鬼女D×D   作:ジェイ

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4話

 結果から言うと兵藤君は悪魔になった。

 彼に説明をし、悪魔になるのを断られた時に念のためにリアスちゃん達グレモリー眷属を召喚出来る魔方陣が描かれたチラシを渡していたのだが、その日のうちにリアスちゃんが召喚され、兵藤君は人として死にかけていた。

 故にリアスちゃんは彼との約束を守る為に兵藤君を悪魔として転生させた。そして―――

 

 「ハーレム王に俺はなるっ!!」

 

 ―――完全に吹っ切れたのかそんな事を宣う兵藤君、いや今はイッセー君と言うべきかな。

 

 この駒王学園においてイッセー君は有名だ。ちなみに良い意味ではない。彼はほぼ全ての女子生徒から嫌われている。そんな彼を示す言葉は野獣、性欲の権化、エロなどと言った要はスケベな少年だ。

 まぁエッチな位ではそこまで嫌われたりしない筈なんだけども彼の場合覗きの常習犯なのでそれもやむ無しである。

 

 そしてそんなイッセー君がこのような発言をしたと言うことは彼も本調子に戻ったと言うことになるだろう。もしかしたらそう見せかけているだけかもしれないが。

 

 ちなみに現在私が顧問を勤める部活、オカルト研究部の部室で悪魔の説明をしている。メンバーは特別な事情で来れない一人を除き全員出席していた。

 

 顧問である私、リーティ・ブレイズミーティア。

 部長で≪王≫、リアス・グレモリー。

 副部長で≪女王≫、姫島朱乃。

 ≪騎士≫、木場祐斗。

 ≪戦車≫、塔城子猫。

 そして新入部員で≪兵士≫兵藤一誠。これが現在のオカルト研究部のメンバーだ。

 

 ちなみにこの王や女王とは悪魔の役割と言える。

 王を筆頭に女王、戦車×2、騎士×2、僧侶×2、兵士×8で構成され、王が文字通り主となり以下は眷属となる。

 これは以前起こった悪魔、堕天使、神の3勢力の戦いにより激減した悪魔の救済処置である。

 チェスに見立て≪悪魔の駒≫を作り、これを使用することで王の眷属に転生させる。転生とは文字通りの意味で、同種族の悪魔であれ、他種族であれ、例え既に死んでいても悪魔として転生、生き返る事が出来るのだ。

 

 故にイッセー君は人として死ねば眷属になると言ったのだ。

 

 そして≪悪魔の駒≫は上級悪魔に昇進することで政府より配布される。つまり悪魔政府に貢献した褒美かつ、力が認められた証とも言えるのだ。

 

 と言うわけでリアスちゃんがこの説明をしたところ先のイッセー君のハーレム王に繋がるわけだ。

 

 「部長!俺に悪魔を教えて下さい!」

 

 「ふふ、ええ。私があなたを男にしてあげる」

 

 おい、リアスちゃんよ。その言い方はちょっと。

 

 「………いやらしい」

 

 子猫ちゃんの言う通りだ。しかしそこで私は気が付いた。

 

 「あれ?リアスちゃんってまだしょ」

 

 「「「―――っ!!」」」

 

 「もがーーーー!?」

 

 言いかけて朱乃ちゃん、子猫ちゃん、祐斗君の3人に同時に口を押さえられた!?

 

 「もがーーー!?もがもがっ!?」

 

 ちょ!?鼻も塞がってる!い、息が出来ない!

 

 (リーティ様、余計なことは言わなくても結構ですわ)

 (多分通じてますから。多分)

 (………空気読んでください)

 

 「………もが(ごめんなさい)」

 

 3人に小声で空気読めと釘を刺された。つーか子猫ちゃんにはそのまま言われた。謝ると手を話してくれたが何かモヤモヤする。歳上の威厳やらなにやらで。

 

 「あら?お姉様達は何をされているのですか?」

 

 「うふふ、部長は気にせず新入部員へのレクチャーをお願いしますわ」

 

 「そう?わかったわ」

 

 そしてリアスちゃんは説明を続けた。

 

 別に言っても良いと思うのだが、何故止められたんだ?言う必要もないけど。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 昨日は酷い目にあった。

