Road to ポケモンマスター ~カントー地方編~ 作:鍋奉行Lv5
トキワジム…勝者はレッド
レッド
「やった…俺が、勝った。夢じゃねぇ…、俺の勝ちだぁぁっっ!!」
レッドは感極まって涙を流す
それを眺めるグリーン
グリーン
「(レッド…、お前って奴は!
本当は俺が決着つけたかったところだけど、ここは素直にあいつの勝ちに喜ばねぇとな!!)」
膝から崩れ落ち、泣きじゃくるレッドにサカキが寄ってくる
ウプシロン
「サカキ様…?」
サカキ
「これぞ完全燃焼というものか…。頭の中が真っ白な気分だ。
…仁義は通すつもりだ潔く退くとする。
これが最後のジムバッジのグリーンバッジだ。
これにて君達の前に現れるのも最後となるな…。
私は公認のジムリーダーではない…、肩の荷も全て降りたし、宛のない旅に出るとしよう。
私はロケット団のボスであった事、内にあるもの全てを出しきり戦い抜いた事に"生"を感じたよ。
それを100%に引き出してくれたレッド君、グリーン君に感謝しよう。
そして…ウプシロンっ!!」
ウプシロン
「っ!?」
サカキ
「終いまで私なんかについてきてくれて…ありがとう。
もう私の後ろを追ってくるんじゃねぇぞ?」
そう言い残し、サカキは去っていった
去り際のサカキの背はなぜだろうか、不思議と温かく感じた
ウプシロン
「サカキ様…。
おいっ、お前ら!!お前らにはサカキ様の全てを話すっ!
いや、話さなければならないんだっ…、ロケット団の創立から始まるサカキ様の過去と…本当の姿を!!」
グリーン
「本当の…姿?」
ウプシロン
「サカキ様は幼少の頃に両親の離婚から、親権を母親が手にし、母子家庭で育てられてきた。
サカキ様と母親は貧しかったにも関わらず、ポケモンへの愛だけは絶やさなかった…。
それは闘いにも影響し、サカキ様の類いまれないポケモンバトルの才能は幼少の頃に開花した。そこで、その力をどこかで活用できないかと考え、
そして母親が立ちあげたのが'ロケット団'だった!」
レッド&グリーン
「!?」
ウプシロン
「創設した当初は慈善活動の一環として警察の援助を行い、危険な事件を解決に至るまでに導く功績をあげたりもしていた。
だが…、ある事件をきっかけにサカキ様は大きく人格を変えてしまった。」
ワタル
「…ある事件だって?」
ウプシロン
「警察が、サカキ様の母親を誤射してしまったんだ。
あの事件は、凶悪な連続ポケモン殺害犯を警察とロケット団が追っていた時のこと…。
待ち伏せをしていた女性を、新人の警察官が犯人と勘違いし、誤射…。
弾は運悪く、心臓を貫通していった。
その女性こそ、サカキ様の母親だったんだ!
しかも、警察はその事態を何事も無かったかのように揉み消した。」
この警察側の対応に1人残され、怒りを抑えきれなくなってしまったサカキ様はわずか18の年にして、その新人警察官が勤務する警察署を破壊した。
そこから、サカキ様が2代目ボスとなりロケット団は路線を変更…、凶悪な組織へと変貌していった!!
やがて、サカキ様のその目は全国支配に向けられ、その為の団員や強いポケモン、道具をかき集めるために動いた。
…そして新たなロケット団が完成した。」
ワタル
「サカキにそんな過去があったなんてね…。」
ウプシロン
「だけどっ…!!これだけは勘違いしないでくれ!!
サカキ様はただ横暴な人じゃないんだっ!!
あの方こそ、ポケモンの理解者だと俺は思っている!」
グリーン
「どういうことだ…?」
ウプシロン
「実際に戦ったレッド、グリーンなら特に分かって欲しい…。
レッドっ、サカキ様が何故今回のジム戦で最強であるはずのガルーラを出さなかったか分かるかっ!?」
レッド
「…いや?」
ウプシロン
「ガルーラは、前回のグリーンとの戦いで【連続パンチ】を多用しすぎて、その腕はもう使い物にならなくなってしまった…。
だから、今回のお前らとの戦いにも出すつもりでいたはずなのに…、出せなかった。
いや…、出してあげれなかったんだ。
それは、サカキ様の心の奥底にあった幼少の時のポケモンへの愛が消えてなかった証拠だっ。
鬼のような人だけど、単に仮面を被ってただけなんだ…あの方は。」
オーキド
「まったく…、本当に掴めん奴じゃのう。」
ウプシロン
「もう語る事はねぇ。
全て終わったんだ…、お前らがサカキ様をどう思おうが勝手だけどな。」
ウプシロンも、トキワシティを後にしようとする
レッド
「…ウプシロン?」
ウプシロン
「サカキ様は探すなと言われた。
だけど、俺の永遠の憧れであることは変わらねぇよ。
だから俺は俺なりに、見えないけどもサカキ様を越えれるトレーナーになってやる!
ってことだから、へっ…、あばよ!!」
レッド
「寂しくなったらいつでも会ってやるからなぁっ!!」
片手を挙げて返事をするウプシロンはトキワの森に消えていった
サカキの知られざる過去
老いたる馬は道を忘れず…と言うが、仮面を被っていた1人の男もまた、道を忘れてはいなかったのである…