藤原妹紅SIDE
今…この人間は何を言ったんだ…?私が…救われない…?
「…お前の言いたい事が分からないな,慧音.さっきの私の話を聞いた上でまだそんな世迷言をほざいてるの?」
「世迷言な物か,私は本心から妹紅が救われないと言ったんだ.…なぁ妹紅,私はな…お前が罪を償う為に己を苦しめているとは思えないよ」
私を抱き締めていた慧音は一度離れてまた言葉を紡ぎ始める.対するただ黙って彼女の話を受け入れる事にした
何故かは分からない,でも今慧音と同じ話を神様が講釈垂れたとしても私は受け入れなかっただろう.そう思わせる程慧音の言葉には重みがあった
「確かに外界では死罪も存在するし死に値する罪を犯した者には至極当然の罪状だろうな,私も死罪の在り方については反対しないよ.だが妹紅は違う,人を殺めた事も不死身も大罪だが…妹紅は…目を逸らしているだけなんじゃないか?」
「私が罪から,目を逸らす?何の為に?…償いようが無い程の罪を犯したからこそ私は今の永遠の苦しみを選んだ,そう言っただろ」
「そうだな…では妹紅は苦しんだ先に,永遠の苦しみの先に何かを得たのか?前に進めたのか?」
「っ…何かを得たり進む事が贖罪に何の関係があるんだよ.悪党の私には関係ないだろうが…!」
…あぁやっぱり.慧音は視えてるんだ,私の表層じゃない.もっともっと奥…本質を見透かしてる
成ればこそ,と妹紅の精神の中で防衛本能が働き始める.見られたくない,見透かされたくない…慧音に心の奥深くまで見透かされたら――ずっと私が逃げてきた物の重みに耐え切れず今度こそ本当に壊れてしまうから
「妹紅,悪党だから…何て関係無いんだよ…!悪党も善人も前を見て進まなきゃダメなんだ!瞳に映る物から目を逸らし苦しみ続けるだけなんて誰が望む事か!そんな贖罪じゃ誰も前に進めないし救われない!」
「だったら…!だったらどうしろってんだ!?苦しむ以外にどうやってこの無限罪を償う!?慧音には私が今まで殺めた人間に面と向かって言えるのかよ!!『お前を殺した人間はこれから前を向いて生きるから許してやってくれ』ってか!?言えないだろうが…!」
華奢な慧音の肩を軽々と突き飛ばした妹紅は両肩を抑え込んで馬乗りになる.怒り任せに襲い掛かった妹紅の瞳は微かに潤み肩は激しく上下していたが直そうともしないのは焦りの現れとも言えるだろう
(…最ッ低だな…私….こんな事で慧音に八つ当たりしてどうするんだよ…図星を突かれたからって…)
そう,端から解っていた.私が贖罪に託けて犯した罪の重さから目を背けていた事に.
初めて人を殺めてから不死となった私には有り余る程の大量の時間があった,当然僅かながらにも私にだって罪と向き合おうと思った時間はある
だが…その度に形容し難い恐怖に呑み込まれて私は廃人となった.父上が口から血を流しながらも尚腹部に刃を差し込む場面を,岩傘が崖から転げ落ち唯の肉の塊に変わった場面を脳裏に描く度に…心臓は破裂するかと思う程に早鐘を打ち脳は内側から金槌で叩かれたのかと勘違いする程に激痛が走るのだ.終いに私は襲い来る激痛と恐怖に精神を維持出来なくなり自殺を繰り返し時には周囲の妖怪や野生動物を皆殺しにした程だ
ただ自殺を選ぼうと虐殺を選ぼうとどちらを選んでも辿り着く末路は変わらない.それは『虚ろ』だ,何十回と死を重ねて疲れ果て座り込んでも死屍累々の上に腰掛けようとも―――身体を包み込む様に,締め付ける様に訪れる虚しさは何百年と不変であった事は改めて私自身が不変の蓬莱人と認識させるのには効果的だったことをよく覚えている
そんな事を続けた妹紅はある恐怖を覚えた,勿論自殺を繰り返す事や返り血で身体を染める事ではない.『贖罪』が成せない事である
