ケッコンカッコカリ   作:割烹着みすちー

45 / 63
17話

―――――siedみすちー

 

 

 

 

朝からいろいろ騒がしかったけど、それはそれ。これはこれ。

私は気合を入れ直し頬を叩くと、出撃準備を終え桟橋の近くで待機する四艦隊総勢24人の前に立った。

すぐ後ろには新さんも立っている。

 

みすちー「…あー、堅苦しい挨拶は抜きにするわよ。

作戦内容は伝えたはずだし、私みたいな鳥頭でも覚えれたんだからまず皆忘れてないでしょ」

 

私が軽く自分のことをあげつつ話すと、深雪と睦月が軽く笑いそうになって必死にこらえているのが見える。

別にこれくらいいい、緊張しているよりは何倍もましだし。

 

みすちー「今回の作戦は新提督の艦隊との共同作戦になるけど、やる事は何時もと一緒。

ふんぞり返ってるだけの大本営の命令を、出来る範囲で実行するだけ。

最優先命令はただ一つ、何があってもここに帰ってくること!

……終わったら、おいしい料理作って、パーっと宴会にしましょ?

それじゃあ、頼むわよ!」

 

『了解!!(』

 

私の掛け声に一斉に返事をすると、それぞれの艦隊ごとに出撃を開始した。

私はそれを少しの間見続け、艦隊指揮用の部屋に新さんと一緒に向かいだした。

 

みすちー「…新さんからも何か言ってあげたらよかったのに」

 

新「全体の集まりの前に六人には話してますよ。

それに、ここはみすちーさんの泊地なんですから、トップがしっかり言わないと」

 

みすちー「正直苦手なのよ…こういうの…誰かの上につくより、隣同士でいる方が楽でいいわ~」

 

那珂「あ、提督!準備できてるよ~!」

 

揃って会話をしつつ通信室に入ると、先に準備をしてくれていた那珂ちゃんが待機して待っていてくれた。

私は以前大淀に教わった事を思い出しつつ、機械の電源を入れていき艦隊指揮の準備に入る。

そのまま大淀がいれば隣でサポートしてくれるのだが…彼女は横鎮所属の艦娘なので、すでに数日前に帰投しているのだ…こんな事なら、もう数日あの提督にごねておくべきだった…

 

みすちー「…あ~、深雪~?

聞こえる?」

 

深雪『聞こえるぜ~感度良好だぜ!』

 

新「五月雨?通信大丈夫か?」

 

五月雨『はいっ!大丈夫ですよ~』

 

そろって通信状況を確認する私たち。

すぐ後ろでは那珂が第三,四艦隊の旗艦との通信も確認してくれている。

 

那珂「第三,四艦隊とも通信良好だよ!

あと数分で準備完了かな~」

 

みすちー「了解~…それじゃあ、新さんよろしくお願いしますね」

 

新「こちらこそ、いざと言う時は支援お任せしますよ」

 

時刻昼のヒトフタマルマル、作戦開始である。

 

 

 

 

 

―――――数時間後、sied深雪

 

 

 

 

深雪「こちら第1艦隊~一時間前の戦闘以来、変化なしだぜ~」

 

みすちー『了解。なら次はそこから南西の小島の方面を調査して』

 

深雪「了解っ」

 

作戦海域にあたしと五月雨の二艦隊が突入して数時間。

2,3回の戦闘をそれぞれしたけど、その全てが良くても従順一隻程度を含む水雷戦隊で、あたし達の誰もが小破もせず作戦を継続して。

 

深雪「けどま~噂の敵新艦は未だに見つからないし、今日はこのまま終わりそうだな~」

 

比叡「油断は大敵ですよ?

こういってる間に見つかるかもしれないし」

 

すぐ後ろから追随する比叡先輩の咎める声に、あたしは少しだけ気を締め直す。

とはいえ、戦艦も空母系も今まで発見できてないし…やっぱり例の艦隊はまだこの近くに来てないんじゃないかな~

 

電「…………」

 

深雪「なぁ、電はどう思う?

