―――――side過去話、みすちー視点
今から二年前。まだパラオ泊地が出来てそう立っていないころ、日本の軍はアメリカとの国交を回復するためにある大規模作戦を決行した。
『AL/MI作戦』
北方のAL海域とアメリカとの中間にあるMI海域に同時攻撃をかけその海域を掌握する作戦だ。
まだ戦力も乏しかった地方泊地の艦隊は最低限の戦力だけを残して、AL海域攻略のために再編成された。
パラオ泊地の提督であるミスティアはその時、練度が艦隊内で飛びぬけていた第6駆逐隊に金剛、比叡、深雪を引き連れてAL海域攻略のために北方海域に向かっていた。
みすちー「…さむっ…何で南国からこんな場所に…」
電「さ、作戦だからしかたないので…へくちっ!」
雷「大丈夫?ちゃんとマフラーまかなきゃだめよ?」
電「あ、ありがとなのです…」
響「………」
暁「響?どうしたのよぼーっとして」
響「…いや、何でも無いよ。
それより、配属される艦隊はどこにいるんだい司令官?」
響は寒さに強いのだろうか?そう言えば南国のパラオで結構暑さでへばってるのを見た気が…
比叡「確か、私とお姉さまは第6駆逐隊とは別でしたね」
金剛「その通りデース!
戦いの狼煙は電ガール達にお任せするのデース!」
電「は、はいなのです!」
まだ緊張が大きいのか、硬さの残る電。
ただ、そこは姉妹たちがそれぞれ支え合ってくれてるから安心している。
そんな中、私の後ろでどこか不満そうな深雪が話しかけ来た。
深雪「ちぇ~皆は良いよな出撃できて。
あたしはここでお留守番だぜ?」
みすちー「まぁまぁ、臨時秘書艦の仕事、お願いするわよ?」
深雪は横須賀鎮守府開設時からの古参メンバーだ。
今は諸事情でパラオ泊地に在籍しているが、その実力は十分にある。
ただ、そのために今回はこの本拠地での待機を命じられたのだが…
別鎮守府の提督「おーい!そこの金剛型2人!こっちだぞ~」
金剛「Oh...もう向こうに担当の提督が来てたですか。
それじゃあみすちー提督、作戦終了後にまたなのデース!」
比叡「行きましょうお姉さま!」
別鎮守府の提督に呼ばれ嬉しそうに二人は駆け出していく。
他の艦隊に金剛たちを任せるのは不安だけど…今は彼女たちを信じるしかない。
さ、私も別の艦隊からくる2人を見つけないと…お、アレかな?
みすちー「ねぇ。あなた達が伊勢型戦艦の姉妹?」
伊勢「ん?おぉ、あなたが噂の妖怪提督ね。
呉鎮守府所属、伊勢型戦艦伊勢よ。よろしくね」
日向「同じく、伊勢型戦艦2番艦日向よ。一応覚えておいて」
みすちー「パラオ泊地で提督やらされてるミスティアよ。みすちーって呼んでくれればいいから。
それで、こっちが―――」
電「だ、第6駆逐隊所属電以下3名なのです!よ、よろしくなのです!」
深雪「臨時でパラオ泊地に在籍してる、第11駆逐隊の深雪様だぜ~。久々だな先輩♪」
伊勢「おぉ、硬いね~もっと気楽にしていいからね?(なでなで」
電「は、はいなのです」
日向「深雪は…いつも通りか」
深雪「にっしっし♪これが私の取り柄だからな~」
カチカチに固まった状態で話す電に、伊勢は気楽に、逆に顔なじみなのか気楽な声で話す深雪は日向と親し気に話し合っている。初めて会う二人に私は緊張していたが、お互い仲良くなれそうな姿を見て少し安心した。
雷「ほーら、電も伊勢先輩も何時までも話してたらだめですよ?
司令官も、そろそろ作戦会議始まるでしょ?」
みすちー「あ、そうね…うぅ…人間の中に混じって難しい話なんてやだなぁ…」
雷「あ、それなら私が聞いて「さぁ司令官さん。真面目に会議に参加するのです!」ちょっと電~!」
みすちー「うぅぅ…そ、それじゃあ後でね~…」
雷がうれしい事を言ってくれたが、電がそれを許してくれるはずもなく私は彼女に引きずられ仮設会議場に向けて引きずられていった。
響「…まったく、ダメダメな司令官だね」
暁「まったくよ!…あ」
深雪「どした暁?…お、雪だ…」
北方の大地でちらつく雪。私はそれを見上げつつこれからの事を考えてげっそりしていた。
―――自分がこれから犯すミスには、当然気づけないまま…
―――――数時間後
作戦会議ののち、AL海域とMI海域、それぞれの攻略のために集まった提督と艦娘たちはそれぞれの艦隊を指揮する準備を終えてその時を待っていた。
電『それじゃあ司令官さん、深雪ちゃん、指示の方はお願いするのです』
深雪「任されたぜ!電…作戦成功して風邪ひいて帰ってくるなよ~」
電『そ、そんな事しないのです!』
みすちー「こら、喧嘩しないの。
まぁ、無理だけはしないでね…この寒空の中外に出るなんて嫌だし~」
響『これぐらいの寒さで根をあげるなんて…貧弱だね』
暁『へっくち…けど、これ本当に寒いわよ…!』
雷『こ、これぐらい耐えれないと…(ぶるぶる』
伊勢『おーい、子供は風の子だろ?もっと元気で行かないと~』
日向『伊勢は元気すぎる気がする。もっと静かにした方が良いぞ…』
出撃数分前ながら好き勝手に話す彼女たち。
まぁ、緊張してないならそれだけいいのかもしれないが。
みすちー「ほら、無駄話はそれまでよ~
…それじゃあ、皆準備は良い?」
私は手を何度か叩いて静止するように言うと、ゆっくりと息を吸い問いかけた。
それに対してそれぞれが大丈夫と伝えてくると、私は小さくうなづいて言った。
みすちー「…よし、艦隊抜錨よ!」
前々回からありましたけど、うちの深雪は横須賀所属からのパラオ所属で、艦娘としては電より古参です