まだ学生の頃。俺は彼女と出会った。そう、あれは田舎へ遊びに行った夜、海岸沿いを散歩していた時だった。
俺は現在、足を止めて夜空を見上げていた。
上を向いて歩くのは危険だ。涙が溢れそうな時は立ち止まってくれ。
閑話休題。特に天体観測が趣味という訳では無いが、そんな俺でも見惚れる位、今日の星空は綺麗だった。
立ち止まって数分経っただろうか。そろそろ帰ろうかと思い、視線を下げようとしたその時、視界の端に流れ星を発見した。
「平和な日常、平和な日常、平和な日常」
流れ星が消える前に三回言いきった俺は心の中でガッツポーズをとる。
だが、俺は気付いてしまった。未だに流れ星が消えて無い事に。
後になって考えた事だが、これに気付いていなかったらほんわか気分のまま帰宅できただろうか?いや、それは無理だろう。なぜならば次の瞬間、俺が流れ星だと思っていた物は傍の海に落ちたからである。
俺は轟音を耳にしながら唖然と沿岸道に立ちつくす。そんな俺にお構いなしに、非日常は次々とやってくる。今度は海の上空から宇宙服の様な格好をした人がパラシュートでこちらに降りて来たのだ。俺に直撃するコースで。
「ぐはっ」
頭の処理速度が追いつかず、固まっていた俺はそれを回避する手段を持ち合わせてはいなかった。そいつは俺を跳ね飛ばし、仰向けに倒れた俺の上に着陸した。
俺の上に居るこいつはヘルメットを外し、俺に素顔を晒す。それと同時にヘルメットに収まっていた長い黒髪が靡(なび)いた。
「ふう。無事、着陸成功」
言ったのは、星空なんかよりも綺麗で、可憐な少女だった。俺は少女に見惚れていると、彼女は自分の下にある存在に気付く。彼女は暫し考えた後、自身の喉を軽くチョップを連打して言葉を紡いだ。
「我々ハ宇宙人」
これが俺と涼子の出会いである。彼女は家で少女だった。追跡を逃れるため、多重ワープを繰り返していたら、失敗して墜落したらしい。
証拠隠滅といって、彼女が宇宙船を爆破した時は心底驚いた。
何だかんだで、涼子がうちに住む事になったのだが、まさか生涯を添い遂げる関係になるとは、この時は微塵にも思っていなかった。
それにしても、流れ星に平穏を願った途端、俺の非日常は始まったのだ。なんだかな。
キョン「そういえば、津波は大丈夫なのか?」
涼子「……禁則事項です♪」
作者「ギャグ補正です」