道路沿いに立ち並ぶ満開の桜の木に目をやると思わず胸が踊るこの季節。これから始まる「高校生活」という3年間に僕、長谷川純一は興奮を隠せないでいた。
『遂に....遂に、夢と青春と希望に満ちた高校生活が始まるッ.....!
この時をどれほど待ちわびただろうか...ゲームOK、携帯OK、そして何よりも、女子逹のミニスカ.....痛ッ!何すんだよ!』
『何するも何も暴走する前に止めてあげたんだから感謝したらどう?』
頭を殴り謝るのかと思えば逆に感謝しろという摩訶不思議な事を言っているのはスラッとした脚とやや茶色の長髪が特徴の鶴見澪。
彼女は僕と幼稚園からの腐れ縁で僕とは違い中学の定期考査では毎回上位に位置付ける実力派でさらに面倒見がいいので中学、いや、小学生の時から人気があった。
とは言っても中国拳法を習っているため怒ると手がつけられないというオプション付きだが。そのため人気があってもモテることは無かった。
『いいか?高校生活は二度と訪れることのない大切な3年間なんだぞ?僕はこの3年間で.......』
『あ、二人ともお待たせー(* ̄∇ ̄)ノ』
『3年間で.......って、ええ!?そこスルー!?』
『おい純一、朝っぱらからうるせえぞ』
『....同感』
俺を見るなりバカを見るような目で罵倒してきたのは特徴的なツンツン頭が目印の指宿陽介という男で、この男の人生はサッカーで始まりサッカーで終わりそうな人生を送っている。そんなサッカーばっかりやっていたおかげか腕っぷしは確かで華奢だが弱さを感じさせない身体、つまり一番モテる身体をした男だ。
恨めしい.....
まあ肝心な学力はさっぱりだが。
そして陽介と一緒にいた知的でおとなしい印象を受ける眼鏡をかけた彼女は柊さきという娘で、その知的な印象と相まって中学の時の定期考査ではほとんど5本の指に入っていた。一度7位という順位を獲ったのたがその時は酷く落胆していたのを見た時は面食らったものだ。柊さんより50番下で喜びで発狂していたあの時の自分が恥ずかしい....
四人が合流し、しばらく歩いたところでふと陽介が僕に話しかけてきた。
『ところで純一は部活何すんだ?』
『部外?』
『おう、うちの学校は掃いて余るほど部活があるんだ。入りたいやつぐらいあるだろう』
『部活ねぇ....』
そう、僕らがこれから通う暖美理大付属高校は約1500人が通う高校で部活の数なら県内なら軽く一番はとれるぐらいの数を誇る。
まず運動部でいうと、野球部や陽介が入るサッカー部、バスケ部といった王道の他にバク転部、缶けり部、鬼ごっこ部、エア運動部、ダイ部などといった変わった部活もある。
文化部でいうと王道の他に、喋り部、幹部、冬場限定のガスストー部、野球盤部などといった一風変わった部活....というよりも存在価値の分からない部活の方が多い。事実、王道系以外の部活の8割方は存在価値の分からない部活だ。パンフレットいわく、生徒の自主性を重んじて.....らしいがそれにしても多すぎる。
『今んとこは無いかな、部活という時間に縛られるほど安い人間じゃないんでね』
『何言ってんだバカ』
『バカとは失礼な』
あんな風には言ったけど部活はかなり気になっているところ。
掃いて余るほど部活があるなら自分に合ったやつもきっと見つかるに違いない。
『ところで澪逹は何するの?』
『私はとりあえず回ってからにするわ』
『.....私はガスストー部』
『『『....え?マジ?』』』
『.....そこにいるだけで部活に所属していたっていう内申点がもらえるなら安い』
何か意外すぎて言葉が出てこない....
『ほら純一なにボーッとしてるの着いたわよ』
ふと気がつくと僕達一行はもう校門の目の前にいた。校門の向こう側にはレトロでお洒落な校舎が見える。3年間ここに通うという事を考えると自然と脈を打つ速度が速くなってきているのが分かる。
『さてと、では最初はみんなで一緒に入りますか』
『あら、最初はみんなで入るなんて純一にしては洒落た事言うじゃない』
『これも高校に入ったらやりたかった事の1つだからね。じゃあみんな行くよ?せーのっ』
僕の掛け声を皮切りに高校の土地に足を踏み入れる4人。僕は屋上で昼飯を食べる、陽介はサッカーで一番を獲るという風に各個人それぞれ色んな夢や目標、希望を持って入学していく。しかしどんな平和な日常にもいずれ「運命」という決して抗うことの出来ない嵐がやってきて夢や希望を簡単に蹴散らしていく。
その嵐が入学早々僕達4人を荒らしていくなどまだ誰も知る由がなかった。
ども!アメ車好きの提督です!
これがデビュー作です!
深夜のテンションで作ったので馬鹿らしいですがいろいろコメントしていただくと幸いです!