Road to ポケモンマスター ~カントー地方編~ 作:鍋奉行Lv5
しかし、いまだ試合は終わらない
激闘を制するのはっ…
その頃…トキワの森上空
ワタルのカイリューに乗り、トキワシティを目指すグリーン
グリーン
「だけどワタルさん、サカキがジムリーダーって一体…?」
ワタル
「そうだね…。サカキがジムリーダーになったはっきりとした時期は僕も分からない。
実際ジムリーダーであったことが発覚したのも最近だったんだ。
グリーン君はジムリーダーになるのが夢だから教えておくけど、ジムリーダーになるにはポケモン協会のジム本部に公認及び登録されなければならない。
もちろん、その街…ジムの順番に見あった実力が無いと認められないけどね。
そして、ジムリーダーは1年に1回、更新手続きがあるんだ。
だけど…トキワのジムリーダーはここ3年間更新が無かった…。
さすがに怪しいと踏んだ僕は1人ジム本部に潜り込み、そこで知ったのは情報の書き換え。
ロケット団はジム本部にまでスパイを送り込んでいたんだ。
そして前ジムリーダーはちょうど3年前に亡くなっていた…。
サカキは、仮にロケット団に未曾有の事態が起きてもいいように第二の隠れ家を用意していたんだ。それも人目につかない場所ではなく、敢えてジムを選んだという逆転の発想に誰も気づくことができなかった!」
グリーン
「…っ!!そう言えば、俺とレッドが旅を始めた最初の頃、トキワシティを訪れた時には既にジムは閉まってました!」
ワタル
「ここまで欺かれると、サカキの思うつぼって感じだよね!
だけど…もう逃げ場はないっ!!
さっきトキワシティの方で起きた爆発も気がかりだ…急ごう!!」
降りしきる雨の中、屋外でのジム戦
レッドとサカキの熱はさらにヒートアップしていた
レッド
「ゴースト、【催眠術】!」
サカキ
「眠らせてから攻撃しようなどと、つまらんわっ…!
そんなものは気合いで、いくらでも破ってやるわ!!
……はあっっっ!!」
サイドン
「!!!」
サイドンはサカキの声で自らの脳を起こし、眠気を弾く
レッド
「そんなっ!ならば【サイコキネシス】でどうだ!!」
サカキ
「やつの目を直視するな、術にかかってしまうぞ!!
ゴーストタイプならばサイドンの角攻撃はほとんど効かない…か。
ならば天候を逆手にとってやる…、雨で電気タイプの技は上昇する!
サイドン、【10万ボルト】だ!」
【10万ボルト】を雨雲に撃ち、周りの電力を呼び込む
そして、落雷が向かう先は…ゴースト!!
ゴースト
「!」
ゴーストの体に雷が落ち、倒れてしまう
レッド
「ゴースト!…ちっ、やるじゃあねぇか。」
サカキ
「ここまで楽しいバトルは本当に久しぶりだぞ!?
残すはサイドン対フシギソウか…、これで全てに決着がつく。
ポケモンバトルの答えはシンプルな事よ、最後に立ってた方が勝ちだ!!」
レッド
「ああっ、疲れて今にも倒れそうなのに、不思議と立っていられる…、何でだろうなぁ。」
オーキド
「(2人の戦い…敵同士なのに笑っておる!)」
そこへグリーンとワタルも到着する
グリーン
「レッドっ!!」
しかし、レッドは振り向かない
再び呼ぼうとするグリーンをワタルが止め、首を横に振る
ワタル
「恐らく、レッド君とサカキには声が届かない。
2人だけの世界で戦っているんだよ。
その研ぎ澄まされた集中力に横入りすることは決してできない!
それほどに真剣なんだ…、そうでしょうオーキド博士?」
オーキド
「うむ、彼らは残す1匹に全てを懸けている!!
