ケッコンカッコカリ   作:割烹着みすちー

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21話

――――side羽黒

 

 

 

???「…………」

 

五月雨「……ぁ……っ…」

 

羽黒「五月雨ちゃん!しっかりして!五月雨ちゃんっ!!」

 

一瞬の間だった。

私は痛みで震える体をどうにか起こそうとするが、砲撃によって壊れた艤装のせいでかろうじて浮かんでいられるのが精いっぱいだ…

通信が途切れた瞬間、目にもとまらぬ速さであの艦は動くと私に一撃を与え行動不能にし、流れるように五月雨ちゃんを捕らえていた。

 

???「………」

 

五月雨「っ――……」

 

敵の新艦は五月雨ちゃんが気絶したのを確認すると、その首にかけた手を離し彼女をわきに抱える。

 

南方棲戦姫「…目標ハ達シタ。撤退スルゾ」

 

???「………(こくっ」

 

羽黒「ま、待ちなさい…っ!!」

 

南方棲戦姫「…っ!(ドンッ」

 

羽黒「きゃあ!?」

 

必死に伸ばそうとする手を嘲笑うように、南方棲戦姫の砲撃が私の目の前で炸裂しその体が吹き飛ばされ海面にたたきつけれられる。

 

羽黒「っ…ダメ……五月雨ちゃん…!!」

 

意識が薄れる…だめだよ…貴女がいなくなったら、新君にどんな顔であえば…(ぽんっ)っ…!

 

 

 

 

 

「…よく頑張ったな」

 

 

 

 

羽黒「…ぁ…」

 

「後は任せろ」

 

…頭に置かれた手のぬくもり…私はそれにゆだねるように意識をうしなった。

 

 

 

 

 

――――side新

 

 

 

 

 

新「…………」

 

目の前に現れたスキマ妖怪の力で戦場に乗り込む。

五月雨にまた怒られそうな事をする自分に軽く呆れつつ俺は手に2対の剣を持ち、次に次へとスキマを経由してあいつらに接近する。

みすちーさんのように飛べない俺はいくら強くても五月雨達とは一緒に行けない。

けど…今スキマ妖怪が手を貸してくれている今なら。

…いや、スキマ何て無くても…皆を守るためなら。

―――俺はあいつらの目の前に現れたスキマから現れ言い放った。

 

 

新「…おい」

 

南方棲戦姫&???『っ!?』

 

新「…俺の女に何してるんだぁっ!?」

 

俺は怒りに身を任せ南方棲戦姫に蹴りを食らわせると、少しよろめかせ、それに追撃をかける。

 

新「沈めてやる…!」

 

南方棲戦姫「邪魔ヲ…!」

 

体勢を崩しつつもこちらに砲門を向ける南方棲戦姫に対して、俺はそれを片腕を当てることでわずかにずらす。

 

ドンッ!!

 

超弩級戦艦の砲撃音がすぐ耳元でなり体が震える。

だが、そんなの関係はない。

ろーちゃんを怖がらせて…羽黒に怪我をさせて…そして……

 

新「…五月雨にてをだして、タダで済むと思うなよっ!!!」

 

俺はためらいなくもう片方の手で握りしめた剣をその胴体に突き刺した。

 

南方棲戦姫「~~~!?」

 

新「っ…五月(どんっ)っ!?」

 

???「っ……」

 

直後、敵の新艦の方を見た俺は、そいつにつけられた龍のような尻尾をぶつけられ吹き飛ばされていた。

 

南方棲戦姫「っ…ガハッ…ヨクヤッタ…」

 

???「…まダ来る」

 

南方棲戦姫「っ…ソンナバカナ…(トンッ)っ!?」

 

新「……いてぇな…」

 

吹き飛ばされた先にはまたスキマ。

そのスキマの出口は丁度南方棲戦姫の真上。

あの妖怪は言った。

 

 

『あなたにやる気があるなら、死ぬまで助けてあげるわ』

 

 

…その言葉に嘘なしか…なら。

 

 

新「…まだ返してもらってねぇぞ!?」

 

南方棲戦姫「チィ!!」

 

???「っ!」

 

南方棲戦姫が副砲を、敵新艦が尻尾の砲門を向け一斉に砲撃してくる。

俺はそれをジャンプして避けると五月雨を捉えている敵新艦に向けて一直線に飛び降りた。

 

新「五月雨を…返せぇ!!!」

 

???「っ…仲間ヲ…返すカァ!!」

 

斬撃と砲撃が雨のようにお互いを切り刻んでいく。

どちらも致命傷は避けているが、徐々に血はお互いを赤く濡らしていく。

俺が深海凄艦の装甲も斬り裂ける剣で切れば、敵は無理に主砲を当てようとせず副砲と弾幕をばらまくように放つ。

あまりにも接近しすぎているため、南方棲戦姫も砲撃で支援することもできないこの戦闘の中、先に致命的一撃を与えたのは俺だった。

 

新「っ!」

 

ザンッ!

 

???「ーーー…ぁ……!?」

 

俺の放った斬撃は微かにだか敵の右目を縦に切り裂く。

視界を奪われた敵はその場に膝をつくと、俺はスキマの一つに足をかけ切っ先をそいつに向けた。

 

新「…離せなんて言わねえ。

離さないならその腕切り落としてでも返してもらう」

 

???「………」

 

俺の言葉に敵は無言のままうつむき続ける…それなら。

 

新「……そうか、それなら…!」

 

俺はゆっくりと剣を振り上げると、五月雨を抱えるその腕に向けて―――っ!?

 

新「そ、そのバッ(がんっ!)ぐっ!?」

 

一瞬の間だった。

俺が彼女のある一点に気づいてわずかにためらった瞬間、その尻尾の艤装を腹に叩き込まれ俺は後ろに吹き飛ばされる。

 

新「こいつ…五月雨っ!?」

 

???「―――ぁぁぁぁああああ!!!」

 

続けざまに、俺が見たのは海面に投げ飛ばされる五月雨と、一瞬の間に目の前に迫っていた彼女の姿だった。

 

???「死ねっ!死ネッ!シネェッ!!」

 

新「ぐぁ!?この…っ!?」

 

尻尾の頭に手を掴まれ力任せに何度も海面に叩き込まれる。

あまりの衝撃に手から剣が零れ落ちるが、今の俺にそんな事を気にする余裕もなかった。

 

???「ハァ…ハァ…ハァ…!」

 

新「…っ……」

 

南方棲戦姫「…ソイツハ関係無イ。

早ク殺セ。サッキノ逸材ヲ連レテ帰ルゾ」

 

???「……(コクッ」

 

新「……悪いな……もうこっちの勝ちだぜ…」

 

南方棲戦姫「何ッ…?!(ドンドンッ)ッ!?

敵二突破サレタ…!?」

 

???「………っ」

 

新「…俺の艦隊を…舐めすぎるなよ…」

 

???「……っ…!!」

 

こちらを見る彼女の怒り満ちた顔に少しだが気分を良くすると、俺は仲間らに残りを任せ意識を失った…

 

 

 

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