Road to ポケモンマスター ~カントー地方編~ 作:鍋奉行Lv5
突きつけられた現実…無情な四天王を前にして、ただ呆然とするしかなかった
レッドは一言も発しないまま、静寂な夜の町を抜けマサラタウンに着いた
玄関の扉を開けるとクラッカーが鳴り、母ちゃんが出迎えてくれた
レッドの母
「お帰り~、レッドっ!!
テレビで観てたわよ、あんたの闘い。
1年ぐらい連絡してくれなかったから、ずぅーっと心配してたのよ!?」
レッド
「心配性だなぁ、この年になって電話とか…恥ずかしいだろ?
それに、男子なんだから多少の諸事情ができた所でいちいち親に連絡はしないってば!!」
母
「そう?あんたの口から直接聞けて安心したわ。
ほらほら、服も洗ってないんでしょ、洗濯機に入れて着替えてきなさい!?
食事にしましょ。今日は腕によりをかけて作ったのっ!!
あんたの大好物のラッキーの卵から作ったスクランブルエッグ!ご飯は大盛りでいいわね!?」
レッド
「おう!!」
レッドはすぐに服を脱いで洗濯機に入れる
その時、パサッと何かが落ちたのに気づいた
それは、レッド14歳の日に貰った父からの手紙
レッド
「これは…親父からの手紙。
そういやぁ、親父まだ帰ってきてないんだな。
息子が、大会優賞して自慢でもしてやろうかと思ったのに…。」
もう一度、手紙に目を通すレッド
レッド
「(ポケモンリーグを制覇できるくらいになったら、顔を出す…かぁ。
結局嘘っぱちかよ!そうだよな、親父の顔すら見たことねぇのに、何期待しちゃってんだろなぁ俺。)」
母
「早くしないと料理冷めちゃうわよぉ~?」
レッドはポケットに手紙を"グシャッ"としまいこんで、食卓に向かった
それから、大会の話…俺のここ1年の激闘録を嫌っていう程、母ちゃんに喋ってあげた
食卓で、2人は声をあげて笑い合った
母
「そう、グリーン君はジムリーダーになったんだ~。
賢いし、礼儀正しいし、それに…男前だしねっ!!」
レッド
「男前って…お、俺だって女子から告白されてるしぃー!」
母
「え~!?誰誰~、どんな子よぉ?」
レッド
「そんなのはどうだっていいだろー?
…それよりさ、親父っていつ帰ってくるんだ?俺、生まれてから一度も会ったことないしさ、どんな人かも知らないし詳しく教えてくれよ!?」
母
「う~ん、どんな人って言われてもねぇ。
第一印象は、だらしなくて弱々しい感じだったんだけど、あの人ってば私が他の男にナンパされた時さ、ポケモン勝負を挑んであっさり勝っちゃうわけ!!
あの人の胸に寄り添った時、凄く温かくて…そこに惚れちゃったのよ~っ!!」
レッド
「なるほど…ね。
で?今どこにいるんだ?」
母
「さぁ?」
レッド
「さぁ?って!!
旦那だろ、それこそ心配じゃないのかよ!?」
母
「うんっ、私はあの人の事信じてるし…!!」
レッド
「親父も親父なら、母ちゃんも母ちゃんだよな。
ま、いいよ。俺、明日も大事な用があるし、今日は早めに寝るよ!おやすみ!!」
母
「あっ、思い出した!あんたに手紙届いてたわよ?」
レッド
「俺に…?差出人は書かれてないな。」
レッドはその夜、ベッドの上で手紙を読んだ
ーーー
「レッド様へ…
セキエイ大会優賞、おめでとうございます。
あなたは誰もが認めたポケモントレーナーです!残すは四天王のみ…、彼等を倒せばカントーであなたの右にでる者はいなくなる。
明日の夜、人生最大の選択をしなければならない事を私は知っている。
その前にあなたと話しがしたい。
明日の明朝、1人でセキエイ大会の会場であるスタジアムに来てください!」
レッド
「(明日の明朝…、一体誰なんだ?)」
戸惑いながらも、その日は流石のレッドも連戦で疲労困憊だったのだろう
夜の窓から溢れる微かな月の光を浴びながら、ぐっすりと眠りについた
そして、手紙に記された明朝…まだ朝5時も過ぎていないくらいにレッドはスタジアムに1人来ていた
カントーの朝はやけに静かで、足音だけが異常に大きく聞こえる
そして対面の選手入場口から聴こえてくるもう1つの足音…いや、2人いる!!
レッド
「えっ、どうしてあなた達が!?」
そこにはオーキド博士とワタルの姿があった
ワタル
「おはよう、レッド君!こんな朝早くからごめんね。
君を呼び出したのは…僕だ!!」
どうして、博士とワタルが!?
あまりの驚きと困惑に、眠気が覚めるレッド
一体、どういう訳なのか…!?