ケッコンカッコカリ   作:割烹着みすちー

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34話

―――――sideみすちー視点

 

 

 

 

みすちー「…妖怪だから、止めておけってこと?」

 

先ほどまで人でごった返していた一室で、スキマから顔を出していた紫はじっとこちらを見つめつつ話し始めた。

 

紫「…私達妖怪は、人の恐れ、恐怖、噂…それらのおかげで生きていける…

自然から力を得る妖精と違って、人のそれがないと私達は本来の力を使えないどころか、存在することすらできない」

 

みすちー「………」

 

紫「だからこそ、私は幻想郷と言う妖怪の理想郷を維持している。

けどね、ここは幻想郷じゃない。

深海棲艦というなの悪夢のおかげで、以前と比べれば外も妖怪が暮らしやすい世界にはなっている」

 

私も紫も、それはここに来たときから感じていた。

噂に聞いていた怪異がまったくなく、人が夜を恐れず妖怪が存在しない外の世界。

けど、深海棲艦という新たな怪異は、皮肉にも人に恐怖を植え付け、外の世界を私達妖怪が住みやすい世界にしていたのだ…だが。

 

紫「…それでも、本来の力を発揮できるほど外は怪異に満ち溢れてはいない。

私や吸血鬼、巫女や魔法使いならまだしも…あなたはただの夜雀。

…せいぜい1刻。それ以上戦えば、貴女は力を失い倒れる…最悪、存在すら消えるわよ?」

 

普段のふざけた様子と違う、こちらを射抜くような目で問いかけるその姿に、私は妖怪の賢者と呼ばれる彼女の姿を見た気がした。

 

紫「…ま、悪い事は言わないは。

貴女は作戦指揮に専念して、あの子達に任せる事ね~

だいたい、生きてるか死んでるかもわからない子のために「それでも…」……」

 

頭の悪い私でもわかる事だ、うまくいかなければ、私は皆に迷惑をかけて…挙句の果てに、存在すら残らず消えてしまう。

 

みすちー「…それでも…止まれないのよ…!

あの子を…雷を沈めたのは私のせい!誰のせいでもない!私が悪いのよ!

それを深雪や電たちに任せて、私は1人安全な場所で!?できるわけないわよ!!」

 

感情的だなとは思っている。無茶だとも思っている。けど、私はその言葉を止められなかった。

視界が霞む…泣いているのだろうか、私は目元を擦りながらも自分の気持ちを言い切った。

 

紫「…警告はしたわよ?にとりはすぐに工廠の方に呼んであげるから」

 

その姿をみて、紫はどこか冷めた目でこちらを見たままそういうとゆっくりとスキマの中に入りその入り口を閉じて行った。

 

紫「…くれぐれも、水底に沈まないようにね」

 

みすちー「っ…!」

 

最後に、不穏な言葉を残して…

 

 

 

 

 

―――――sideにとり視点

 

 

 

 

まったく!急にスキマに連れてこられたと思ったら、良くわからない機械の整備を手伝えって!?

河童はそこまで暇じゃないんだよ!こんなよくわからない機械で水の上に浮かぶ機械なんて…なんて…!

 

 

にとり「何だよこの最高の場所は~!?

ミスティアももっと早く教えてくればよかったのに~」

 

みすちー「いやぁ…気に入ってくれるかわかんなかったしね…」

 

こんな幻想郷にない最高の場所!もっと早く知りたかったのに~!!

 

 

 

 

 

―――――sideみすちー視点

 

 

 

 

 

みすちー「それで、調子はどうなの?」

 

パラオ泊地の工廠。先の戦闘で故障した艤装はすべてここに集められており、損傷が低いものから順に妖精さんの手によって修理が始まっていた。

大型の工作機械が小さな妖精さん達の手で動く中、にとりは金剛の艤装をキラキラと輝いた目で触っていた。

 

にとり「問題なしだよ!

そこの子から言われた日程も守りつつ、きっちり全部修理して整備も完璧にして見せようじゃないか!

幻想郷の河童の科学力を見てなよ~」

 

深雪「すげぇ、後ろのアームが滅茶苦茶動いてるぜ…」

 

にとりの背中につけられたアームが好き勝手に動いては艤装を持ち上げてそのまま弄っていく。

正直どれがどうなっているか私にはわからないえけど、そこはにとりの仕事を信じるしかないだろう…

 

にとり「この調子なら予定よりも早く終わるだろうね~

何か他にも頼むことあるなら早めに言っといてね~」

 

ミスティア「そうね…その時はお願いするわ」

 

にとり「頼むね~♪」

 

睦月「えっと、次はこれなんですけど…」

 

にとり「はいはい、これは~…『航空巡洋艦最上』って子のの艤装ね

こんなちっさいので飛行機飛ばそうなんてまたすごい発想ね~♪」

 

笑顔を浮かべたまま睦月から渡された資料を読みふけるにとり。

その姿に少し狂気を感じなくもないけど…彼女はそういう事で嘘はつかないだろうし、たぶん大丈夫でしょう♪…たぶん…

 

深雪「…それじゃあ、後は睦月に任せるし、あたしは司令官と話があるから~」

 

みすちー「え?いやそんな事は―――ちょ、どこ連れてくのよ~?!」

 

睦月「だいたい整理は終えてるから後は睦月だけでも大丈夫だよっ」

 

突如、深雪が私の服の袖を握ると、そのまま工廠を出て行くように歩き出した。

ど、どこに連れていくのよ~?!

 

 

 

 

 

―――――sideにとり視点

 

 

 

 

黒髪くせっ毛の、服装によっては人里にいてもおかしくなさそうな子がミスティアを無理やり連れて行く…ふ~ん♪

 

にとり「ねえねえ、睦月だっけ?

あの子が噂の深雪ってっ子?」

 

睦月「う、噂ですか?」

 

にとり「そうそう、夜雀がほれ込んだ子って、幻想郷じゃちょっとした話題なんだよね~

あの子、屋台始めてから人間相手にも気兼ねなく話しかけるようになってるし、けっこうモテてるはずなんだよね~」

 

睦月「そ、そうなんですか!?

…確かに提督は深雪ちゃんにお熱ですけど…」

 

にとり「へぇ~へぇ~…あの子供っぽい夜雀がね~」

 

天狗がよろこんで記事にするわけだ~…ん?

 

にとり「あれ?あなた達も艦娘?」

 

睦月「え?あ、貴女は…」

 

???「…話があるわ」

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