魔法少女まどか☆マギカ -奇跡の切り札-   作:歌音

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願い続ける理想(ユメ)はいつも絶望に彩られる。

心の剣は砕き折れ、希望は輝きを失う。

想いは摩耗し、擦り切れる。

彼女はもう…終わりかけていた。



それでも彼女は願い続ける。

大切なトモダチの笑顔を…護りたいと…




願い続けたからこそ彼女は『JOKER(切り札)』を引き当てた。

例えそれが、『運命』すらハシにもかけない偶然でも、小さな偶然でも彼女の『願い』は『運命』をねじ曲げるという『奇跡』を起こすことができたのだ。



その『JOKER(切り札)』は彼女達を『未来(ただしいいばしょ)』に導くだろう。



『未来』…悲しみが終わる場所に…



序章/それは本当に偶然の『奇跡』…

 

 

 

 

「また…なの…」

少女、『暁美ほむら』は『戻ってきた』直後、膝をついた。

 

 

 

 

これで一体何度目だろう。

 

たった一人…自分の世界を全て変えてくれた人を救えなかったのは…

 

何度、彼女に嫌われただろう。

 

何度、彼女と仲直りしただろう。

 

何度、彼女と一緒に戦っただろう。

 

何度、彼女の最期を…

 

 

 

- 絶望は何どもループされる -

 

 

 

それでも決めたのだ。

 

弱音も…涙も…

 

「二度としないんだから…」

 

ボロボロの心で彼女は再び立ち上がった。

 

 

 

そんな彼女を…運命は占うように、嗤っていた。

 

 

 

 

 

 

ほむらは街を歩く。

 

決意を新たに、

 

力強く。

 

(今度こそ、まどかを助けてみせる。私は…何度でも強くなる!)

 

脳裏に『トモダチ』の最後が浮かぶ。

 

それはほんの一瞬…でも、彼女の頭は真っ白になり、

 

「おわっ!」

 

「きゃっ!」

 

目の前を歩いている黒いスーツの男とぶつかってしまった。

 

どうやら男性の方も油断していたらしく、ほむらの歩く勢いもあって、互いに尻餅をついてしまっていた。

 

「いてててっ…」

 

「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事をしてて…大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫。俺もゴメンな。まさかぶつかるとは…」

 

男は素早く立ち上がり、ほむらに近づいて、手を伸ばす。

 

ほむらは笑顔で近づいてくる男性に怪しまれないように、何事もないような顔でで手を出す。

 

「…君…」

 

男性は少し驚いた顔をして、ほむらをゆっくり起こす。

 

そこで、ほむらは少し男性を訝しみ、

 

「…私の顔に何か付いているのかしら?」

 

男性のその真剣な瞳に、ほむらは問う。

 

「いや、その…何があったんだい?」

 

「え…」

 

それは予想もつかない不意打ちだった。

 

「だって君…」

 

 

 

 

 

「今にも辛くて…泣きそうな顔してるじゃないか」

 

 

 

 

 

男の言葉を聞いた瞬間、ほむらは逃げるように走っていた。

 

今まで誰にも言われなかった言葉…彼女の鎧を砕く言葉…

 

自然と涙が目から溢れる。

 

今まで耐えてたものが、溢れだす。

 

人が誰もいない場所に来た彼女は、ただ、

 

 

「誰か…助けてよ…」

 

『彼女』を…

 

自分を…

 

こんなにも辛くて、苦しくて、怖いのに誰も…

 

「おねがい…だからぁ…」

 

 

少女は、しばらくその場で弱音を吐き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

女子中学生に泣きながら逃げられた男は頬をポリポリかく。

 

「はぁ…またやっちゃったか…」

 

男は落ち込むが、すぐに前をむいて、

 

「この街は通り過ぎるだけにしとこうと思ったけど、気になることができたな。『ディケイド』の件も片付いたし…よし、少し調べてみるか」

 

 

 

 

 

 

これは彼女が『切り札』を引いき、運命が嗤うのを止めた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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