―――――side比叡
夕方頃の戦艦寮の一室。普段なら、今の時間は夕日が差し込み温かみがある部屋なのだが、今日に限ってはカーテンが閉まり電灯もついてなく、真っ暗闇に包まれていた。
その部屋の主の1人……私は、ベッドの上で毛布にくるまりただ泣きくじゃっていた。
比叡「…………グズッ……」
数時間前の出来事……私と電ちゃんは、自分の思いを確認したくて新司令官の鎮守府の、五月雨さんに会いに行っていた。
けど、そこで話した事はただ私の思いを余計に複雑にさせるだけだった。
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比叡「――――私がお姉様と司令官が好きな気持ちに、どう違いがあるのですかッ!?」
五月雨「――――――これ以上は、私からは言えません……自分で気づいてくれないと……」
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今日の会話がまた頭の中でよぎり、私の心を締め付ける……
それと同時に……枯れるほど流したはずの涙がまた溢れ出す……
比叡「………なんで……答えを決められないの…………」
同じ問答を何度繰り返しただろうか……もう今がなんじかもわからない。
そんな時がどれぐらい過ぎただろうか……
コンコン
金剛「……比叡、いますかー?」
比叡「……………」
大好きなお姉様の声……けど、今だけは……今だけはその言葉に返事する気力もわかず、私は居留守をした。
…………ガチャ
金剛「……入りますよー……なんだ、やっぱりいるじゃないですか」
比叡「………お姉さま………」
金剛「もう、なんて顔してますかー?
泣くのはイイですけど、それじゃあ折角の顔が台無しですよ?」
比叡「いや……これは……(ごしごし」
私はなんとか誤魔化そうと服の袖で涙を拭いますが、いくら拭っても涙は止まってくれません。
そんな中、お姉さまがベッド脇の椅子に座り、話しかけてきます。
金剛「……比叡。泣きたいときは、泣いても良いです…
泣くって言う事は、心を落ち着かせてくれるのネー……」
比叡「……グズッ……」
金剛「……泣いて、泣いて、泣いて…それで落ち着けたなら、誰かに話すといいのネー
今の比叡には、泣く時間と、話を聞いてくれる人、その両方が必要デース……違いますか?」
比叡「……お姉さま………うっ―――わぁぁぁぁッ!!」
お姉さまの優しげな言葉に、私は必死にこらえようとしていた涙腺が崩壊するのを感じた。そして、気がつくとベッドから乗り出し我慢しきれずその胸の中で私は泣きじゃくっていた。
比叡「うわぁぁぁ―――ッ!!」
金剛「よしよし……(なでなで」
十数分ぐらいたってからだろうが、私はやっと落ち着きを取り戻した。同時に、お姉さまの相手に子供のように泣きじゃくったのが急に恥ずかしくなり、私はさっと離れるとまだ湿っている服の袖で涙を拭い出した。
そこでやっと、お姉さまの服まで自分の涙で湿っていることに気づいた。
比叡「ご、ごめんなさい……
お姉さまの服が……」
金剛「気にすることないネー
………それで、少しは落ち着いたかしら?」
比叡「は……はい……」
金剛「それじゃあ……今なら、話せますかー?」
比叡「………は、はい……聞いてもらえますか?」
私はポツリ……ポツリ……と、自分の思いを、今まであったことを話しだした。
秋の頃……渾作戦が終わってからのことだ。
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比叡「なんでですかッ!?なんで、お姉様の告白をッ!?」
みすちー「……………」
比叡「何か言ってくださいッ!」
みすちー「…………もう、いるからよ」
比叡「ッ!?…………それって……だれですか?
もし誤魔化すための嘘だったら――――」
みすちー「嘘じゃないわよッ!……でも、迷ってるのよ………」
比叡「迷ってる……?」
みすちー「……意気地なしとも、弱虫とも、優柔不断とも、何とでも言ってくれていいわ。
それだけ、その子達の事が好きなんだから……」
比叡「………それって、誰なんですか?」