新しい小説を書いていたら遅くなってしまった…
まあ、兎に角どうぞ~
園子にあった次の日、俺は勇者部の部室にいた。
そこで聞かされたのはまだバーデックスがいるということだ。
更には、妖精が増えたこと。(夏凜だけ増えなかった)
妖精は散華した数に比例して増える。
今回、友奈、東郷さん、樹ちゃん、風先輩が一回ずつ散華しているため、東郷さん以外は二体ずつになってる。東郷さんは…四体目だ。
俺は…東郷さんの正体を知ってる。だからこそ、俺はその事を言わない。いや、その事を言わなくてはいけない人がいるのだ。
それから…一ヶ月
夏休みが終り二学期になってしまった。
残りのバーデックスを待つ勇者部。
この一ヶ月…俺の方では進展無し。
けど、まあ、いつも通りに生活をしている訳で…
「ちわーす。」
俺は少し遅れて部室に行く。
「遅いわよ、輝積。」
風先輩が出迎えてくれた。
だが、俺はその後ろである意味凄い光景を見る。
妖精が…いっぱいいる…
「何ですか…妖精の同窓会でもやるんですか?」
「違うわ。妖精の話しをしてたら、皆出ちゃったのよ。」
夏凜、説明ありがとう。
俺はこの百鬼夜行状態を外に見せないために勇者部の戸を閉める。
「そういえば、輝積君の妖精って可愛いよね。」
「え?」
この流れからして、九尾を出さなきゃいけないのか…でも、今日、九尾、家にいるんだよな…呼ぶにも…
「ねえ、輝積、今頃思い出したんたけど…」
風先輩が言った瞬間だった…
時間が止まる。そして鳴りやまない携帯のアラーム。
バーデックスだ…
樹海になり、敵の位置を携帯のアプリで確認する。
そんでもってから、円陣を組む勇者部。
「あの…また俺もやらないといけないのか…」
「早くしなさい、バーデックスが来るわよ!」
いつの間にかに円陣にいる夏凜。もう、夏凜は勇者部の色で染められていたか…それはそれで微笑ましい。
俺も円陣に加わる。
その後、戦闘に入る訳だが。
「あれ?あの変態、樹が倒さなかったっけ?」
そう、あの個体は樹ちゃんが倒した個体である。あいつはふたご座のバーデックス。バーデックスの中でも一番弱く小さい個体だ。だからこそ、生成に時間はかからない。
奴は猛スピードで走って行く。だが、誰も…奴を追わない…
俺はこの時疑問に思った。
「ちょっと、皆!どうしたのよ!」
夏凜はいつも通りに見える。
彼女達は気が付いたのかもしれない、満開の代償…散華により失う各種の機能、それは戻らないことに。妖精が増えた時点でおかしいとは思っていたのかもしれない。
前回が特別だったのだ。
その後に聞いたのだが、機能障害は本当はとても酷いものだったらしい。友奈は味覚、風先輩は左目の視力、東郷さんは左耳の聴力、樹は声を完全に失った。だが、日が立つ頃にはだんだん良くなっていたそうだ。三ノ輪さんは、俺のことを思って軽くすんだと言ったのだろう。
たぶん…皆辛かったのだろう。
俺は完全に散華を引き受けられなかったのだ。まだ、俺は弱い。
彼女達は怖いのだ。また、機能障害が起きるのが…
「しょうがないわ。輝積!行くわよ!」
「わかった!」
俺と夏凜はバーデックスの所まで飛んでいく。
「私も!」
友奈も来てくれた。流石、友奈だ。機能障害をもたらす満開…そして戦えば戦うほど溜まる満開ゲージ、次に満開すれば…戻らないかもしれない。そう思ってしまったかもしれない。だから、動けなかった。だが、友奈は…そんな状態でも戦う。自分のためじゃない。見知らぬ誰かのために。
俺には、そんな覚悟なんてない。俺は俺のために戦う。
「勇者キック!!」
友奈と夏凜が思い切り蹴りをバーデックスにする。(俺も蹴ろうとしたのだが、外れたとは言えない…)ダメージを与え、東郷さんがバーデックスの頭(だと思われる部分)を狙撃する。
