「…やっぱり、何かおかしいな」
数日前、ほむらとぶつかった黒スーツの男…『剣崎一真』は調べ上げた資料をまとめて、そう感じた。
(自殺者の数が多すぎる。後、命に別状がないのに死んでいる病人や怪我人も…それに、この『妙な力の後』もだ)
剣崎は気配を消しながら、『力の後』を道にして辿る。
路地裏に入り、後を追おうとすると、
「!?」
突然妙な物体が、剣崎を阻んだ。
「な、なんだこれ」
剣崎を阻んだのは妙な『毛玉』だった。生意気にもカイゼル髭を生やしている。
それが約数体。
「この先に何かいるのか…てっっ!?」
やはり、そのカイゼル毛玉達は剣崎に襲いかかってきた。
「くそ、はっ!」
ドゴォッ!
剣崎は最初の一体を『人間離れした力』で、壁に叩きつけた。
「ふっ!やっ!」
次々とカイゼル毛玉を撃破していき、1分もしないうちに、全てを撃破した。
「こいつらはあまり大した力は持ってないな」
剣崎はそのまま『力』の道筋を走る。
(こいつらには親玉いるのか?いったいなん…!?)
剣崎は別の意味で驚かされる。
なんとこんなところに女の子達がいたのだ。
年頃は中学生ぐらいで、3人で何か喋っている。
(力の跡は…反対側か。でも何が起こるかわからな)
「君達、こんなところで何してるんだ?」
剣崎は少女達に近づいて、声をかける。
「えっ!?」
「きゃっ!?」
「今度は何!?イケメン兄ちゃん!」
少女達はそれぞれ驚く。
「こんなところにいたら危ないよ。もう暗くなってるし」
「えっ、と。実はかわいい猫を追いかけてたら、夢中になってましまいまして。もう帰りますので」
どうやら他の二人より年上らしい少女が剣崎に説明する。
「猫か…まあ」
剣崎は一人の少女が持っていた『ぬいぐるみ』をなでなでする。
「女の子は可愛いものが好きだからな」
「え、ええ。そうなんです」
少女が声がどこかひきつっている。
「じゃあ、俺はこれで。気をつけて帰るんだよ」
そういって、剣崎は『力の跡』を追った。
「『キュゥべえ』…」
「うん…あの男。僕のこと…」
『ぬいぐるみ』は剣崎の後を見て、
(魔女の気配も分かっている。何者なんだ?)
「辿ってきたら…これか」
工事中のビルの中に入った剣崎は入ってすぐにさっきの妙なのに似た奴らに襲われた。
先程と似た姿だが、蝶のような羽をもつ持ってる上、人間大の個体と、集団で蔦に変身し相手を絡め捕る小型の個体がいるので厄介だ。
しかし、
「まだ、この『姿』でも勝てる」
と、毛玉達を物ともせず、撃破しながら、奥に進んでいった。
(あの男…何者なの)
ほむらは『使い魔』を素手で撃破していく黒スーツの男を隠れて追いながら見ていた。
(的確に魔女の気配を感じ追っている。『今まで』あんな男は存在…)
ここでほむらは思い出す。
あの道で『人にぶつかったのも初めてだった』事を…
(あれが…何かを変えたの…まさかね)
ほむらは気を取り直して男を追った。
「ここか…」
剣崎が力の元を感じた扉をあける。
「うっ…!?」
そこにいたのは悪い冗談のようにグロテスクなものだった。
蝶の羽と、薔薇の茂みのような頭部を持っているが、全てが崩れている狂った姿。
「な、なんだこいつ…こんな化け物がいるなんて」
剣崎は化け物をにらみつける。
(なんだこいつは…『この世界』には『アンデッド』だけが存在すると思っていたけど…とりあえず、何かを起こす前に倒…)
『しん…ない…』
「えっ?」
『しんじられ…い…』
どこからか声が聞こえる。
「どこかに人がいるのか!」
剣崎は気配を探るが、どこにもいない。
「一体どこに…」
『しんじられない…しんじたくない…』
今度ははっきり声が聞きとれた。それと同時に確信する。
「まさか、『君』なのか?」
剣崎は化け物を見る。
「そんなまさか…」
『しんじたくない…うらぎられる…みんなわたしをうらぎる…きえて…きえてよ…』
化け物は剣崎に襲いかかった!
が、逆に化け物が弾き飛ばされた。
「…君がどうしてそうなったのか知らない。だけど…!」
剣崎の周りに複数のカードが飛び回る。
「大丈夫。君を…」
腰にカードの入ったバックルをつけると、宙を浮いて剣崎を守っていたカードが連なり、ベルトになる。
「助けて見せる!」
腕をあげて、剣崎は構える!
- それは、世界が『切り札』と認めたモノ達の合図 -
再び化け物が襲い来るが!
- 力を持たぬ人を、強大な『悪』から救う為、『悪』に叫ぶ宣戦布告 -
「変身!」
《Turn Up》
突如、カブトムシが刻印された蒼い障壁が現れ、化け物を再び弾き飛ばす。
障壁は剣崎に近づき、そして剣崎がその障壁をくぐった時…
そこには『戦士』がいた。
蒼をイメージする鎧、赤の複眼、カブトムシを思わせる姿。
『運命』に立ち向かい『勝利』を誓った『仮面ライダー』…『仮面ライダー剣』!
「君を…必ず!