夕方の日が沈む頃、パラオ泊地の駆逐艦寮の一室で夕寝をしている艦娘が一人いた。
深雪「……くー…………ん………くー……」
二段ベッドの上段で気持ちよさげに寝ているのは、少しくせっ毛がある黒髪をした女の子……そして、特一型駆逐艦の四番艦、深雪である。
今日は出撃もなかったのかとても幸せな寝顔で寝ている彼女……そんな中、その一室をノックする音が響いた。
コンコン
深雪「………くー……」
部屋に響くノック音。だが、彼女はその音に気づかないのか寝息をだし起きようとしない。
その後もノックは続くが、彼女は起きる気配を見せない………ついに
ガチャ……
睦月「深雪ちゃ~ん……いないの?」
入ってきたのは、睦月型一番艦の睦月。絳紫色のショートヘアに同じ色のクリっとした瞳が特徴の彼女は、扉の影からキョロキョロと覗き込む。
布団の2段目にいる深雪に気がつかないのか、彼女は少しすると扉を閉め退出しようとするが……直後
深雪「………ん(カタ)……」
睦月「にゃし……ッ!?……あ、いた」
深雪が寝返った時の物音でその存在に気づき、彼女は一度びくりと驚くが、すぐに顔をほころばせる。
睦月「静かに……静かに……」
深雪「………くぅ……」
ゆっくりと物音を立てないように部屋に入る睦月。
その事にも気づかずのんきに寝続ける深雪。
………ミシィ………ミシィ
深雪「……んっ………くー……」
睦月「にゅ………(ジー」
睦月はゆっくりと彼女が寝る二段ベッドまで近づくと、軋む音を立てるはしごを上り深雪が寝る布団に到着し、彼女の顔を覗き込む。
いつもは活発で元気いっぱいな彼女(深雪)だが、今寝ているその顔は見た目相応の可愛らしい少女の声をしている。睦月は幸せそうに寝る彼女の顔を見つつ、まるで自分も幸せなのか顔をほころばせると、その頬をつんつんとつついた。
深雪「(つんつん)………んっ……何……」
睦月「………にゃしぃ♪」
深雪「………っ!?わっ!?(バタン」
さすがに頬をつつかれてると気づいたのか、深雪はうっすらと目を開ける。
直後、口と口があと数センチで当たるほど近づいた睦月の顔を見た深雪は、目を見開くと驚きの声を上げつつ起き上がった。
睦月「深雪ちゃ~ん、お昼寝もこんな時間まで寝てちゃだめだよ~?」
深雪「な、な、何してるんだよ睦月ねぇ!!……あ」
睦月「あ♪まだ睦月ねぇって呼んでくれるんだ♪」
深雪「ちがうちがうッ!(ブンブン
何してるんだよ睦月ッ!」
睦月「にゃしぃ~♪」
深雪「……はぁ……で、どうしたんだよ睦月?」
2段ベッドのはしごに掴まりつつニコニコと笑顔を浮かべる睦月をみて、深雪は仕方ないなという感じに布団から出てそのまま胡座をかき話を聞こうとする。
睦月「うん実はね……ちょっと耳近づけて~」
深雪「???」
深雪は小さく疑問符をあげるが、特に断る理由もないため耳を向ける……のだが
ハムッ
深雪「ッ!?!?////
睦月ねぇ!!///」
油断大敵と言わんばかりに睦月はその無防備な深雪の耳をはむはむした。
当然、深雪は驚きと生暖かい感触に思わず頬を赤く飛び退いた。
睦月「ごめんごめん♪今度はちゃんと話すから~」
深雪「たくっ……」
睦月「ゴニョゴニョゴニョ……」
初期の水雷戦隊同士の中は今でも良いというべきか、完全に睦月に遊ばれてる深雪だったが、これ以上は深雪が本当に怒るだろうと思うと、今度こそ本当の目的を伝える。
それを聞く深雪の目を徐々にキラキラと輝き―――――
深雪「それほんとッ!?」
睦月「間違いにゃいな!電からの確定情報にゃし!」
深雪「他のみんなはッ!?」
睦月「今電がみんなに伝えに行ってるよ♪私達も早くいこー」
深雪「よーし!いっくぞー!」
ドタバタドタバタバタンッ!
睦月の話を聞いた深雪は元気に部屋を飛び出し、そのあとを睦月が追いかけた。
果たして彼女らが何を考えているのか……それは、明日になってから提督の知る事になる。
睦月はうちの鎮守府の古参です。
このあとの話のために睦月のキャラを固めておこうとしました。公開も反省もなんにもしてません