「あれは、確か…『仮面ライダー』?」
大ベストセラーとなった『仮面ライダーという名の仮面』に出てきた『正義の味方』。
少し前に有名だった都市伝説『仮面ライダー』を題材にした小説だった。
「ただのフィクションだと思ってたのに…まさか実在したなんて…」
『仮面ライダー』は信じられないスピードと持っている『剣』で魔女と応戦している。
『…だい…ぶ…』
『きっと…みつ…』
(何かしゃべってる…独り言かしら)
もっと耳を澄まして聴くと…
「!?…まさか!魔女としゃべっている!?そんなこと、不可能よ!?」
「さてと…さあ、聞かせてくれ。君はどうしてこんな事をするんだい」
ブレイドは醒剣・ブレイラウザーを持って尋ねる。
『だれも…だれも、しんじられない!』
化け物がブレイドを襲う。
「うわっ!」
ブレイドは化け物の一撃を交わす。
「仕方ない…」
ブレイラウザーのオープントレイを開き、一枚の『トランプ』を取り出す。
描かれているのは三葉虫の絵に『♠7 METAL』…
それをブレイラウザーにスキャンする。
《METAL》
ブレイドの体が光に包まれる。
化け物が再び攻撃してくるが、硬質化したブレイドに化け物の攻撃は効果が無かった。
「これぐらいならもう効かない」
化け物は執拗に攻撃してくるが、ブレイドに傷一つつけられない。
数度化け物の攻撃を受けたブレイドは、
「どうして信じられないんだ?」
化け物の攻撃がピタッと止まる。それは…
「言ってみてくれ。話ぐらいなら聞けるから」
『…みんな…』
それは『人間』には決して聞こえぬ声…
『うらぎった…わたし…しんじたのに…』
再び化け物はブレイドを攻撃し始める。ブレイドはその攻撃を受け続ける。
『わたしが…しんじても…だれもしんじてくれない…もういや…だれもしんじられない…しんじたくない…』
「それはダメだ」
ブレイドが言う。
「俺も昔、誰かを信じても裏切られて、落ち込んだときがあったけど…その時、友達がいってくれたんだ」
『それでいいじゃない。100回人を裏切ったヤツより、100回裏切られてバカ見た人間の方が…僕は好きだな』
それはもう会う事ができない友達の言葉…
「もちろん…君は裏切られたくないかもしれな…でも、例え誰を信じられなくなっても…」
それはまったくの他人から言われる言葉…
よく言われる言葉…
しかし化け物はその言葉に動く事ができない。
だってそれは…
「自分だけは信じなきゃダメなんだ!」
『あ、ああぁぁぁぁ…』
自分を信じ続けたモノの優しい言葉だから…
『わたし…わたし…』
化け物が頭を抱えて苦しみだす。
「少しずつでいい。これからゆっくりまた信じていこう。もう誰も恨まなくても、苦しまなくてもいいんだ」
『むりよ…だって…だって…』
化け物が自分の姿を見る。
『だって…わたし…もうにんげんじゃ…』
「信じるんだ」
ブレイドは一枚のカードを取り出す。
「元に戻れるって…また人を信じたいって…他の誰でもない、君の優しい心を信じるんだ」
『もどれるの…わたし…』
「ああ…『信じて』くれ」
『わたし…私戻りたい!また人を信じたい!』
パキィィィィィンッ!
化け物の体に突如エンブレムが現れ、それが開く。
描かれているのは『W/3』。
シュンッ!
ブレイドは化け物にめがけてカードを投げた。
回転しながら、化け物に向かっていくカード…それを化け物は受け入れる。
サクッ
カードが化け物に刺さった瞬間、化け物は光になり、カードに吸い込まれていく。
完全に吸い込まれると、カードはブレイドに戻ってきた。
『★3 DISTRUST』
カードには先程の化け物の絵とスートそれを表す『不信』。
そしてブレイドは剣崎に戻り、魔女のいた場所に戻る。
そこには中学生くらいの全裸の少女と美しく光る宝石。
剣崎は自分のジャケットを少女にかぶせる。
「大丈夫…また笑顔になれるよ」
剣崎は優しく微笑み、
「さて…どうしよ…」
「あなた…」
「!?」
剣崎が声に振り向くと、そこには…
「君はこの間の…?」
「一体何者なの…『魔女』を人間に戻すなんて…」
(まただ…)
少女の顔は…
「答えなさい。仮面ライダー」
泣きそうで、何かに縋る悲しい顔だった…