妹紅の大罪を裁けるのは恐らく地獄の閻魔だけだ,然し彼女がその閻魔の元へ赴く権利は消えてしまった…否,自身で破り捨ててしまった.そうなると妹紅に遺された道は…
「妹紅の復讐を遂げる為に悪党となりそして終わらない苦しみの鎖で己を縛る…か」
「……まるで読心術みたいだな,卑怯だぞ…その能力…」
「能力じゃないさ,妹紅に聞いた話の中から推察しただけだ.…なぁ,妹紅…やっぱり私は妹紅の償い方は間違ってると思うよ,当然妹紅が犯した罪の重さも考えた上で…だ」
両肩を抑えつける妹紅の手をそっと退けた慧音は代わりに自身の手を妹紅の頬に添えた
「…もう復讐なんて止めよう,妹紅.悲しみからは悲しみしか生まれない様にそんな連鎖は誰かが断ち切らなきゃいけない…!」
「…本当に慧音は断ち切れると思ってるのか?今まで私は輝夜を一万飛んで二十九回も殺し続けた私の復讐をさ」
「出来る出来ないじゃない,やってみせる.だから妹紅…まずは前を向いて進む事から始めよう,それでもまだ妹紅が復讐による苦しみで償おうと言うのなら―――
お前のその歴史(げんそう)を喰い殺すさ」
妹紅の頬を撫でる慧音の手は紡がれる言葉とは裏腹に非常に穏やかな物であった.その度に妹紅は昂っていた心が静まり返る事に気が付く
「……そうか,そうか…やっぱりお前には適わないよ…慧音….私の歴史(げんそう)を喰い殺されるんじゃ復讐心も抱けないだろ?……たださ,やっぱりまだそんな贖罪で良いのか?って疑問も拭いきれてないんだ」
慧音に撫でられた事で落ち着いた私は先ず慧音を起き上がらせた,なまじ慧音が綺麗なだけに押し倒す様な体勢じゃ集中して話も出来やしない
「勿論慧音の意見を否定する訳じゃない,私の償い方じゃ何も生まれないのも分かってる…だから迷ってるんだよ私は.」
「そうか……ならば沢山迷うと良い,折角の縁だから私も共に迷おう.文句は無いだろう?」
「ある訳ないさ,寧ろ歓迎するよ.ただ…その前にケリを付けなきゃならない奴がいる.迷うのはそれが終わった後からだ」
そう…これから私は新たな道を探す事になるだろう,だがその為には…アイツとの,輝夜とケリを付けなきゃならない.こればかりは慧音の力を借りる訳にはいかないからな
残った桶の水を手で掬い喉を潤した妹紅は焦げ跡が目立つ登山靴に足を通し紐を結び直す……が上手く結べない.理由は言うまでもなく妹紅の指が震えていたからである
「…ははっ,らしくないな.以前なら狂喜して殺し殺されてたのにさ…」
怖い,本当に怖い.輝夜は恐らく私が殺し合いを止めると言えば激怒するだろう,その逆鱗に私は打ち勝てるのか?もし負けたら…今度の標的は慧音に変わるんじゃないか?
他にも揚げ始めればキリがない不安要素が私の脳内で渦巻く,確かになるほど…悪党が光の世界に目を向けるのは思っていた以上に難しいらしい
――――だが
「上等だな,困難無しで光を掴める程善人はやってない」
「行ってくるよ,慧音」
「あぁ…行ってこい!」
振り向けばそこには私の新たな道を示した貴女がいる.ケリをつけよう,此処を…貴女の隣を私の居場所にする為に
蓬莱山輝夜SIDE
今宵は満月,それは夜空を見上げれば分かる事.でも私は月を見る前から今夜の月の形は解っていた
「私が地上に堕とされたあの日…地球の竹林から見上げた月は欠片の無い満月だったわ.次に永琳達月の使者が私を迎えに来た日,あの日は更に綺麗な月だったのよ?そして今―――」
「今夜も満月,だからまたお前が勝つってか?笑い話にもならないな」
炭化して骨のみとなった妖怪の亡骸を踏み潰しながら現れた藤原妹紅は竹林の開けた場所の中央で月を見上げる敵―蓬莱山輝夜を見詰めていた
骨が踏み潰される乾いた音に反応した輝夜は顔を顰め口元を着物の裾で隠す.