そして、駆けつけた風先輩と樹ちゃん、夏凜が封印を行い、ミタマが出てく。
「ちょ、何よこの数!」
ミタマの数が多すぎる。それに、皆は満開ゲージを溜めたくない。だから、戦えない。
なら、俺が、このミタマを破壊する。
「皆!俺がミタマを破壊する!だから少し下がってくれ!」
俺は皆に指示する。
「わかったわ。」
下がる風先輩と樹ちゃん、夏凜。
俺は缶を生成してミタマの上に投げる。そしてほんの少し距離を起き、黒い四角い者をミタマの群れにばらまく。
「東郷さん!缶を撃ち抜いてくれ!」
「わかったわ。」
携帯越しにお願いして上に投げた缶を撃ち抜いてもらう。撃ち抜かれた缶から液体がばらまかれる。
それを確認した後に俺は逃げる。
そして、右手に持っている起爆スイッチを押した。
「勇者キック!!」
友奈が炎を纏った蹴りをバーデックスに放つ。
それと同時に爆発。友奈は…大丈夫みたいだ。てか、バーデックスに対してオーバーキルだ。
「友奈ちゃん!大丈夫!」
友奈を心配したのか、東郷さんも駆け付ける。
「大丈夫だよ。」
友奈は怪我もしていなかった。流石、神樹の加護だな。
だが、友奈の右手…満開ゲージが溜まっていることに気が付いた。
他の皆も同じようだ。
「友奈…」
風先輩が友奈のことを心配していた。いや、全員心配していたのだ。
そして、元に戻っていく。
俺達は、学校の屋上にいた。
「いや~、これでお勤めは終わりね。」
心配していたことを誤魔化すように風先輩は言った。だが、皆ある異変に気が付いた。
「あれ?東郷先輩と友奈さんは?」
樹ちゃんがその事を話した。
俺はこの現象に覚えがある。
「園子か…」
俺は小さな声で言った。
「友奈達がいないわ。」
夏凜は周りを見渡して確認する。やはりいないようだ。
「大丈夫だよ。あの二人だし」
俺は三人にそう言った。
「そう…よね。そうよね。あの二人は私の後輩だから、大丈夫よ!」
「あ…なんか、風先輩の後輩と聞いて不安が…」
「輝積さん…そういうことは…」
「何私は頼りにならないっていうの!樹も思ってたの!?」
「いや、ただのネタなんで気にせず…」
「気にするわよ!」
そんな話しをしながら、勇者部の部室に戻る。
「そういえば、バーデックスのせいで聞けなかったけど、あの依頼って何だったのよ?」
あの依頼?
「そう、私も気になってたわ。」
あの依頼とは、最初に勇者部に依頼したあれだろう。
「あれですか…」
もう、わかってしまったからには依頼としての機能は果たせない。いや、果たし終わった。
「あれはいいです。もう、解決しました。」
「確か、夢に出てくる勇者を探して欲しいって書いてありましたね。」
「あれね…よく思い出したら、勇者ごっこをしていた女の子の夢だったよ。たぶん、アニメとかのキャラクターだよ。」
「何よ~なんか不思議なことでも起きると思ったのに~」
「いや、充分起きてるよ。お姉ちゃん。」
確かに…
「さーて、友奈達が戻って来たあとにでも打ち上げでもしましょう。」
そういえば、風先輩に奢ってもらう約束があったな。忘れてた。
「今度こそ、風の奢りね。」
「な!まだ覚えていたのか!」
そんな感じで話していたが、友奈からメールが届いて今日は戻って来れないと来た。
しょうがない。明日は休み…
友奈達なら大丈夫だと思う…
次の日
俺は東郷さんの家に来ていた。理由は東郷さんに呼ばれたからだ。
部屋に案内される俺。部屋には東郷さんが一人でいた。
「輝積君、いらっしゃい。」
「おう…」
東郷さんが車イスで出迎えてくれる。
「早速本題よ。」
「…」
東郷さんは昨日、園子にあった。だから、俺に確認するのだろう。自分の過去を…
「鷲尾須美…という少女を知ってるわよね?」
完全に俺が知っていることを前提に聞いてくる。嘘をつくことは簡単だ。だが、彼女は真実を知りたいのだ。