 オカルト研究部に入部し悪魔の説明を受けて今日は帰って良いと言われたので帰る事にした。少し頭を整理したかったからだ。

 外に出るとかなり暗くなっていて部室がある旧校舎の雰囲気もあり結構不気味だ。

 少し怖くなり早足で学園を出て帰路につく。情報を整理しながら時折ハーレムを思い顔がニヤつくのが自分でもわかった。そしてふと立ち止まる。

 

 「―――ここは」

 

 「―――ほう、貴様生きて………いや違うな。貴様悪魔に転生したか?」

 

 突如声がかけられた。振り向くとそこには黒い翼を広げた男がいた。堕天使だ。

 

 「いやはやこれは参った。危険な神器所有者を排除したと聞いたがまさか悪魔に転生しているとは。ふむ、レイナーレ様に報告を――――いや」

 

 その瞬間、物凄く嫌な感じがし、俺はなりふり構わず横に跳んだ。

 

 「殺すか」

 

 言葉と共に俺が数瞬前までいた場所に光の槍が突き刺さっているのを見て背中に汗が流れるのを感じる。

 

 「ほう!今のを避けるか!はは、遊ぶのにはもってこいだな!ほらもっと避けて見せろ!」

 

 男は次々と槍を投げつけてくる。それを辛うじて避けつつ。

 

 「くっ!でてこい神器(セイクリッド・ギア)!」

 

 俺の神器を呼び出す。すると俺の左手にあの赤い籠手が装着された。これでも完全な性能ではないらしいがそれでも力が倍になるし盾の代わりくらいにはなるだろう。つーか

 

 「投げてから言うなよ!?つーか俺はグレモリーの眷属だぞ!?外交問題に発展しても良いのかよ!」

 

 本当にこれだ。しかし男は嬉々として槍を投げ続ける。

 

 「はは!上手いじゃないか悪魔君!いやいや確かに外交問題は不味いな。だが高々下級悪魔の、それも成り立ての転生者の為に上が動くと思うのか?どうせ切り捨てりる。それにいざとなれば、主の名を名乗らなかったのではぐれ悪魔だと思って殺した、と言えばそれまでだ!」

 

 「事実捏造してんじゃねーよ!つーかはぐれ悪魔ってなんだよ!」

 

 また新しい単語が出てきた!意味はわからないが、とりあえず殺る気満々なのは理解した。

 このままでは不味いと思い、男に声をかけられた時に立ち止まった理由、あのリーティ先生に助けられ、そして俺が殺された公園に飛び込んだ。

 

 何だよこの公園は!俺に何か恨みや因縁でもあるのか?襲われて、殺されて、また襲われて!?

 

 「おやおや少年、貴様はこの場所が好きなのかな?ここは」

 

 「好きじゃねーよ!!でもやり合うなら此処しかねーだろうが!」

 

 男の言葉を遮り言い返す。すると男の表情が変わった。

 

 「………貴様私とやり合う、だと?」

 

 その表情は先程までの楽しむ物とはまるで違い、真顔に近いが不愉快だと言うのがよくわかる顔だった。

 

 「調子にのるなよ!下級悪魔風情が!!」

 

 そして男は突然激昂し、同時に腹にズンと違和感を感じた。

 

 「あ、れ?」

 

 そして気付くと俺は地面に横たわっていた。どうやら光の槍が腹に刺さっている様だ。刺さっている場所が熱い。抜いてもヤバそうなのに刺さっていてもヤバいとかふざけんなよ。

 どの道ヤバいなら引き抜こうとして

 

 「ぐぁっ!?」

 

 「ふはははは!馬鹿め!天使と堕天使の光は悪魔にとって致命傷になる!どうだ?触っただけで痛かろう!」

 

 触ることも出来ないってか。

 

 あー、ヤバい。意識が朦朧してきた。俺は死ぬのかな?まだ転生して1日しか経ってねぇよ。神様はそんなに俺の事が嫌いですか?そうですか。俺だってなぁ――

 

 「―――神様なんか、大っ嫌いだ!」

 

 「そう、なら悪魔になって正解ね、イッセー」

 

 神様へ文句を言った瞬間聞き覚えのある、別れてから1時間もたってない声がこの場に響いた。

 

 「貴様ぁ!何者だ!私の狩りを邪魔しおって!」

 

 「部………長?」

 