「品が無いわね,その登場方法も…あの半人半獣に入れ込むそのザマも.妹紅は化物なりに悪党なりに流儀と美しさを兼ね備えていたはずよ」
「やっぱりあの奇襲はお前の差し金か,派手にやってくれたな?お前も悪党を気取るなら最低限の限度は守る事だ,慧音はお前が殺して良い程安い女じゃない.……私がお前との殺し合いから抜け出す事を決意させてくれ…ッ!?」
妹紅が全ての言葉を紡ぎ終えるのが早いか否か,正に刹那以上の時間.即ち須臾…蓬莱山輝夜が自在に操る時間の中で大量の魔力の塊が妹紅の全身を蜂の巣に変えていた
「妹紅,やはり貴女は…血迷ったみたいね.忘れたのなら思い出させてあげる,まずは血の味から思い出しなさい」
「ガッ…グッ…!血迷ったのはどっちだクソ野郎…!いき,なりの不意打ちとはお前の方が品が無いだろうが…!」
「戯言なんて聞きたくないの,さぁ妹紅!何時もの戦闘狂はどうしたの?まだ血の匂いが足りないのかしら?」
須臾の間に蜂の巣にされた妹紅は輝夜を見詰めている,普段の彼女ならばもうとっくに殺意に呑み込まれてもおかしくはない頃合だろう
(妙ね,わざと瞬殺してねじ伏せてあげたのに….気に入らないわね…その瞳…)
そう,輝夜の機嫌が悪い侭なのは妹紅が戦闘狂に変わらない事では無く瞳が今までとは違う事だ
「今までの妹紅なら…そんな瞳はしていなかったのに.殺意と狂気に身を委ねて私を殺しに来た妹紅の瞳はもっと輝いていたのに…!やはりあの半人半獣が…!」
「おい,私を一度殺した位でもう自分の世界に酔ってるのか?…本当に血迷ったのはどっちなんだろうな」
今更言うまでない事だが妹紅は不老不死だ,全身を蜂の巣にされた所で一分と待たずに再生出来る.
そんな妹紅は再生を終えた瞬間に襲い掛かる…のではなく敢えて数秒間隙を伺った.理由は『確実に殺す』ためだ,苛立ちが表情にまで現れていた輝夜は攻撃の威力とキレこそ上がっていたものの隙は非常に大きかった.
勿論自身の狙った隙を殺し合いに慣れた妹紅が逃す筈はない,手の脂肪分を可燃剤に炎を燃え上がらせ―――
「あぁ分かってる!今更私が始めた殺し合いを止めるなんてムシが良過ぎる事も悪党から抜け出せない事もなッ!!」
「だったら何故足掻くのよ!このまま永遠に殺し合いを続ければ良い!妹紅もそれが復讐と贖罪に繋がるから満足でしょう!?」
輝夜の胸部に爪を立てて抉る様に左手を一閃,だが妹紅がそうであったように輝夜もまた殺し合いなら誰よりも慣れている.
燃え盛る妹紅の左手は輝夜が取り出した火鼠の皮衣によって弾かれた
「あぁ…あぁそうだよ!ずっとそう思ってた!お前を殺し続ける事は父上に報いる事でお前に殺される事が岩傘への贖罪になると私は本気で思ってたんだ!!……でも違う…復讐も贖罪も…結局私が背負った物から目を逸らす為の口実に過ぎなかったんだ!」
されど妹紅は諦めない,続いて燃え続ける右手を輝夜の顔面に突き出すが分かりきった単純な攻撃を輝夜が防げない理由がなかった.
妹紅の右腕から発される高熱に汗を浮かべた輝夜は再び炎をあしらう為に皮衣を呼び出す
「だからもう殺し合いは御終い?笑わせないでッ!そんな綺麗事ばかりを並べ立てて私の気が収まる訳がない!って…しまっ」
「綺麗事だって事も分かってる,私もお前が簡単に諦めるとは思わない…だから私達らしくこの一万と三十回目の殺し合いに勝利した側の要求が通る,それで良いだろ!!」
突き出された妹紅の右腕は火鼠の皮衣に触れる直前で鎮火,即ち火のついていない右腕に対して――
「その迷惑な皮衣は布切れ程度にしかならないよなぁ!!」
勢いの付いた妹紅の右ストレートは皮衣ごと輝夜の顔面を打ち抜いた.
