魔法科高校の劣等生―先祖返りの祖龍―   作:正親町三条

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高度に発達した科学は魔法と判別がつかない、と良く言われる。

しかしこの世において、魔法と科学の差は歴然としている。

魔法師として第一高校に入学した彼女は学友と何を想い、戦友と何を成すのか。


プロローグ

西暦2095年、人類は『魔法』という新たな武器を手に入れていた。

 

 

いや、正確に言うのであればこの表現には語弊があるだろうか。『魔法』の力を手にしているのは人類の内ほんの一握りであるのだから。

 

 

初めて魔法が使用されたのは西暦2000年前後の紛争が多発していた時代であり、当時は何らかの新たな兵器であると考えられていた。

 

 

しかし、その後の研究は各国の兵器開発事情に急を告げる事となった。

 

 

魔法師1個小隊が最新鋭の装備を有する近代兵の1個大隊に対しほぼ無傷で勝利するという研究結果は当時の人々を震撼させ、各国の首脳級はこぞって魔法師の育成に力と予算を注ぎ込む事となった。

 

 

無論、利権絡まる世の中にあってやはり兵器開発業者からの猛反対があったものの所詮は多勢に無勢、この流れを止められるものはいなかった。

 

 

前述のような研究結果が出てしまった以上無闇やたらに暴力行為に出る事も叶わず、急速に衰退していったのであった。

 

 

魔法師の育成は急務であったが、それと同時に懸念された問題が2つあった。

 

 

その内1つは資金面での問題である。

 

今までとは全く違う教育方法を採用する以上学校や関連施設を建築するための費用が膨大である事に加え国を挙げて魔法適正を測るテストが全国民(日本の場合対象となるのは全中学生である)に対して行われる必要があり、その費用は少なく見積もっても発展途上国が負担出来る額ではなかったのである。

 

 

2つ目の問題は人材面での問題である。

 

そもそも魔法師には何を教えれば良いのか?通常の授業ならまだしも実技に関しては誰が教えれば良いのか?という問題が立ちはだかった。

 

 

当然の如く当時の世界には魔法師の基準も何も無かったため、各国はこの2つの問題に頭を悩ませる事となった。

 

 

日本では十師族と呼ばれる二十八家が名乗りを上げ、また他の家がこれに逆らうほどの魔法技能を持ち合わせていなかったため彼らがこの国の魔法師を束ねる存在となった。

 

 

そして現在、日本には魔法師を育成するための機関として9つの国立魔法大学付属高校が存在する。

 

 

その中でも1番の難関であり最も国立魔法大学に進学する人数が多く、また質も優秀であると専ら評判であるのが日本の首都に存在する国立魔法大学付属第一高校(通称一高)である。

 

 

ところで、少なくともこの国に(他国への魔法技術等の情報の流出は外患誘致罪に並んで罪が認められ次第死刑判決が下される、その為他国の魔法に関わる制度については謎が多い。余談だが2095年現在、未だに日本は死刑制度を廃止していない)魔法教育における平等、と呼ばれるものは存在しない。

 

 

それは血を分けた存在―例え兄妹であっても―とは言えども決して例外ではない。

 

 

 

 

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