グリザイアの星霜   作:Roterose

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本編
プロローグ


「かず……かず……ねえ、かずき……一姫ぃ……」

 

 熱い、ここはアスファルトの上?私達は遭難して……

 

「ねえ起きて、起きてよ一姫ぃ……」

 

 親友の周防天音(すおうあまね)が、泣き声で揺さぶってくるのが分かる。

 体中が痛い、起き上がるのは厳しいようだ……

 

「あ……あ、天音……無事でよかったわ……」

 

 何とか声は出すことが出来た。

 

「私だって心配したんだから!道路が見えてから倒れちゃって……」

 

「ごめんなさいね……っつ、しばらくは動けそうにないわ。」

 

「無理しないで、ところで私達助かったんだよね?」

 

「ええ、助かったの、生き延びたのよ……」

 

「怖かったよぉ一姫ぃグスッ、もう帰れないかと思ったんだからぁ」

 

「でも完全に助かったとは言いがたいわ、何とかして助けを求めないとね。」

 

「うん、そうだね」

 

 マイクロバスが転落してからの永遠の時間のように感じられた、あの地獄のような日々から抜け出すことが出来たのだ。やっと帰れるのだ、親愛の弟である風見雄二(かざみゆうじ)の元へ……その時は、一緒にお風呂に入って体を洗って貰おう。

 頭が痛い……きっと助かったから多くの事を考え過ぎてしまったのだろう。

 

「あっ車が来たよ、やったよ一姫助かったんだよ。」

 

「ええ……そう……ね……」

 

「一姫?もう大丈夫だよ一姫?ねえ一姫、かずきぃぃぃぃぃ……」

 

 そうして私、風見一姫(かざみかずき)の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 目を覚ますと私はベットの上にいた。頭がひどく痛む。ここはどこだろう?なぜ私はここに?そもそも私は誰?

 

「姉ちゃん!」

 

「一姫、よかったお前がいなくなると私達は……」

 

「母さん心配だったのよ……」

 

 この人達は誰なのだろう、なんで泣いてるのだろうか……

 

「一姫……?それは私の名前かしら?」

 

「ねえ……ちゃん?」

 

「私はあなたの姉なの?ごめんなさい、思い出せないの、何もかも。」

 

「早く先生を呼んでくるんだ!」

 

「一姫ぃ……一姫ぃ……」

 

「嘘だろ?姉ちゃん!俺だよ雄二だよ」

 

「ごめんなさい……」

 

 

「風見さん大丈夫ですか?やはり頭部にダメージがありましたか……」

 

 

 その後の精密検査によると、どうやら私は記憶を引き出す領域が損傷していて、知識としての記憶は引き出すことができるが、思い出としての記憶が引き出せない状態のようだ。

 

「一姫に掛けてきた期待は何だったんだ……」

 

「あなた……」

 

 私は期待されていたのだろうか?なら好都合だろう、期待される人生ほど生き辛いのは無いのだから。

 

「姉ちゃん……姉ちゃん……」

 

 雄二だったかしら、私の弟らしいけど思い出せない。この様子だときっと私は弟に好かれていたのだろう……

 

「ごめんね……弟のことも忘れてしまうお姉ちゃんで……」

 

 でも今はこれしか言うことはできなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも作者のRoteroseです。今回は、小説初投稿ということで頑張らさせていただきました!原作ゲームもやってアニメも見てたんですけど、「一姫お姉ちゃんの出番が少なすぎぃ!もっと映せやバンバン。」という気持ちから書き始めました。
長丁場になる気もしますが、完結させたいと思うので、感想、指摘をドンドンお待ちしております。それでは第一話でお会いしましょう~。追記:三点リーダーの使い方がなってませんでした(´・ω・`)
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