……電?」

 

意見を聞こうと併走する電に話しかける…ただ、電は険しい顔をしたまま前方を見ていた。

 

深雪「電…おぉ~い、どうしたんだよ?」

 

電「…少し、静かにして欲しいのです…」

 

深雪「…???」

 

金剛「電Girl…?」

 

普段とは全然違う返事にあたし達は軽く困惑しつつ首をかしげる。

 

みすちー『ちょっと、どうしたのよ電?』

 

電「…何だか、嫌な予感がするのです…」

 

みすちー『ちょ…やめてよ、前にも同じようなこと言って大変なことになったんだし…

そりゃ、敵の新艦は未だに正体つかめてないし、通常よりこの海域の敵の出現率は増えてるけど…』

 

司令官の言うとおり、今までの出撃データから考えても今日の敵との遭遇率は何時もより多い。

ただ、戦艦クラスや空母クラス…ましてや姫や鬼クラスが出てるわけでもないし、敵の侵攻の前兆だとしても、想定内の数だ。

電だってそれはわかってるはずだし…

 

暁『…司令官、少し良い?』

 

みすちー『んっ…どうしたの暁?』

 

深雪「暁?」

 

あたし達の会話に、割り込むように第三艦隊の暁が心配げな声で入ってきた。

 

暁『電の言ってる感じ…一緒かはわからないけど、私もするのよ。

呼ばれてるような…胸を掴まれてるような…響も、普段と様子が違うしっ』

 

響『暁、余計な事は言わなくていい』

 

暁を咎めるように響が会話に入ってくる…暁はそれに対して怒った様子で会話をつづけようとしてるけど…

 

電「…司令官、意見具申なのです。

…今から言う方向に進路を向けて良いですか?」

 

みすちー『え?あ、ごめんね…まず進路を教えて、話はそれからよ』

 

電「了解なのですっ

…暁お姉ちゃん、響お姉ちゃん、嫌な予感がする『方向』はどっちなのですか?

私は『南東』方向なのです」

 

響『っ…ほぼ、真南だよ』

 

暁『っ!?…暁も、響と同じよ!』

 

電「っ…司令官。

電達が今いる場所から南東に、第三艦隊がいる場所から南に、それぞれ線を引いて欲しいのです。

……そして、交わった地点に向かわせて欲しいのです」

 

みすちー『えっ?ちょ、ちょっとまって…地図で確認するから…』

 

通信機から少し慌ただしい音が聞こえてくる…けど、何でそんな事…?

 

深雪「な、なぁ!電以外は今言ってる変な気分してるのか?」

 

龍驤「いやっ…さっきから何の事言ってるのかさっぱりや」

 

金剛「NO!金剛もDo not know(わからない)デース!!」

 

あたしの問いかけに電以外の皆が否定の声をあげる。電達が嘘ついてるとは思えないけど…けど、3人だけが嫌な予感がするなんてそんな…………――っ

 

深雪「…もしかして…?」

 

金剛「…そんな…ありえないデース…」

 

比叡「…こ、ここは南方海域ですよっ?」

 

龍驤「そうやっ!そんな事…あるわけ…」

 

飛龍「けど、もしかしたらここまで移動してきたのかも…」

 

第1艦隊…あたしを含む六人が一つの可能性に思い当たり震える。

 

みすちー『……場所がわかったは…けど、ここは…』

 

電「…どうしたのですか?」

 

司令官も察したのか、震えた声で会話してくる。

…けど、そんなまさか…

 

みすちー『…落ち着きましょう…まず、電達が言った地点だけど…そこは、第二艦隊が今向かってる地点よ』

 

深雪「え…?」

 

新『……五月雨、近隣で何か発見したりはしたか?』

 

五月雨『…ううん、まだ何も…隼鷹さんの彩雲も何も捉えてないって』

 

新『念の為に、彩雲部隊をさっき言っていた地点に向けて発艦させてくれ』

 

隼鷹『了解~』

 

みすちー『あ、ありがとうっ』

 

新『何もないとは思うが、一応な…まだ目標は見つかってないんだし』

 

会話を聞いていた新さんがすぐさま隼鷹さんに連絡してくれ、司令官がお礼を言う声が聞こえてくる。

―――その時だ。

 

「――っ!戦艦二隻の水上打撃部隊発見や!!まっすぐこっちに向かってくる!」

 

突然の声に、あたし達は一斉にそちらに集中する。

その発見を知らせたのは――――

 

龍驤「戦艦以外は重巡四隻!全員フラグシップの大物やでっ!」

 

第一艦隊所属、龍驤だ。

 

みすちー「っ!さっきまでの水雷戦隊とは違う…今は目の前の敵に集中するわよ!

第三第四艦隊は何時でも出れるように!まだ本命じゃないけど、普通に相手にするには辛い相手よ。

深雪!まともに相手する必要はないわ。艦隊複縦陣!敵を海域から撃退までおいこみなさい!」

 

深雪「了解!!電と金剛先輩と飛龍先輩は右舷を、あたしの後ろには比叡先輩と龍驤先輩がついてきてくれっ!」

 

電「っ……了解なのですっ!」

 

あたし達の思惑を他所に、南方海域での戦闘は激しさを増すっ

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。