのコンパと、三人が来た後もどこかに隠れていたアキラの泣き声も一緒に響いた。
「もう~……いきなり大声をだしちゃ、みんながびっくりしちゃうでしょ~?」
「いや~、ごめんごめん、託児所のことすっかり忘れちゃってたよ」
「まったく、あなたが覚えていたらこんなことに巻き込まれずに済んだのに…」
「私たちには慣れない仕事だわ……」
サプライズのようなドッキリイベント、もとい、教会が一時的に託児所になっているということを完全に忘れていたネプテューヌ、それを知らずに来たノワールとブランは途中に部屋に入ってきたイストワールに説明を受けて事情を理解すると、プルルートの頼みもあって託児所に預けられている子供たちのお世話を手伝うこととなった。
一応手伝うということではあるが、大本の目的がプルルートの監視……でもあるのだが……。
「うみゅ……」
「すぅ……」
「ん~……にゃう……」
三人を驚かせた元凶である元気な赤ちゃんの三人組は途中で加わったネプテューヌたちと遊んでもらい、今は疲れて眠ってしまっている。
アイエフもコンパもピーシェも遊ぶ内容は様々だが元気は三人ともいっぱいなのでパワフルな三人の勢いに、慣れない三人は終始押され気味だった。
「こうして見てる分にはかわいいんだけど、これから大変だよね~? いきなり三人の赤ちゃんのお母さん代わりなんて」
ネプテューヌがプルルートの現状をいたわってかそのような言葉をかける。
すると、それを聞いたプルルートは三度首を傾げた。
「ほえ? 三人じゃなくて“四人”だよ~?」
「へ? 四人……? 三人しかいないじゃん」
「………ほえ?」
何を言っているのかときょとんとするネプテューヌ。
まるで狐につままれているような感じである。
「前に比べるとさらに部屋が散らかってるわね…少しは片づけとかないと…」
そんな二人のやり取りはさておき、ノワールは子どもたちとの遊びで散らかってしまった部屋を片付けるべく席を立った。
二人に片づけをさせるといつ片付くか分かったものじゃないからだ。
「………ていうか何よ、このぬいぐるみの山は……こんなの前はあったかしら?」
いきなり目についたぬいぐるみの山を見つけたノワールは早速それから片づけることに決めその山の中に手を伸ばした。
近場にあったぬいぐるみの足と思われる部分を掴み、そっと引く。
「ん? 結構重いような……なにかしら?」
引っ張ってみるとぬいぐるみにしては妙な重みを感じたため、気になったノワールはそれをそっと抱き上げてみた。
両脇に手を添わせて自分の目前まで持ち上げてみると……。
「………」
「………」
目があった。
というかぬいぐるみじゃなかった………。
「ひぐっ………うぇぇ…びえぇぇぇぇええええええええええええええええ!!」
「のわぁぁぁ!?」
というか、アキラだった。
「あ~! あきくんが隠れてたの忘れてた~!」
「ちょ、ま、まだいたのなら早く言いなさいよプルルート!」
「そうだよ! 四人目もいたのに放置なんてしたら最近じゃ虐待とか言われちゃうから気をつけなくちゃいけないんだよ!」
「………育児放棄……“ネグレクト”とも言うわね」
「ええ~!? そんなつもりないのに~……あきくん、ごめんね~!」
「びぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええ!!」
あまりにも馴染んでいた。 ぬいぐるみの中に溶け込んでいた。 それほどまでに見つかりたくなかったのか、アキラが隠れていること自体を忘れさせるほどの隠密能力を持っているとは思いたくはないが、徹底している人見知りぶりである。
「ちょ、プルルートこの子泣き止まないんだけど!?」
「このままだと、他の三人も起きる可能性があるわ……そうなると、さらにややこしいことになる……」
「あー、そうだよね~、今さっき寝た所なのに起こされちゃたまったもんじゃないから……」
「わわ、ごめんね~あきくん~……こっちおいで~?」
このままではアキラの泣き声で他の三人が起きることを危惧した彼女たちはすぐさま一番なじみの深い、というか一番関わりが長いプルルートにアキラを任せることにした。
やはり、一番長く付き合っただけあって三人の細かな性格をプルルートは覚えているのだ。
それを他人に伝える能力は持ち合わせていないようだが……。
「よしよし~……びっくりしたね~?」
「うぇぇぇえええ……ひぐっ……えぐっ……」
ノワールからすぐにアキラを受け取ったプルルートはやさしくアキラをだっこしてあやし始める。
やはりプルルートにはいくらか慣れているのか、アキラはまだ若干ぐずるものの徐々に泣き止み始めた。
「はぁ……びっくりした……」
「ぷるるん、その子が四人目の赤ちゃん?」
「うん~、アキラくんだからあきくん~、男の子だよ~」
「………その子、あの三人よりも人見知りが激しいみたいね」
アキラを抱っこしつつ、三人にアキラの紹介をするプルルート。
すると、この中で比較的冷静なブランが早速アキラの人見知りに気付いた。
「そうなの~……あきくん、他のみんなと違ってすごく警戒心強くて~……」
「ノワールの顔を見ただけで号泣したくらいだもんね、筋金入りだよ」
「あうぅ……」
ネプテューヌがアキラの顔を覗き込むように近づくとアキラは警戒してプルルートに縋り付いた。
「……プルルートには懐いているみたいね?」
「え~? そうかな~…」
「試しに私が抱っこしようか?」
そう言ってネプテューヌが両手を差し出す。
プルルートはやや心配そうな顔をしつつもアキラをネプテューヌに渡そうとする、が……。
「ひっ……やーー!!」
やはり初対面の人間には抵抗感があるのか、アキラはプルルートから離れようとしなかった。
「あちゃ~、やっぱぷるるんじゃないとだめかぁ…」
「う~ん……」
この時、プルルートはある違和感を感じていた。
(あきくん、さっきまで私から離れてたのに……どうしてかな~?)