「ッ…!やって,くれ…るじゃない…妹紅…!これでも顔には自信があった方だから首から上のダメージは避けていたのよ…!」
「知ってるよ,何度お前と殺し合ったと思ってる…立て!輝夜,これが最後の殺し合いだ.私は例えこの先にどんな苦難が待ち受けていようとも背負った物から目を逸らさずに迷い続ける…勿論,お前からもだ…輝夜」
「…は…?わ,たし…から…も?」
思いも寄らない妹紅の発言に輝夜は殺し合いの最中でありながらも身体を硬直させた,それほどまでに妹紅は真剣だったのだ.故に硬直した輝夜の隙を妹紅は見逃している
中々吹っ飛んだ事を言われて思わず身体が固まってしまったけれど…ようやく整理がついたわ.つまり…
「つまり…私が貴女の父を死に追いやった事すらも水に流すと?」
「…最終的にはそうなるかもな,ただこれからどれ程の年月がかかるかは分からない.でも…!このままじゃ何も進まないだろうが!!私の中での時間は未だに千年前のあの時で止まったままなんだよ!今までならそれで良かった…でも今の私はもう変わったんだ,前に進みたい」
「ハッ……フフフッ…!!アハハハハハッ!!本当にどうしたの,妹紅!?貴女,あの半人半獣に操られているんじゃない?第一その半人半獣を殺そうと妖怪達を仕向けたのも私なのよ?」
本当に今目の前にいる人物が妹紅なのかも私は分からなくなってしまった,目の前の人物は変わりたい前に進みたいと言っている….もし…妹紅が変わってしまったのなら私は……私は一体誰が向き合ってくれるの…?
「…ッ!巫山戯るのも大概になさい…!妹紅や私みたいな化物が…!ただの人間如きに変えられる訳が無いじゃない…!!」
「……正直未だにお前が憎いよ,輝夜…でも私は…いや…今は話し合いは無駄だろうな.来いよ,私を化物として縛っておきたいなら殺せば良い」
そうよ,殺せば良い.妹紅を殺せばまた殺し合えるじゃない…半人半獣はその後に生き地獄を与えてから殺してあげる.だから今は…!
「妹紅のその綺麗事も纏めて皆消し去ってあげる!悪党を語る妹紅の綺麗事何て虫唾が走るだけよ!!」
勝てる,輝夜は確信していた.魔力の量も能力も,扱う武器の種類も質も全て輝夜が妹紅の上をいっているからこその判断である
だからこそ,だからこそ…妹紅は能力を使わずに純粋な魔力だけで沈める.もう二度とこんな戯言が吐けないように…力の差を焼き付ける必要があるのよ…!
左手に取り出した蓬莱の玉の枝に輝夜の魔力が注ぎ込まれ枝先の玉が7色に輝き始める.辺り一帯に殺気が充満していなければ誰もがその輝きに見蕩れた事だろう
「綺麗事…ね.なぁ…輝夜?お前は綺麗事如きに苛立つ程小物じゃないだろ?お前だってもう心の奥底じゃ分かってるんじゃないか?」
「うる,さい…!うるさい…!黙りなさいッ!!妹紅が悪いのよ…妹紅さえ悪党のままで居てくれたのなら私は…私は…ッ!!」
振り下ろされる一撃目,これにより二人の視界を覆い尽くす程の弾幕が生み出されるが輝夜はまだ止まらない.