それをワシらが邪魔してはならん。
それが例え元、大悪党だったとしても…じゃ。」
グリーン
「(レッド…。)」
レッド
「行くぞ、フシギソウ…【蔓のムチ】っ!!」
サカキ
「【捨て身タックル】!」
ムチを凪ぎ払いながら、相性を顧みず突進してくるサイドン
しかし、レッドにとってはチャンスだった
レッド
「ムチで足を捕らえろ、迫ってきた所で当たらなきゃ恐くないぜっ!」
サカキ
「こちらからいけないのなら、そっちに来てもらうまで!
サイドン、ムチを手繰り寄せろ。【角で突く】だ!!」
フシギソウ
「!?」
勢いよく引っ張られ、待っているのはサイドンの角
このままでは串刺しになってしまう
レッド
「させるかぁっ、【リフレクター】でガードしろ!」
【角で突く】を守り抜き、気の抜けない両者
一進一退の攻防…この均衡を先に崩すのは!?
レッド
「【葉っぱカッター】の乱れ撃ちだぁっ!」
サカキ
「【大文字】で燃やせ!」
【葉っぱカッター】を燃やすも、雨のせいでサカキが期待していた以上の火力が出ない
レッド
「へっ、残念だったな!!
ましてや地面タイプのサイドンだ…、炎タイプの技を120%に引き出せる事も難しいだろ!?…【毒の粉】っ!」
しかし、フシギソウの撒き散らす【毒の粉】もまた雨で流され、サイドンに付着しない
サカキ
「ハハッ、条件は同じみたいだなっ!?
よし、これで決めようか…【角ドリル】!!」
レッド
「!!」
その、おぞましい回転音にそこにいた全員が脅威を感じた
ウプシロン
「ついに…サカキ様が人前であまり見せることのない、あの技をっ!!」
ワタル
「いけないっ、逃げろレッド君!
その技は、かつてポケモンがポケモンを殺してしまったと云われ、禁止にもなった技だ!!」
サカキ「そのルーツはロケット団の開発にあるのだよ!
研究に研究を重ね、単なる技も高性能なものへと形を変えた。」
ウプシロン
「(あの技を使うということは…サカキ様もかなり追い込まれているというのですね。)」
レッド
「【蔓のムチ】で地面を弾けっ!!」
フシギソウは宙に舞い、何とか逃れる
サイドンが突いた【角ドリル】の跡には無駄がなく、綺麗な穿孔が1つ空いていた
グリーン
「あ…、あんなの喰らったら…!!」
レッド
「(どうしたらいい。あんなの近づけねぇよ…!)」
そんな中、雨が次第に止み、雨雲も晴れていく
サカキ
「さて、もう1度だ。次は外さんっ。」
レッド
「ここで無茶をすれば…!もし当たったりなんかしたら…!!」
レッドはフシギダネが戦闘恐怖症になってしまった時の事が頭に過った
レッド
「駄目だ…やれねぇ。」
グリーン
「おらぁっっ、レッドぉっっ!!
何顔下げてんだよ!何を迷ってるんだっ、最後のジム戦じゃねぇのか!
後1歩…たった1歩だぞ!?
お前なら這ってでもその1歩を越えようとするだろうがっ!!!
迷ってる暇があるんなら撃てよ…撃っちまえよぉっ!!」
レッド
「グリーン…?いつから…。」
サカキ
「おや、グリーン君、悪いが今はこの勝負に水をささないでくれるかい?
君はレッド君の後で…」
その時、雲が消え太陽がトキワシティに日を照らし出す
レッド
「やっぱ、いつも後押ししてくれるのはグリーン、お前だな。
お前の声…届いたぜ!!
フシギソウ、今まで隠れてた太陽の光、全部お前が吸収しちまえ!
【成長】からの…【ソーラービーム】だっ!!!」
サカキ
「今さら遅いわっ、最高の戦いだったぞ!!
サイドン…【角ドリル】!!」
発射された【ソーラービーム】はサイドンに直射され、堪えるサイドン
サカキ
「ふはははははっ!悔いは…無かったぞぉっ!!!」
サイドンは弾き飛ばされてしまった
そして、今ここに勝者が1人
立っていたのはフシギソウ、そしてトレーナーの名は…レッド!!