―――――side電
電「ほ、砲撃!?どこから―――そんな…」
比叡先輩達からの連絡の直後、私達の周囲に砲弾が着弾し体を揺らす…ただ、私にはそれ以上に衝撃的なものが見えていた。
金剛先輩も気づいたのか、すぐに通信機で話そうとする。
金剛「どーしてこっちに…シット!
提督、南方棲戦姫がこっ――NOッ!?」
電「きゃあッ!?」
直後、二度目の砲弾がちょうど私達の間に着弾し、私達を吹き飛ばした。
電「けほッ……っ!……つっ!?」
体が海水に叩きつけられ痛い…けど、すぐここから逃げないと…
…こ、金剛さんは!?
電「金剛さん!金剛さんッ!」
金剛「うっ……うぅ……」
私は同じように吹き飛ばされた金剛さんに近づく。
艤装に損傷はないけど、衝撃で意識が無くなってる…
電「…どうすれば……はっ。司令官さん…聞こえてますか…!司令官さん…ッ!!」
必死に通信機に向かって呼びかけるのに、司令官さんからも深雪ちゃんからも返事が来ない…
なんで…なんで…
南方棲戦姫「………捕マエタ…」
ワ級「………(シュル」
電「ッ!?…やっ……!」
気がつくと、私の体に管のようなものが巻きつき、何時の間にか接近していたワ級の側面に張り付けられた。
電「は、離して…離してください…ッ!」
私は必死に暴れる。何とか逃げて、金剛さんを連れて逃げないと…!南方棲戦姫が近付くまでに!
怪我だらけの体が痛むけど、ワ級も大きな損傷を受けてる。少しずつその拘束が緩み出す…これなら…!
ガコンッ
電「え?……な、なに……」
突然、背中から振動が起きる。
別に拘束が外れたわけではない
じゃあ……
…ゴポッ
電「…な、なんなので――…ッ…え…?」
次に聞こえてきたのは液体のような音。
私は謎の音と未だに外れない拘束に、焦りを感じつつなんとか逃げようと力を―――
電「……あれ…(ゴポッ…)…力が…(ゴポッ…)」
どんどん力が抜けていく…一体何が…
…その時、私はやっと気づく。
私を拘束する管…その管に、艦娘にとっては見慣れたものが通ってることに…
―――艤装の燃料が、抜かれている―――
電「いや、やめ…て…っ!はなし…て…!」
ワ級「……(シュルシュル」
電「…いたッ……(ゴポッ…)…苦し……ッ」
暴れようとするたびに巻き付いた管が締まり、私の動きを封じていく…その間にも艤装の燃料が奪われ、力がなくなっていく…
電「……いやぁ……(ゴポッ…)…しれい…かん…さん………(ゴポッ…)…」
燃料がなくなるたび、壊れた艤装と足元の主機はその役目を忘れ私を拘束する重りとなっていく…
電「……いか…(ゴポッ…ズズズ…)…おねえ…(ズズズズ……)……」
最後には燃料を吸い出す音を最後に、私は力尽きたように体をワ級に倒す…
まだ意識はある…けど、締め付けられて体力を奪われて…艤装もただの重りとなって…もう、何もできない…
ワ級「………(シュルシュル」
電「…はぁ………はぁ……」
南方棲戦姫「………ツカマエタ…」
電「…ッ!…いや…」
…いつの間にだろうか…こちらに接近していた南方棲戦姫がこちらを見つめ笑みをうかべる…
締めつけはどんどん酷くなり…意識が薄れ出す……
…怖い…沈みたくない…
電「……いやぁ……」
南方棲戦姫「……怯エル事ハ無イ……貴女モ…『アノ子』ト、同ジ二シテアゲル」
電「……あ……ぁ……」
……薄れゆく意識の中、南方棲戦姫が何かを話している事だけを認識したのを最後に、私の意識は深海のそこに沈んでいった