東方裁縫録   作:甘夏缶詰

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第十話:夢幻世界と眠り姫

「わあ、美味しい!ねえ時雨、これなあに!?」

 

幻月が指さしたのは銀杏の実。今は恐竜達の徘徊するジュラ紀である。

 

ちょっと前にシダ状の植物が生えたことにより、初めて結界の外にも森林が出来た。その時には水辺に珊瑚などがいて綺麗だったのだが、寒くなったと思ったらあっという間に絶滅してしまった。

 

海面が低くなったりもしていたので、大方あれはデボン紀だったのだろう。

 

それを考えると、自分の時間感覚が人間のものからずれてきているのを切実に感じるし、同時に幻月達と永く一緒にいるんだなあ、としみじみしてしまう。

 

幻月達も永くいるうちに私に姉妹二人だけで居る時のように打ち解けた話し方をしてくれるようになった。

 

「それは銀杏の実だよ。焼いたりしても美味しいんだよねー。」

 

「時雨って割と何でも知ってるよね。」

 

「まあ、ね。長生きだし?」

 

「それは私達も。」

 

「そうだった。」

 

お互いにおちゃらけた話をしていると、急に二人が真面目な顔になった。

 

「ねえ、時雨って、人間なのよね?」

 

「うん。どうしたの?」

 

「だったら人間のこと、分かるわよね。うん。時雨は物知りだもの。」

 

いきなり人間がどうこう言い出した幻月に驚く。

 

「本当にどうしたの?幻月。」

 

「あのね、助けあげて欲しい子がいるの。」

 

 

▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時雨、来るのは初めてよね?」

 

「うん。何時も二人がこっちに来てくれてたし。」

 

「なら前に言ったと思うけど改めて紹介するわ。ここが私達の世界、夢幻世界よ。」

 

そう紹介された世界は上下の感覚が無くなりそうなほど宇宙のような神秘的な光景が永遠と続いていた。

 

「酔いそう・・・・」

 

「異世界酔いってあるのかしらね。」

 

私がふと呟くと、夢月がそれに反応して考え出す。

 

「ここが夢幻館。ここに助けてあげて欲しい子がいるのよ。」

 

「本当に人間なの?」

 

「ええ。昔、夢月が拾ってきたんだもの。間違いないわ。」

 

人間ならもう生きていないと思うのだが、あまりそこには突っ込まずにおいておく。

 

大きな館に着くと幻月達が地面に降りたので、私も続いて降りる。

幻月によると、ここはゲームでの夢幻館なのだと言う。

 

「さあ、この部屋よ。」

 

廊下を進み、突き当たりの大きな扉を開けた幻月。

 

そこには、

 

 

 

「は・・・・・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

ネグリジェ姿で眠り続ける、風見 幽香がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

「どうしたの?」

 

「な、なんでもない。」

 

私は同様のあまり声を出してしまったのを誤魔化す。

 

幽香が人間というだけでも驚きだがまだそれはいい。前世で人間説なんてものもあった気がするし。

 

だが問題はなぜ幽香が今生きているのかということだ。いくらなんでも早すぎるだろう。

 

 

「あ、この子は幽香ちゃんていうの。そっちの世界が焦地になる前にね、夢月が連れてきて、それから飼ってるんだけど、最近あんまり起きてこなくなっちゃって。ここずっと眠り続けてるの。」

 

「寿命じゃ・・・・?」

 

「ううん。生きてるし、この世界じゃ年はとらないわ。」

 

当たり前のように言ってのける幻月。

 

「可愛い子だと思わない?」

 

 

そう言うと、幻月と夢月は悪戯の成功した子供のように笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




睡魔のせいで変になった。
あとキリ悪い。

ついでに二人は純粋に幽香のことを“愛玩動物”として可愛がっている。

悪魔にとって普通の人間は羽虫以下、可愛くて力のそこそこある子はペット扱いなんですね。分かります。

まさに悪魔(`・ω・´)

あとUA1000越えました!
お気に入りも38件になっていて、小躍りしてたらタンスのかどで小指を綺麗に打ちました。
皆様のお陰です!本当に有り難うございます。
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