三人が起きていた時はプルルートから離れていたアキラ。
しかし、今はプルルートにしっかりとしがみ付いている。
さっきと今とでは、何か違うものがあるのだろうか?
「ひく……えぐっ……」
まだ若干ぐずっているアキラ、その手はプルルートの服を掴んだまま離そうとしない。
「………あきくん、大丈夫だよ? ねぷちゃんたちは私のお友達だから~」
「………ふえ?」
抱っこしているアキラの背中を優しく撫でつつプルルートはネプテューヌに近づく。
すると、アキラはプルルートに促がされてかちらりとネプテューヌを見つめる。
「そうだよ~、あっきー? ぷるるんの友達のねぷねぷだよ~?」
「あっきーって……あだ名つけるの早すぎでしょ」
「えー、そうかなぁ?」
そんなやり取りをするネプテューヌとノワール、アキラはそれをじっと見つめるとゆっくりと手を伸ばしネプテューヌにその小さな手を伸ばす。
―――くきゅぅぅ~…
すると、ここでアキラのお腹から小さな音が鳴った。
どうやらお腹が空いたらしい。
「………うゅ……おなかしゅいた……」
「あれ? もうそんな時間~? えっと……ミルク作らないと~」
それにいち早く気付いたプルルートが協会のキッチンに向かいミルクの用意をしようとする。
しかし、その最中、抱っこされていたアキラはプルルートのある部分に目が言った。
「………ぱいぱい」
「………ほえ?」
「………う~!」
やはりどの赤ちゃんでも自然と本能が覚えているのか、お腹が空いたアキラは自然とプルルートの胸元に自分の顔を擦り付け始めた。
目的はおそらく、女性の象徴から出るとされる赤ちゃんの栄養源。
「わわわ! ちょ、ちょっとあきくん~、くすぐったい~」
「う~~!」
「あ、あ~! ちょっと待って、お洋服引っ張らないで~!」
どうしてもそれが欲しいのか、プルルートの服を引っ張るアキラだが、残念ながらプルルートにはそれを出すことができないのだ……。
しかし、まだ幼いアキラはそれを知らない。
「うりゅ………む~…?」
「あ、ぴー子起きちゃった?」
すると、なぜかこのタイミングでアキラの姉であるピーシェが目を覚ました。
ネプテューヌがそれに気づき、そう聞くとピーシェは寝ぼけ眼のままあたりを見渡す。
そして、ちょうどプルルートがアキラと悪戦苦闘している光景を目にして、そこで視線を止めた。
「む~……ぴぃもおっぱい~!」
「あ、ちょっ、ぴー子!?」
時間帯的にピーシェもお腹を空かせてたのか、ピーシェもそれを見てハイハイでプルルートのいるところに向かった。
ハイハイにしては早いスピードですぐにプルルートの足元まで近づくと彼女の足元に抱き付きよじ登ろうとし始める。
「あわわ、ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて~! わあっ!?」
一人だけでもてんやわんやしていたプルルート、そこにピーシェも参加したことで勢いに押されて遂に後ろ倒しに転倒してしまった。
もちろんその際にアキラをケガさせないようにしっかりと抱えたままだ。
幸いにも後ろにぬいぐるみの山が残っていたおかげで彼女自身もけがをせずに済んだのは、幸運と言えるだろう。
「おっぱいー! おっぱいー!」
「あきも、あきもほしー!」
「ふえ~!? ふ、二人とも待って~! わたし出ないんだよ~!?」
不幸だったのは、仰向けに倒れたことで二人がハイハイしやすい状態になってしまい、服の中にまで二人の侵入を許してしまったことだろうか……。
子どもの欲望と言うのは恐ろしいものである。
ちなみに、欲望と言っても食欲なので間違えないでいただきたい。
「の、ノワールちゃん~! ブランちゃん~! ねぷちゃん~! 誰でもいいからミルク作ってきて~!」
「あわわ、ぷるるんがかなり際どいことに!?」
「………これが赤ん坊じゃなかったら、ある意味アウトね」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ! ま、待っててプルルート! 今すぐ作ってくるから! イストワール、ミルク! ミルクはどこなのー!?」
あたふたと慌てふためく一同。
その間にも二人の赤ちゃんはもう体のほとんどをプルルートの服の中に潜り込ませていた。
「う~…ノワールちゃん急いで~……」
「「おっぱいー!」」
「え…ひゃうっ!?」
「「「あ………」」」
しかし、プルルートの願いもむなしく………結果、間に合わなかった。
いかがでしたか?
子育てに奮闘するプルルートたちを書きたくてここまでやりましたが……やりすぎたかな?
まあ、いいか(笑)
それでは、また次回!
首を長くしてお待ちください!