 「ごめんなさいイッセー。あなたを一人にすればこうなる事も予想出来たのに………。でも安心して。もう大丈夫よ。お姉様すみませんが」

 

 「うん、任せなさい!伊達に保健の先生やってないよー!応急処置ならリーティにお任せ!」

 

 「無視するな!」

 

 男がまたもや激昂するが部長と先生はどこ吹く風。淡々としている。先生は俺の首の裏に手を回し、つぼ?らしき場所を圧すと徐々に痛みが和らいでくる。

 

 「今体の感覚を無くす秘孔をついたよ!3秒後君の身体は………」

 

 「お姉様、馬鹿なこと言ってないで早く処置してください!」

 

 「ほいほーい!」

 

 「だから無視するな!」

 

 秘孔とか何処の世紀末覇者だ。この人にかかると何故こんなに空気が緩むのだろう。しかし本当に体の感覚がなくなってきた。

 

 「体の感覚はなくなったね?それじゃあぱぱぱっとやっちゃいますか!」

 

 そして先生がおもむろに光の槍をつかみ引き抜いた。本当に痛みが無いのは助かるが見ていて気持ちいい物ではない。先生は素早く当て布、多分タオルか何かで傷口を押さえあっと言う間に包帯を巻き付ける。よくタオルと包帯を持ち歩いていますね?

 

 「保健の先生だからねー」

 

 関係ないだろ、実際。しかし助かったのでありがとうございます。

 応急処置が終わった所で部長が堕天使の男に振り返る。

 

 「さて、どういうつもりかしら?私の可愛い下僕にこんなことして。消滅したいのかしら」

 

 「ふん、そいつが主を名乗らなかったのではぐれ悪魔と勘違い―――っぎぃ!?」

 

 男が建前を話そうとした瞬間、何かが男の片耳を消し飛ばした。

 

 「馬鹿なこと言わないでちょうだい。この子にはつい先程まで色々レクチャーしてたの。勿論今みたいな状況の対処についても最低限伝えたわ。で、どうなの?嘘つき堕天使さん?」

 

 正直言おう。メッチャ怖い。

 

 「うわぁ、リアスちゃんガチギレだぁ」

 

 リーティ先生も若干震えてる。先生も部長が怖いらしい。

 

 「く、くそ!そうだとも!確かにその小僧はグレモリーと名乗った。だが良いのか?私を消せば外交―――ひぃっ!!」

 

 またも男が言い終わる前に今度は逆の耳が消し飛ぶ。うわぁ両耳無くなっちゃったよ。

 

 「外交問題、ねぇ。ねえ堕天使さん。あなた自分の立場わかってる?此処は私、グレモリーの領地でこの子はグレモリーの眷属。そしてあなたは下級堕天使。外交問題?笑わせないで。あなたが私の土地で好き勝手やって私の所有物に手を出して傷付け処分される。ただそれだけよ。そして堕天使の上層部もあなた程度切り捨てるでしょうね」

 

 ヤバい。部長が本気で怖い!俺の為に怒ってくれてるのはわかるけど、怖い物は怖い!男も蒼白になり

震えてるいる。俺の腹に穴を開けた野郎なんで同情はしないが。

 それはそうとこの包帯光ってる?なのに痛くない。変な感じがする。体の感覚が無いので違和感を感じるくらいだが、何かへんだ。

 

 「特別製だからねー」

 

 先生はナチュラルに心を読むな。しかし今はその特別製なのがありがたい。

 

 「さて、ではそろそろ消えなさい。恨むなら私の下僕な手を出した己を恨みなさいね」

 

 部長が男に手をかざす。男は部長の雰囲気(オーラ)に飲まれただ震えているだけだ。そして

 

 「―――待ってくれない?それ私の部下なの。今殺されると困るわ」

 

 聞き覚えのある声が。聞きたかった声が。でも最も聞きたくない声が響く。全員の視線が声のした方向。上空へと集まった。

 

 「夕真、ちゃん?」

 

 「やだ、生きてたの?しかも悪魔になんかなって。最悪じゃない。しかもまた腹に穴を空けられて、何?マゾなの?なんで生きてるの?ゴキブリか何か?早く死んでくれないかしら」

 

 やっぱり俺の彼女は幻想だった。そう思わないと死にたくなる。何で俺はここまで言われてるんだ?つーか俺の元カノは痴女ですか?何だよそのボンテージは?普通のより露出多いぞ?最高ですありがとうございます!あ、傷開いたかも!?

