ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
そんなカオス犇めく日曜の朝八時のエグゼイド視聴後、僕は「天国へのカウントダウン」を見てました。
「……何だこりゃ?」
変な感覚がした後、辺りを見渡してみると、そこには俺達以外誰もいなかった。
そして、足元に立ち込めるのは気味の悪い霧。
何なんだ一体……そう思っていると、アーシアちゃんが反応した。
「…この感覚、以前ディオドラさんに捕まった時のと同じです」
「本当か?!」
あー……確かイッセーが暴走した時の出来事か。
俺も断片的にだけど聞いている。
「――――
そう言って歩み寄って来たのは木場だった。
「…確か、空間系の神器――――神滅具だったっけか?」
「あぁ。飛び切りヤバい奴だよ」
って事は……
「例のテロリスト共か……」
「うん――――禍の団」
「くっそ……折角の修学旅行だってのに…!」
俺が掌を拳で叩くと、前方からアザゼル先生がやってきた。
「お前ら、全員揃ってるか?」
「はい!」
「うっし、なら良いんだ。……にしても」
先生は改めて周囲を確認するように目線を配らす。
「綺麗に俺達だけを転移させやがる……相当熟練してやがるな、奴さんは」
「そうなんすか?」
「あぁ。その証拠に、周りには他に人間はいないだろう?」
言われて見渡してみると、確かに人らしき気配はしなかった。
「……そう言えば先生、イッセーは?」
「…一応この異変は察知してるはずだが」
「呼びました?」
――――!
突如聞こえてきた声にビビって振り返ると、そこにはマスクを付けたイッセーとグレイフィアさんがいた。
「よぉ、吼介」
「お、脅かすなよ!」
「ははっ、わりぃわりぃ」
「イッセー、お前はどうやってここに?」
先生が尋ねると、イッセーは説明を始めた。
「どうやっても何も……なんか薄気味悪い感覚が来たと思って、気づいたらこんな所に」
どうやら俺達と同じらしい。
「…まぁ兎に角。ここでジッとしてても仕方ねぇ。移動するぞ」
ーーーー
イッセーside
渡月橋の方角へと歩いていると、何やら気配を感じ、俺たちは止まった。
「はじめまして。アザゼル総督、そして赤龍帝」
薄暗い霧が掛かっていて、相手の素性はまだ分からない。
でも声的に男だな、それも……俺と近い年齢っぽい。
「お前は誰だ!」
『俺の中の俺~』
この空気で歌うなよ!?
「……陰に隠れた、その姿見せろ」
……………………………んん?
「…おい、今の幻聴か?」
アザゼル先生は口元を引くつかせてる!
俺も同じように唖然としていると、
「『oh 傖儜のDerivation!』」
―――――聞き間違いじゃなかったぁぁぁぁぁ!!!!!
頭を抱える俺と唖然とする周囲を他所に、この馬鹿二人はまだ歌いだす!
『震えるk「もう良いわー!!!!!」』
駄目だ、こいつ等このままにしてたらfullで歌いやがる!!
俺は大声でドライグの歌唱を打ち切った!
『何だよ相棒。人が気持ちよく熱唱してたのによぉ』
「いや、お前馬鹿か!?こんな戦場のど真ん中で何で敵とデュエットしてんだよ!後この歌二人用じゃねーし!!」
「兵藤一誠。人が熱唱してる最中に割り込むのはルール違反だぞ?」
「うるせーよ!!何で敵のお前にまで咎められなきゃならねーんだよ!?第一乗るなよ!!!!」
「『乗せられちゃった?』」
「お前ら死ね!!!――――ごほっ、ごほっ!!」
くっそ、喉がいてぇ………!
『おいおい、あんまり叫ぶなよ。風邪引いてんだからさ』
「そうなのか。だったら大人しく寝ていた方が良いだろうに」
「誰が叫ばせたんだ誰が!!!後!テメェは一体何もんだ!!」
『俺の中のo「シャラップ!!!」』
そんなコントを繰り広げている間に、霧が晴れ、向こうの正体が露わになった。
背丈は俺と同じ位で、制服の上に……あれは、漢服か?を羽織っている。
そして奴の肩に乗っかっているのは、一本の槍。
他にもぞろぞろと出てきたが、俺が一番目を引かれるのは、奴が持っている槍だ。
よくは分からないけど……何やらうすら寒さを感じるやりだ。
体全体で拒絶してるような反応から察するに、聖槍だろうけど………。
『おいアザゼル……』
「あぁ、間違いねぇ……。よりにもよって、奴等の手にあるとは」
…何だドライグ。あの槍のこと知ってるのか?