続く二撃目…これは前の一撃で既に視界を覆っていた弾幕を上書きするだけの唯の無慈悲な暴力であった
「ドォォォォォォォォン!!!!」
そして…視界を塗り潰した弾幕は空気を揺るがす重低音を伴い着弾と同時に殺気で満たされた周囲を丸ごと消し去る大爆発を起こした
…流石に殺り過ぎたかしら?これじゃあ妹紅の死体も確認出来ないわね…
いきなりの魔力の大量放出による疲労と謎の安堵感により輝夜はその場に座り込んでいた
「ハァハァ……とにかくこれでもう妹紅は…!」
だが何故か汗が零れ始めた.汗をかくような熱帯夜でも無ければ今感じているのは恐怖ではなく安堵感の筈…だったらこの発汗の正体は…?
「よぉ輝夜…満足したか?その様子じゃ日頃の引き篭もり生活が祟ったな」
「ッ!?何で…何でまだ生きているのよ…!?あの出力を受けてどうして…!」
「…真正面から来る衝撃を往なす一番の方法な,回避でも受け流すでもなく同威力の衝撃で相殺する事だと私は思ってる.だから私はお前の弾幕に文字通り『最大火力』をぶつけさせて貰った…言っただろ?もう目を逸らさないってな」
背部から二枚の紅翼を配った不死鳥が1歩…また1歩と近付いてくる
(はぁ…これは….悔しい…本当に悔しい…でも…)
「…妹紅,綺麗な瞳ね.以前までの妹紅とは大違い」
「…お褒めの言葉感謝するよ,輝夜.お前に容姿を褒められるんならまだ私も捨てたもんじゃないな」
「そうね…これからは私からの褒め言葉を誇りに人間でも悪党でも好きな物をやりなさい.妹紅の足掻き…見ていてあげるわ」
「あぁ…足掻いてもがいて…たくさん迷って,そして
何度も向き合ってやるよ」
迷いの竹林を揺るがす二度の重低音の後に再び轟いた爆発音は全てを通して初めから見物していた妖怪の賢者の結界の中で響いたのであった
「で,その後生き返った輝夜に改めて今後の意思を伝えて最後は輝夜の抱いた幻想を殺して私の殺戮劇は幕を下ろした…って訳,だから最後の一万と三十一回目の殺しはちょっと意味合いが変わってくる訳だ」
「…何つーかまぁアレだな,妹紅と輝夜の因縁は聞いてたが改めて聞くと中々ダークじゃねぇか.それに思ってたよりも慧音さんとやらとのゴシップ話が無いんだが?」
長い長い話を聞き終えた垣根は背を伸ばして欠伸を噛み殺した
「言っただろ?慧音とは恋人云々じゃないってさ」
「その割には博麗神社の宴会では常に二人寄り添って呑んでいた記憶があるがな,まるで長年連れ添った夫婦のように…だ」
そう言えば垣根の他にまだ話をレミリアが聞いてたっけ.珍しく黙って聞いてたからすっかり忘れてたぞ
「まっ…長年一緒に居るってのは間違って無いな.それだけに慧音を馬鹿にする奴はどうも理性のタガが外れるのさ」
こればかりは徐々に変化を覚え始めた私でも変わらない事だと思う,それくらい慧音は…私を導いてくれた憧れのヒーローなんだから
(それにしても当麻の奴…何時になったら戻るんだ?場を繋ぐつもりで話したは良いがまさか全て語り終える羽目になるとは思わなかったぞ…)
流石にこれは妙だ,そう思っているのは後の二人も同じらしい.そしてレミリアが口を開こうとしたその時だった,私達がいるホールに一人の妖精メイドが駆け込んで来た.主を目の前にして一礼もままならない程息を切らした妖精メイドが伝えた事はただひとつ
「きゃ,客人の少年といつもの本泥棒が…!ふ,ふ……!!妹様と闘っておられます!!」
……最悪だ,どうやら私はあのウニ頭の不幸体質を甘く見過ぎていたらしい
ふぅ…何とか回想編が完結しました.正直疲れました…もこたんとぐーやんのラストシーンが特に.私の中であのシーンは旧約のていとくんVSセロリのようにしたかったという願望もありましたから.
ただ物語としてはこの回想編が妹紅と輝夜のスタート地点になる訳でして.そのスタートがダークなのは読む側も書く側も疲れてしまうかと
あっ,決して私が疲れるからこのラストを選んだ訳じゃないですよ?(汗
そんな訳で次回からは『上条&魔理沙VSフラン』編です!乞うご期待!