ケッコンカッコカリ   作:割烹着みすちー

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30話

―――――side過去話、雷視点

 

 

 

 

雷「っ!?…何で急にこんなに敵が…!?」

 

帰還中、道中の岩礁地帯に入ったときに、狙ったように現れた敵艦隊に、私は1人囲まれていた。

直撃を避けつつ何とか進んで入るけど、このままだと完全に包囲されるのも時間の問題…

 

雷「(どんっ!)…っ?!」

 

また至近弾…!?もうっ、このままじゃいつ被弾してもおかしくないじゃない…!

どうにかして抜け出さないと…『雷ー!!』っ!?

 

雷「この声…司令官!?」

 

突然の爆発音。空を飛び回っていた敵艦載機が光の弾を受けて爆煙とともに次々と落ちていく。

その中を駆け抜けるように、紅い服を身にまとった司令官が現れた。

 

 

 

 

 

―――――side過去話、みすちー視点

 

 

 

 

 

雷に群がる艦載機を叩き落とすと、私は出し惜しみせず弾幕を放ちつつ雷に接近する。

 

みすちー「雷!!大丈夫!」

 

雷「大丈夫よ!さっきから一発も被弾してないわよ♪」

 

みすちー「ほっ…それならよかった!」

 

雷「心配しすぎよ…っ!?…あれ?深雪ちゃんは?」

 

みすちー「まだ包囲網の外よ…私は飛べるから簡単に突破できたけど」

 

雷「そっか…さぁ、これどうしよっか…?」

 

みすちー「決まってるわ。片っ端から叩き潰す♪」

 

雷の元気な様子に一安心すると、私は周囲を見渡して笑顔を浮かべる。

敵は30~40かな?戦艦や正規空母まで紛れ込んでる数だけど、どういうわけか敵は一気にせめてきてない。

―――それなら、やる事は簡単だ。

 

みすちー「私が先導するから、雷は後ろからついてきて。

スキができるまでまって、できた瞬間一気に突破するわ。

近づいてくる奴は私が例外なく叩き潰すから!」

 

流石に雷を背負って飛んだら敵艦載機に叩き落とされるからダメ。そうなると、隙をみて突破するしか道はない。

私は後ろから迫ってきたホ級に向けて弾幕を叩き込みつつ命令を出す。

たった二人に対して攻めあぐねてる敵なんて怖くないわ!

 

雷「了解!…けど、無理しちゃだめよ司令官?」

 

みすちー「大丈夫よ!…っ!(どんっ)弾幕ごっこは十八番だから♪」

 

散発的に放たれる砲撃を弾幕で叩き落としつつ、私は笑顔を浮かべる。

 

 

 

 

 

―――――side過去話、深雪視点

 

 

 

 

深雪「……」

 

雷と司令官を囲むようにいる敵の艦隊に察知されない距離から動き続ける。

今すぐにでも突撃したいけど、ここであたし一人が言っても沈められるのが関の山だし…

 

深雪「…司令官が行ってから1時間…まだなのかよ…」

 

もう基地に向けて事情は伝えているけど、他の艦隊も出撃中だし、予備の艦隊も駆逐艦1人のために基地の防衛を減らすわけにはいかないって…くそっ!

 

深雪「…2人とも、無事だよな…」

 

どうすることもできない悔しさの中、あたしは散発的に聞こえる戦闘音に耳を傾けていた。

 

 

 

 

 

―――――side過去話、みすちー視点

 

 

 

 

 

みすちー「っ…くっ!!(ドドンッ」

 

雷「し、司令官…汗が…」

 

みすちー「だ、大丈夫よ…これぐらい…!」

 

1時間もチマチマと攻撃だけして…!何よ、もっと一気に攻めてきなさいよ…!

それに何で、こんな早く息切れして…弾幕だってほとんど使ってないってのに…!

目前に迫る敵艦載機に向けて苛立ちを感じつつ薙ぎ払うように弾幕を放つと、敵の数機か黒煙を纏って海に落ちていく。

ただ、敵の艦隊はこちらに近づこうとせず遠目から散発的な攻撃しか続けてこない。

 

みすちー「このっ…このっ…!」

 

雷「どこか…抜け出す道は…?」

 

私が弾幕で守るなか、雷が必死に退路を探してくれているが一向に見つかる気配はない。敵が迫ってこない代わりに

、防備が厳重になっているのだ…

 

 

…そして、限界は唐突に訪れた。

 

 

みすちー「このっ…!!こーーっ!?(ガクッ」

 

雷「っ?!司令官っ!?」

 

突然体の力が抜けるような感覚を感じると、宙に浮いていた私の体はそのまま海に着水する。

雷が咄嗟にささえてくれるけど、それすら希薄に感じるほど意識が薄れていってしまう。

 

みすちー「っ………ぁ…ぃ…かづ……」

 

雷「無理しないで!

っ?!…敵が…!」

 

みすちー「っ…迫って…きてる…?」

 

薄れゆく意識のなか、かろうじてこちらに迫ってくる敵艦隊に気づく。まさか…これを狙って…?

 

雷「…司令官、捕まってて」

 

みすちー「っ…な、にを…」

 

雷「ってー!」

 

雷が残っている魚雷発射管を敵に向けて構えると、一斉射する。ただ、どう見ても敵の数から見て数が足りないのにどうやって…

 

 

 

 

―――――side過去話、雷視点

 

 

 

 

雷「ってー!」

 

私の最後の武器である酸素魚雷を一気に放つと、司令官を支えていない方の手で爆雷を手に持ち、力一杯発射した魚雷に向けて投げた。

発射直後でスピードに乗っていない魚雷が爆雷と衝突し、その衝撃で連鎖的に爆発を起こす。

 

ドドドドドドーン!!

 

雷「やった!司令官こっちよ!」

 

みすちー「っ…うんっ…」

 

私は司令官を引っ張ると、あらかじめ目をつけていた岩礁に向けて一気に進む。

魚雷と爆雷が爆発した時の水柱に包まれたおかげで、今敵は私たちを見失ってる。

私はうまくくぼみができている岩礁の一つに司令官ごと入ると、主機を止めてじっと息をひそめた。

 

みすちー「っ…いかづ…ち…ごめん…」

 

雷「もう、司令官ったら頑張りすぎなのよ!

無理しちゃダメでしょ?」

 

みすちー「こ、ここで無理しなくて…っ…いつ無理するの…」

 

雷「だからって倒れたらダメでしょ!

帰ったら残りの仕事は私がするから、ちゃんと休む。良いわね?」

 

みすちー「っ…わかったわよ…っ…この音…?」

 

雷「っ……艦載機の音…私たちを探してるんだわ…」

 

下手に外をでたら見つかるかもしれないし動けない…

けどいつかここにも捜索の手が来るかもしれない…どうしよう…

 

 

 

 

―――――side過去話、深雪視点

 

 

 

 

深雪「っ…敵がばらけ出した」

 

もしかして司令官たちが…いや、そんな簡単に2人がやられるか!

きっとどこかに隠れたんだ…よーし、今なら隙をみて突撃できるっ!

私は一気に主機を動かし出すと、敵の陰に注意しつつ岩礁地帯に突入した。

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