 

 「感動の再会の所悪いけど私、結構怒ってるの。邪魔をするならそれなりの対価を示しなさい」

 

 当然部長の怒りは収まらない。悪魔らしく対価を要求した。

 

 「対価、ねぇ。その子に今後手を出さないではダメかしら?」

 

 「馬鹿?そんな事なら今ここであなたごと消滅させるわ」

 

 「出来るの?あなたに?そこのデカイ女と怪我人がいるのに?気付いてる?直ぐ近くに私達の仲間が控えているのを。そこの二人を庇いながら私達と戦う?」

 

 「………はぁ、あなた達は何も気付かないのね。お姉様が――――」

 

 怖い会話が続くなか部長が言葉を止める。そしてこちらを見た。すると俺の看病をしているリーティ先生が部長に向かって満面の笑みでVサインをした。本当に緊張感ないなこの人。

 部長は一度深くため息をつき―――

 

 「―――いいでしょう。その条件で゛今回は゛見逃してあげる」

 ――――条件を飲んだ。

 

 「ただね――――」

 

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁー!?」

 

 「―――あなたもイッセーと同じ傷を負いなさい。これで許してあげる」

 

 部長がかざしていた掌から何かを打ち出すと男の腹に俺が負った傷と同等の穴が開く。いや、マジで怖い。良いぞ!もっとやれ!

 

 「良かったわねドーナシーク。生き残れたわよ。私達に感謝なさい」

 

 「ぐっ!あ、ありがとうございます。レイナーレ様」

 

 ようやく終わりそうな雰囲気だ。それにしても男はドーナシークと言うのか。覚えるつもりないけど。そして夕真ちゃんはレイナーレ、か。偽名だったのかぁ。

 

 「それじゃあ行くわよドーナシーク。悪魔さん達もバイバイ。もう会わない事を祈るわ」

 

 「ええ、しっかり手綱を握ってちょうだい。゛問題を起こさなければ゛何しようと関知しないわ」

 

 「そちらもね。゛こちらに手を出さなければ゛私は何もしない」

 

 その言葉を最後に堕天使は去って行く。見送ると二人だったのが四人に増えていた。本当に仲間が潜んでいたのか。

 姿が完全に見えなくなったころ部長が俺の所にやってきた。

 

 「イッセー、本当にごめんなさい。痛かったでしょう。私が浅はかなばかりにあなたに怪我を負わせてしまった。もう塞がりかけてるでしょうけど私が責任もってなおします」

 

 先程までの怖い部長から一転していつもの優しい部長の笑顔で言う。だがその笑顔はどこか後悔が表れてる笑顔だった。

 

 「いえ、さっさと家に帰らなかった俺も悪いですし、結果的に助けてもらえて生きてますから!良かったとは言えませんがありがとうございます」

 

 部長はそう、と一言呟きいつもの優しい笑みを浮かべる。その笑顔で俺もまた笑顔を浮かべた。だがここで1つ問題が生じる。

 

 「あの、部長?非常に言いにくい事があるんですけど………」

 

 そう、実は俺――――

 

 「あら?何かしら?」

 

 「いや、あの、身体が動かないってのもあるのですが………」

 

 先生に秘孔?を突かれたことで体の感覚が無く、全く動かせない。文句は言わないが、しかし!

 

 「――――今すっげぇ眠いです。つーか限界です!」

 

 緊張感が切れたのか意識が朦朧としてきた。つーか傷が塞がりかけてるかもしらないが結構血も流れたし、光の力でジワジワダメージもあったのでそれも影響しているだろう。

 

 そして俺の意識が完全に落ちる直前に部長は言った。

 

 「ええ、後の事は任せなさい。明日になれば全て元通りになっているわ。だからあなたは休みなさい。私の可愛い下僕君」

 

 それを聞いて俺は完全に意識を失った。

 

 




相変わらず話が進まない。
そのくせ今回は今のところ一番長い。
つーか主人公どうしてこうなった?私の前の奴こんなんじゃなかったのに!?
つーかイッセーが普通に主人公している。何故だろうか?まぁ私は楽しいから良いけど(--;)
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