―――――side深雪
夕暮れどきの駆逐艦寮の一室、その中の二段式ベッドの二段目で、私は布団にうずくまりつつ数日前の事を思い出していた。
――――――――――
深雪「し、し……司令官の事が好きだッ!!」
みすちー「……え……ええッ!?」
深雪「返事はすぐじゃなくていいから!」
――――――――――
深雪「うぅぅ……今思い出しただけでも……―――///」
司令官に告白したあの日……それ以来、その事を思い出すたびにこうやって逃げ道がない嬉し恥ずかしい気持ちをどうにかしようと、私は毛布を丸めて抱きついたり、ベッドにうずくまったりと様々な事をしていた。
まだ司令官から答えを聞いたわけでもないし、司令官が迷っている事だって知ってる。
けど――――――
深雪「自分の気持ちを知るって………こんなに嬉しいのか……///」
??「……深雪ちゃ~ん、何してるのかにゃ~♪」
深雪「え………―――――うわぁぁぁぁッ!?」
突然、ベッドの横から聞こえてきた声に私は慌てふためきつつ布団から飛び上がり枕を縦にしつつ横を向いた。
そこにいたのは―――
睦月「にゃしぃ♪
幸せそうだね〜深雪ちゃん」
ベッドの柵から顔を出していたのは、私と同じこの鎮守府古参の駆逐艦、睦月だった。
同室である彼女が部屋にいること自体は何もおかしくないのだが…も、もしかして―――
深雪「む、睦月……もしかして今の……」
睦月「バッチリ、見てたよ」
深雪「わあ!?お願い睦月ねぇ!今の事は誰にも言わないでッ!」
私は昔の呼び方が出ていることにも気付かないまま睦月ねぇに顔を近づけると、その勢い乗せてさっきの恥ずかしい独り言を黙ってもらうように頼み込んだ。
もし広められたら絶対青葉さんが新聞に書く!それだけは避けないと―――
睦月「えっと、別に良いけど…きっともうほとんどの人が知ってるよ。深雪ちゃんが『提督に告白したこと』」
深雪「サンキュー睦月!ありがたい……え?」
思ってもいない発言に思考が停止する私。
それに気づいていないのか、睦月は続けて話しだす。
睦月「二航戦の人達が話してたの聞いた事あるし…青葉さんが「これは今は新聞には載せれませんね~」って…(バタン)み、深雪ちゃん!?」
深雪「(毛布にくるまり)うー……何で…///」
睦月「…?」
深雪「何で皆知ってるんだよ……///」
誰にも言ってないのに……!もしかして、電や比叡先輩が見てた?
いや、2人がそんなことするはず…
睦月「深雪ちゃん…(様子を見れば一目瞭然だよ…とは、言わない方が良いよね…)
…ほら、知られちゃったのは仕方ないんだか、出てくる!(ぶんっ」
深雪「わっ!?」
私がくるまってた毛布を睦月が引っペ剥がすと、ささっと毛布をたたんでしまった。
恥ずかしさはまだあったが、こうなっては仕方ないと私も睦月の前に座り込む。
睦月「……でも、深雪ちゃんが提督をねぇ…
私達が着任してからいろいろあったけど、今までで一番驚いたかも」
深雪「その話はやめようぜ……///
…けど、本当にいろいろあったよな…」
そう、このパラオで私達が経験してきた事…忘れたくないこと、忘れちゃだめなこと…いっぱいあった…