「知ってる。」
「そう。なら、満開の代償も?」
「知ってる。」
「いつから知ってたの?」
「最初から…だけど、思い出したのは風先輩が満開を使った時だ。」
「そう。なら、なんで教えてくれなかったの?」
「…教えれば…どれだけ心が傷つくかわかってたから。知らぬが仏…そう思ったから…」
「…」
東郷さんは何も言わない。俺なりに考えた答えだ。
「鷲尾須美は…私なのよね?」
「そう…かもしれない。」
「かも?」
「俺は鷲尾須美という少女を知っているだけで、その後がどうなってかは知らない。ただ…」
「ただ?」
「鷲尾須美は満開を二回使用した。その代償…散華で両足の機能、そして…二年間の記憶を無くした。」
「!!」
「東郷さん…貴女は二年間の記憶が無く、更には足が不自由…」
「…そして、妖精の数…」
気がついていたのか…
「ありがとう。これで確信したわ。」
東郷さんはそう言った。わかってる。一番辛いのは東郷さんだから。でも、俺も辛い…
「満開のこと…教えなかったのは貴方なりの配慮だったのよね…」
「ああ。でも…」
今頃、話せば良かったと思っている。後悔に似た何かを感じていた。いや、もしかしたら後悔だったのかもしれない。
「いや、なんでもない。」
俺はそう言った。
「輝積君は記憶が戻ったの?」
「ああ。でも、肝心なことが思い出せない。」
自分がいた世界のこと…でもそんなこと話せる訳がない。
「…もうひとつ聞いていい?」
「なんだ?」
「なぜ、私達は満開を使ったのに殆ど代償がないの?」
「…それは…俺が願ったからかな…」
「…何を?」
「君達を救うことを…」
俺は、変わりに散華をしたこと。そして、東郷さん達の散華を無くしたこと…鷲尾須美のことを話した。東郷さんはその話しをたんたんと聞いてくれた。
「…そんなこと…」
「だよね。信じられないよね。」
「…この頃の大赦の行動…大赦は、私達のことを祀っているのね。」
「…そうだな。」
東郷さんは大赦の行動も見ていたのか。俺はそれを知っている。
「…殆ど生き地獄よ。こんなの…」
「そう…かもしれないな。でも…視点を変えれば…違うものが見えるかもしれないよ。」
「?」
俺は、友奈達が勇者で良かったと思っている。だって…友奈達が…友奈が東郷さんが風先輩が樹ちゃんが夏凜が…勇者じゃ無かったらあえなかったし、友達にもなれなかったかもしれない。だから…
「でも…地獄は地獄よ…」
俺は東郷さんの手を握る。いきなりのことで戸惑った東郷さんに俺は…
「東郷さん…君は何がしたい?俺はしたいことがいっぱいある。だからそれをやる。君もやりたいことをやればいい。」
と力強く言った。
もしも、俺の力が及ばず、皆を守れ無くても、悔いが残らないように毎日を楽しんでくれ。そう伝えたかった。
「したいこと…」
東郷さんは、俺が東郷さんの手を握っているのを見て、ハっとなり、顔を赤くする。少し疲れたのかもしれない。
「それじゃあ、俺は帰るよ。」
俺は東郷さんの手を放す。
「あ…」
東郷さんが呼び止めようとしているのか、俺は東郷さんの方を見る。まだ少し顔が赤い。
「あ、ありがとう…輝積…君…」
「いや、俺も話せることは話したし…」
そう言って俺は東郷家を後にした。
「したいこと…」
東郷さんは家で考えていた…そして、この事を親友と先輩に話すことにした…。
俺は東郷さんを信じていた。信じていたのに、あんなことになるなんて…
本当、遅くなって申し訳ない。
この頃忙しくて…投稿する時間が…
取り合えず次回予告だけはやります。
あ、あと急展開です。
次回予告
「無理するなよ。」
「大丈夫。完全復活よ!」
「お姉ちゃん…」
「輝積君!?」
「私も…信じてはいる…」
「ありがとう、輝積。私ね…」
「讃州中学勇者部、上賀輝積、俺は…」
次回 己