―――――side深雪
作戦終了から一日後。私達は、3度目の夜に見慣れた南の島の泊地に到着した。
深雪「…見えた」
電「はい…戻ってきたのです…」
金剛「もう疲れたのねー…提督に頼んで、久々にHolidayをもらいたいネー」
比叡「私も疲れました…」
利根「少し休息じゃな」
最上「その前に報告だね…」
やっと気が抜けると、皆安堵する。
泊地の港に着くと、真っ先に損傷を受けていた皆が修理に入った。……電を除いて。
電「…し、司令官さん…?」
みすちー「…………」
深雪・比叡「「………」」
到着早々、電は司令官に呼び止められると、その場で待つように言われたのだ。
金剛先輩達も心配していたが、損傷も受けている人もいたため、損傷が少ない私と比叡先輩がこの場に残ったのだが…
深雪「…司令官…電は怪我もひどいんだし先に…」
みすちー「………」
私が話しかけても、司令官は返事すら返さず電の方を見続ける…電の傷自体、応急処置はしたし命に別状は無いけど…
それから数分ほど経ってからだろうか…司令官はゆっくりと口を開いた。
みすちー「…よく、戻ってきてくれたわね…」
電「…は、はい…」
みすちー「…響から聞いたけど、艤装の調子が悪かったてのは、本当?」
電「え…そ、それは…」
みすちー「急に艤装が煙を上げて動かなくなるなんてまずない。絶対に前兆があったはずだって…どうなの?」
普段とは全然違う怒りのこもった声に、私と比叡先輩は無意識に肩を小さくしてしまう。
その怒りが向けられている電は、おそらくこれ以上だろう…
電「……はい…あったのです…」
みすちー「…その事は後でしっかり怒るから…今は…(ぎゅう)…」
電「はにゃ!?///」
みすちー「……無茶して…本当に…心配したんだから…」
…司令官は、涙を浮かべながら司令官に抱きついていた…まるで、そこに居る存在が幻ではないのかと心配するように…
電「…司令官さん…ごめんなさい…」
みすちー「…謝るぐらいなら…(ぐずっ)…そんな無茶しないでよ…」
お互いに涙を浮かべ抱き合う2人。
…私は、ただその光景を眺めているだけだった…
比叡「……深雪ちゃん、電ちゃんそろそろ…」
深雪「え…あ、うん…
司令官…その、電も入渠させたげないと…」
比叡に先輩に言われ私が話しかけると、司令官は涙で濡れた顔を袖で拭いながら電から一度離れた。
…それだけ、心配だったんだ…
みすちー「あ…うん、ごめんね…怪我してるのに…」
電「…大丈夫なのです…それじゃあ、失礼するのです…」
みすちー「うん……行ってらっしゃい…」
深雪「……それじゃあ私達も…」
比叡「お暇しますか…」
みすちー「うん…今日はありがとう。2人ともゆっくり休んでね…」
司令官に見送られ、私と比叡先輩も退出する。
途中で比叡先輩とも別れ、私は駆逐艦寮に帰ろうと歩みを進めるが……何を思ったのか、艦娘達の談話室に行った。
深雪「………」
時間がすでに深夜…誰もいない談話室で私はソファに座ると、ぼーっとさっきの光景を思い出していた。
深雪「………」
お互いに泣きながら抱きつき合う司令官と電…
深雪「……ははっ…お似合いだったな、2人とも…」
司令官…自分では気づいてなくても、もう…心の奥底では決まってるんじゃないのかな?
それなのにあんだけ待たせて…まあ、電もきっちり告白してないんだし…どっちもどっちかな?
深雪「……あれ…」
何かが頬の上を流れたと思い、それを指ですくう。
そこにあったのは…
深雪「……やっぱり、素直に嬉しくはないな……」
…そのままどれぐらいが経っただろうが…少しして、誰かが歩いてくる音に気づく。
深雪「ん……あっ…(ごしごし)…」
私は目元を拭うと、誰が来たのだろうとソファから顔を出し見る。そこにいたのは…
みすちー「……深雪」
深雪「…司令官?」