「山神様、我らの永遠なる栄光の為、我々に貴殿の御加護をお与えください。」
今、私は神社の中にいる。
本当なら今は永琳達と世間話をしている筈の時間帯なのだが、綿月家の神卸の儀式だなんだで御三家の頭首を始めとし、重要家の頭首達が揃いも揃って祈祷をしに来ているのだ。
その列の中には、永琳や小兎姫の姿も見える。
『我に願うか、定命の者よ。お主らの望みは何だ?』
出来るだけ威厳の籠った声で言う。ここで舐められてはいけないのだ。
「は、はい。我らは新たなる栄光への道を進むため月へ向かうのです。その間、我らをお守り頂けないでしょうか。」
少し萎縮しながらも確実に内容を告げる綿月家の者。神に愛されているとは名ばかりではないようで、本当に神力に何かしらの免疫があるようだ。
『そうか、良いだろう。それくらい容易いことだ。』
今回の私の目的はアイツらに一泡吹かせる事でなく、アイツらから貰える信仰をしっかり頂くこと。
アイツらは例え神でもあろうとも、人間以外を月面に連れていく気は更々無い。持ち込む穢れは出来るだけ少なくしたいのであろう。
アイツらが月面に移動してからも神力を保つ為には、月面移住の際に何かしら大きな話になるよう、物語のように格好良く人間を助けなければならない。月人は不老不死ではないものの永く生きる。今のアイツらに私に対する信仰心を植え付けておけば、きっと地上に次の人類が生まれるまで私の神力は持つはずだ。
月面移住の日は、もう近い。
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そして、月面移住の為のロケット発射当日。
一発目のロケットが出てすぐに、妖怪達は襲ってきた。
人間が地上から居なくなれば人間の恐怖心から生まれた存在である妖怪達は死んでしまうのだ。必死になるのも当然と言えよう。
二発目、三発目と発射本数を重ねるごとに、それと比例するように妖怪達も増えていき、最初は優勢だった人間の守護兵達も徐々に押され気味になっていく。
「待って!!まだ隆次が戦っているの!!」
「暴れないで下さい!!次のロケットがあります!!」
「嗚呼、山神様・・・私の息子をお救い下さい・・」
「おい!もうこれ以上抑えられないぞ!!」
「ま、待ってくれ!!俺もそれに乗せてくれぇ!!」
大勢の妖怪達が押し掛け、ギリギリという所で最後から二番目のロケットが出発し、残るは最後の一発のみとなった。
しかし、
「くそ!倒しても倒してもキリがねぇ!!」
「おい!!ロケットの方に一匹行ったぞ!!」
「そうか・・・上の奴らは元々俺らをここで使い潰す気で・・・・・」
妖怪達は最後の人間だけでも逃すものかと必死に攻撃してくるのに対し、兵士達は自らが最初から見捨てられていたと言う事実をつきつけられたうえ、長く続く戦闘のせいで、心も体も満身創意であった。
「ここで、死にたくねぇよ・・・・・」
「神様、助けてくれ・・・」
ポツリと漏れた誰かの弱音。
それを川切りにしたかのように次々と兵士達の口からは弱音や怨み言、そして神への祈りが溢れる。
そんな中、一人の兵士が光線銃を取り落とした。
「あ・・・・」
その兵士と戦っていた妖怪は、ここぞとばかりにその兵士に牙を剥き・・・・・・・・
「ギシャアアアアアアアッ!!!」
まるで地面に“縫い付けられた”かのようにピタリと動きを止めて、そのまま地に伏した。
「え・・・・?」
混乱と一時の安堵の中その兵士がおそるおそる顔を上げる。するとそこには、
「良く頑張ったね。君たちの努力は、祈りは、神に届いたよ。」
神々しさを纏い、少女の体には似合わない膨大な力を宿しているであろう、
ーーーーーーーーーー女神、であった。
厨二臭い文章になった。
テンプレっぽいね。いや、目指すだけでぶっ壊しまくるとは言ってないしね。いいよね。