―――――side過去話、みすちー視点
AL海域での戦いは、最初は私たちを含む複数の艦隊の攻撃から始まった。主力として配置された金剛や比叡を含む艦隊が敵泊地に切り込むための道を開く前哨戦。
私の艦隊は、電を旗艦として響、暁、伊勢、日向…そして、雷を含む対潜装備を重点的に置いた艦隊だった。
最初は海域に潜む敵潜水艦隊を発見、駆逐隊と航空戦力で撃退、あわよくば敵主力として確認されたリ級フラグシップの撃退によって作戦は成功である。
出撃から数時間後、偶然か必然か、私たちの艦隊は敵主力が確認された地点の一歩手前まで来てた。
電『軽母ヌ級フラグシップが3隻もいるのです…』
日向『まずいな…倒せない事はないが、間違いなく制空は取られるぞ?』
雷『でもここを突破したら敵主力艦隊よ!
護衛の艦隊は軽巡に駆逐2なんだし、私達はほとんど無傷なんだからここは突撃すべきよっ!』
響『私達が独断で決めていいことじゃないよ。司令官、どうする?』
みすちー「うーん…」
通信室の中で私は次なる一手をどうするべきか迷っていた。
ヌ級フラグは確かに強敵だか、伊勢達の砲撃なら楽に倒へる敵だ。ただ、敵の航空戦力が潤沢にあるのに対して、こっちは伊勢日向合わせて残り20機ほどの瑞雲部隊。
とてもじゃないが太刀打ちできないだろう。
制空を捨てて先制攻撃でヌ級を2隻沈めるか、接敵することで撹乱して航空戦力を使えなくするか。
深雪「不意打ちを決めれれば倒せそうだけどな…うーん…」
電『…無理はしないほうが良いと思うのです…目標の潜水艦隊は撃退したのですし…』
電の不安そうな声に私の心も揺れる。だが、目の前に獲物がいて、不意をつけば無傷でも突破できるうえその先には敵主力艦隊…ここを突破すれば…
みすちー「…もうすこしまって…
何か良い策を…『まずいっ!』っ!?どうしたの!?」
伊勢『敵さんこっちに気づいたよ!
瑞雲隊を発艦させる!』
敵に気づかれた!?こうなったら仕方ない…!
みすちー「下手に背を向けちゃダメよ!全艦輪形陣に変更!敵航空部隊の撃退を優先して!」
敵の主力は軽空母3隻。その武器(艦載機)を奪えば後は怖くないはず…!
電『了解なのです…!』
通信機越しに多くの爆撃と砲撃の音が一気に鳴り出す。
先生の攻撃さえしのいでくれたら……
伊勢『まったく…数だけ多いんだから!』
日向『口を動かす前に敵を撃墜すべきだ…!』
電『三式弾の砲撃をやめないでください!
ここを凌いだら射程内に入ります…!?雷ちゃん後ろっ!』
雷『きゃっ!?もう、怒ったわよっ!』
響『大丈夫か雷?』
雷『至近弾だから大丈夫よっ!
響こそやられるんじゃないわよ?!』
響『…不死鳥の名がだてでは無い事、見せてあげるよっ』
深雪「だ、大丈夫かよ…?」
普段とは違う不安げな深雪の声に私は両手を強く握りしめる…もうっ、こんな事なら私も最初から出ればよかった…!
いつまで続くかわからない攻撃の音に、いつ誰かが被弾するかわからない恐怖。
それが私達を支配しだしたその時、好機は訪れた。
日向『…射程内に入った…攻撃を開始する』
伊勢『よーし!主砲!四機八門!一斉射!』
みすちー「よしっ!第六駆逐隊!一気に突撃よ!
的に肉薄して砲撃と魚雷の雨を叩き込んであげなさい!」
電『了解なのですっ!』
電達の勇ましい声とともに、次々と敵を轟沈させたとの報告が入ってくる。
これなら主力艦隊も倒せるはず…!
雷『きゃっ!?』
っ!?
みすちー「雷!?」
電『雷お姉ちゃん!?』
突然、通信機から雷の悲鳴と電の驚くような声が聞こえる。
何が起きたのかと私は通信機に耳を傾けるが、直ぐに戦闘音が鳴り響き出し状況が確認できない。
ーーーそれから数分後…
響『…敵艦隊撃墜だよ』
みすちー『…被害は…?』
響『…雷が…』
みすちー『っ!?』
通信機から聞こえてくる悲痛な響の声…まさか…!?
響『…雷が……艤装に直撃受けて主砲とかが大破。
まぁ、本人はピンピンしてるけど』
みすちー「(ガタタッ!)驚かさないでよっ!?」
深雪「ひ〜び〜き〜!!」
響『ちょっとシリアスな雰囲気出してみたかったんだ』
雷『もうっ!司令官を驚かさないでよ!
あ、私は大丈夫よ~』
一瞬最悪の可能性が頭に浮かんでいただけに、私と深雪は響の余計な雰囲気作りにずっこけてしまう。まぁ…無事ならよかった…
みすちー「と、とりあえず正確な被害を電から教えて。
あ、響は帰ったら頭ぐりぐりの刑ね」
響『納得できない』
電『は、はいなのです』
響『無視は寂しいな…』
暁『あんたもう黙ってなさい…(汗』
響の文句を軽く受けながすと、私は電から正確な被害を聞き始める。
攻撃を受けたのは雷のみで、艤装の主砲が大破、魚雷発射管が半分残して吹っ飛んだらしい。これだけ聞くと被害が大きそうだが、本人に怪我はないとのこと。残りの被害は伊勢と日向の瑞雲部隊がもう残り数機しかいない事か…
みすちー「…雷は実質戦闘は不能ね…」
電『はい…旗艦として、もう撤退した方が良いと思うのです…』
主力を目前にして撤退というのは悔しいけど…仕方ないか…
みすちー「…そうね…第1艦隊全員帰n『ま、待って司令官!』…え?」
悔しさが残る中、私が撤退命令を出そうとしたとき、それを止めに入ったのは雷だった。