それからしばらくして、人間が生まれた。
するとそれに伴って人間は闇を恐れ、恐怖から妖怪、霊の類が生まれていく。
私も人間が神社を作れる程の技術に達したのを目処に、山の結界を解いた。
結界を緩めるのでなく完全に解いた事で、山には以前とは違って妖怪も住むようになっていた。
だが、山の妖怪が参拝客を襲うと信仰も、お賽銭も手に入らない。そこで、私は山に住み着いた妖怪を片っ端から倒して回り、住む代わりにある条件を守るように言いつけてある。
その条件は、
・妖怪は参道に立ち入らぬこと。
・参道を通る者を襲わぬこと。
・決められた場所以外に住まぬこと。
・何かあれば直ぐ様私に知らせること。
の四つである。
別に人間を襲うななんて無茶なことは言わない。妖怪は人間の恐怖心がなければ死んでしまうのだから。
勿論破った者には肉体言語での”O HA NA SI ☆”が待っているので今のところ破った者はいない。
まあ簡単に言えば、その条件があっても住みたいと思う妖怪達が大勢いるくらいには、私の山は魅力的なのだ。人里が近くて人間を襲いに行きやすいというのもあるが。
「や、や、山神様!!」
今日もいつもと変わらず縁側でお茶を啜っていると、慌てた妖怪の声が耳に入る。
「どした~?」
「お、鬼共がいきなり麓にやってきて、こ、この山を明け渡せと・・・・・・・」
勿論、現在そうであるように集団で山を明け渡せと妖怪たちが襲ってくることも稀だが、あることにはある。
元々妖怪というのは団結や協力という事柄が苦手なのだ。出来るのは天狗や鬼などの仲間意識の強い種族のみであるが。
「この前みたいにはいかなそうだね・・・・・じゃ、今回は私が出るよ。」
「本当ですか!?」
前回は仲間意識は強いものの、あまり力が強く無い妖怪だったため山の妖怪たちにお願い(という名の脅迫)をして倒して貰ったが今回は天下に名高い”鬼”だ。そうはいかないだろう。
「うん。鬼の奴らに頭同士の一騎打ちを提案してきてくれる?」
「は、はい!」
慌てて去っていく妖怪の後姿を見ながら私は戦いへの英気を養う。あの真剣勝負を求める鬼が一騎打ちという好条件を断る筈がない。
「さ、久しぶりに戦いますか。」
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「鬼の皆様、わざわざ遥々遠方からいらっしゃられて、私ども一同、歓迎しております。」
私が恭しく膝を折ると、鬼の大将らしき女鬼は、場馴れしなさそうに苦笑いする。
「いいよいいよ。堅苦しいのは私、どうにも苦手でね。」
「そうですか。なら私も気にしなくて良いですか?」
「いいとも。」
相手からの了承を貰ったことで、私は態度と口調を崩す。
「なら言わせてもらいますね。・・・・何勝手に人の山入って明け渡せとか言ってんじゃボケが。礼儀弁えろやクズ!」
「ははっ!良いね!!それでこそ戦いの前って雰囲気が出るもんだ!!!」
乱暴に衝動的な嫌味を吐き捨てると、女鬼の目が血をを求める飢えた狼のように鋭くなる。
「私は鬼神だ!!山神さんよ!あとは拳で語り合おうじゃないかい!!」
「言わずともそのつもりだよ?」
戦いの幕は、静かに開いた。
次、初めて戦闘するような気が・・・・・
戦闘描写は上手くないので期待しないで下さい。
あと、ノート捨てられたんで、思いっきり更新ペース落ちます。