ケッコンカッコカリ   作:割烹着みすちー

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23話

―――――side電

 

…どこなのだろう、ここは…

海の中を浮かんでいるような…どこか安心する…

…このまま…全てを委ねたいような…

 

??「…あなた、こんな場所で何してるのよ?」

 

電「…だれ…なのです…?」

 

誰かいる…?

…意識がはっきりしないまま、私はうっすらと目を開けると…そこには…

 

??「…特三型駆逐艦4番艦…電ね」

 

電「誰なのです…あなたは?」

 

目の前にいたのは、真っ黒な姿をした人だった。

真っ白な空間に立つ黒い影のような人…服も顔も黒で埋め尽くされ誰かわからない…

 

??「…誰ね…私が誰かなんてもう忘れたわ。

ただ、あなたの事は何故か覚えてる…

だから話しかけたのよ」

 

電「電の事を…ここは、どこなのです?」

 

私は何でこんな場所にいるのかも思い出せないまま、目の前にいる人に気になった事を質問する。

 

??「ここ?此処は境目…表と裏、光と闇、聖と悪。

…そして、あなたと、私の」

 

電「あなたと……電の?」

 

??「さあ、一つ質問に答えたし次は私の番。

何であなたがここに来たのか、教えてくれないかしら?」

 

電「何で…ここに来たのか…」

 

――――ッ!?

 

電「うっ…ああっ…!」

 

寒い…苦しい…いたい…ナに…コレ…

 

??「……っ!?

…落ち着いて、あなたはこっちに来ちゃダメ…!!」

 

電「…え……?」

 

??「ゆっくりでいい、何があったか思い出して…」

 

電「…は…はい…」

 

一度苦しみに飲まれそうになった私を、その優しい声で引き戻してくれる…

…この人は…

 

 

南方棲戦姫『………ツカマエタ…』

 

 

電「ッ!?」

 

??「…思い出したかしら?」

 

電「…そうです…電は…」

 

深海凄艦に…捕まって…

…それじゃあ…もしかして…

 

電「ここは…電は…死んじゃったのですか…?」

 

あの状態から助かるとは思えない……私は……

 

電「…うっ…うぅ……」

 

涙が溢れ出して…止まらない…

もう…お姉ちゃん達にも…深雪ちゃんにも…比叡先輩にも…

そして…司令官さんにも…会えない…?

 

??「…言ったでしょ

ここは境目だって…あなたは、まだこちらに来てない」

 

電「……え?」

 

??「…あなたが戻ろうと思うなら、まだ戻れるってこと。

だから泣き止みなさい、せっかくの顔が台無しよ?」

 

電「うっ……どうやって…戻るの…(ぐずっ)…ですか…?」

 

??「…ただ、ひたすら生きようとしなさい。

楽しくて、面白くて、あなたが望むことのために」

 

電「楽しくて…面白い…?」

 

??「ここでいう私は、裏

あなたは、表

裏のことを考えればこちら側に近づくし、表のことを考えればあなた側に近づく

さっき私が言ったことは表に属するもの…さ、考えてみて」

 

電「楽しくて…面白い……」

 

記憶を思い出して塞ぎ込んだとき…何時もと変わらない笑顔で接してくれた深雪ちゃん…

戦いの中、いつも先導してくれた比叡先輩…

いつも相談に乗ってくれたお姉ちゃん達…

…あの時…

 

みすちー『…絶対、助け出すから…何があっても…!!』

 

…顔をくしゃくしゃにしながら、私に約束してくれた…私の…大好きな人…

 

??「……大丈夫、そうね♪」

 

電「え…あれ…(くらっ」

 

直後、私の意識がゆっくりと薄れだす。ただ、恐怖心はなく何か暖かい気持ちに包まれていくみたいだ…

 

??「向こうに戻っても、頑張りなさいよ」

 

電「まって…あなたは…?」

 

??「私…?私はこっち側だから…そっちには行けないわ」

 

電「そんな…」

 

だめ…意識が薄れる…手を伸ばしても届かない…

 

??「…そうね、それじゃあ一つだけお願い。

司令官に伝えてくれる?」

 

電「…え?」

 

??「……待ってるから♪」

 

 

――――――――――

 

 

電「ッ!?」

 

え…?ここは…さっきの人は?

私はまだはっきりとしない意識で周りを見る。

まだその体はワ級に貼り付けにされ自由に動けない…ただ、先ほどより少しゆるくなってるのか苦しいことはない。

そして…

 

南方棲戦姫「……ッ!」

 

すぐ近くで南方棲戦姫がその主砲を何かに向けて砲撃している。

…あれは…?

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