「全員、あの男の槍には注意しろ――――あの槍は
『あのイエスを貫いてアーッ!な目に遭わせた、絶対の槍だ』
――――!
い、イエスを貫いた槍!?
「…ってか、その説明もうちょいどうにかならなかったのかよ」
『分かりやすいだろ?』
変な方向に曲解しちまうわ!!
「……あれが、聖槍」
すると、アーシアの目が虚ろになり、ふらふらと向こうへと歩いていく!
だが寸前で、先生がアーシアの目を塞いだ。
「信仰心の強い奴はあの槍を見るな。下手をすれば心が持ってかれちまう。あれは聖遺物――――レリックの一つだ」
レリック……確か、十字架とかもその一つなんだっけか?
「…っと、自己紹介がまだだったね。俺は曹操。英雄派のリーダーを務めさせてもらってる」
「……名前からして、ご先祖様はあの三国志とかで有名な曹操か?」
「あぁ」
まぁ、そんな事はどうでも良い。
「正直に答えろ。九重のお母さんを拐ったのはお前らか?」
「そうだよ」
「……なら言わせてもらう。八坂さんを返して、即刻退去を願う」
「それは無理な相談だ。彼女には、我々の実験に付き合ってもらう必要がある」
「お前らの都合で、九重の希望を傷つけさせてたまるか」
「………それともう一つ」
「?」
曹操が指を鳴らすと、陰から新しい増援―――グールが姿を現した!
「スポンサー様からの依頼でね。君を倒さなければならないんだよ」
「……まさかっ」
「――――そう、ワイズマンからのね」
……こいつ等、ファントムと繋がってたのか!!
『そうか…だから京都に奴らがいた訳だ』
「だけど、それ以外にも、俺は個人的に君に興味がある。禁手の更に上の領域を開拓した君と、戦ってみたかったのさ」
「…生憎だけど、俺は男には興味ないんでね」
「俺だって男に性的興奮を覚えるものか!!」
「別にホモとか言ってねーよ!!」
何だこいつ、情緒不安定なタイプか!?
「……まぁいい。お前には聞きたい事が山ほどある。力ずくでも聞かせてもらおうか」
先生が構えたのと同じタイミングで、俺達も臨戦態勢に入る!
それと同時に、曹操の横に眼鏡をかけた男と、小さな子供が立った。
「レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む。ゲオルクはレオナルドの力を引き上げてやってくれ」
「了解した」
ゲオルクと呼ばれた眼鏡の青年が頷き、男の子の周囲に魔法陣を展開する。
すると、周囲に不気味な影が現れて広がっていく。
それは渡月橋全域を黒く染めたと思うと、最終的にはそれの三倍以上にも膨れ上がった。
その影が盛り上がり、周りにいたグールを取り込んでいく事で更に形を為していく――――
腕、足、頭が形成されていき、目玉が生まれ、口が大きく避けた。
その数は五百はいる。
『ギュ!』
『ゴギャ!』
『ギャッ!』
……化けモンのバーゲンセールかよ。
「……ちっ、
先生は苦虫を噛み潰したような表情になる。
「…もしかして、あの子の神器って」
「察しの通りだ。名前の通り、あらゆる魔獣を生む――――と言うよりは、創り出す、と言った方が正しいか」
「……生命を創造してるって事ですか?」
「あぁ。使い方によっちゃ、曹操の聖槍よりよっぽど危険だ」
……って事は。
「もしかしてハイパーゼットンとかも創り出せたりしちゃうんすか?」
「……あぁ、そうだよ!下手すりゃスペースビーストだろうがグリーザみたいなマジキチスペックの化けモンだろうが魔王獣だろうが創れんだよ!!」
「なんすかそれ!?もうそうなったら光の戦士たち呼ぶしかないじゃないっすか!!」
俺が叫ぶと、曹操は小さく笑った。
「安心しなよ。この子はまだ成長段階だ。頑張ってもタイラントとかだよ」
「タイラントでも十分じゃねーか!!」
『そうだそうだ!ゾフィー隊長呼べ!』
『一番最初に負けたゾフィーの事なんか良いよ』
隊長ディスってんじゃねぇ!!
「……それに、レオナルドは相手の弱点を突く魔獣――――所謂、アンチモンスターの創造が得意なんですよ。そして、ワイズマンから得たファントムの情報も得ている以上、ファントムをも産み出せる」
「……つまり、一人サバトって訳か。けどその様子じゃ、神を殺せる魔獣は創れないんだな?」
正解だったのか、曹操は何も答えない。
だが、その代わりに槍の切っ先を此方に向けた。
「――――神はこの槍で屠るさ」
それが、開戦の狼煙となった。
何としてでも、プロトマイティオリジンを手に入れるのだぁ………
歌詞の下りを変更しました