ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
イッセー「レガシー神々しいよな」
ドライグ『ヒャッハー!漸くゾンビ専用BGMが聞き放題だぜぇ!!』
ドラゴン『個人的にはムテキも外せない』
英雄派の宣戦布告の後、皆は一応当初の目的である観光を終えてホテルへと戻って来た。
俺?観光する暇もなく即転移でしたよ。
今この時間は生徒全員の入浴タイムだった筈。
この後の予定としては俺の宿泊部屋にて今後に向けての作戦会議だ。
『……相棒、あまり無茶はするなよ』
…大丈夫だっ、ゲホッ!
心なしか悪寒を感じるのが増えてきてるな……………やっぱ無理しすぎたかな?
『そりゃ身重なのにあれだけ激しく動いたらな』
『自分の体くらいちゃんと考慮したらどうだ』
考慮したくても連中が一切手ぇ抜いてくれねーから無茶してんだろ?
……それに、何の罪もない母娘が苦しんでるんだ。
大人しく寝てちゃ、希望の魔法使いの名が泣くぜ。
「……なぁ、ドラゴン」
『…何だ』
俺は昼間から気になっていた事を聞いてみた。
「あいつが言ってた主も期待してる――――これって、どういう意味なんだろ」
『…………貴様が知らぬ事を、俺が知る由もあるまい』
……そりゃ、そうだな。
『答えの出ない物事を考えていても仕方あるまい。……今は目の前の希望を守る。それが貴様の本懐の筈だ。嘗て古の魔法使いにもそう言ったであろう――――明日より、今だと』
――――そう、だな。
分からない事で悩んでたって仕方がないよな!
サンキュー、ドラゴン!
『フン………』
『おいおいおいおーい!なに俺をほっぽって良い雰囲気作ってるんだよぉ!』
ーーーー
で、時刻は深夜。
シトリー眷属もこの部屋へと来ていた。
ロスヴァイセさんは………昼間の影響か、顔が真っ青だ。
とはいえ理由は他にもあると思う。
…………ロスヴァイセさん、グレイフィアに怒られたんだよなぁ。
序でに言えばアザゼル先生も。
そのせいか、先生は頭にたん瘤を作っている。
まぁ、生徒ほったらかしにして飲酒してたって聞くし、自業自得だよな。
「……今から作戦を伝える。二条城と京都駅を中心に非常警戒態勢を敷いた。京都で活動していた三大勢力の関係者および妖怪達を総動員して怪しい輩を探っている。今のところ、これといった報告は上がってきてはいないが、京都の各地から不穏な気の流れが二条城に集まってきているのは計測できている。奴らがこの場にまだいるのは明白だわな」
「…不穏な気?」
アーシアがそう聞いた。
「ああ。そもそも京都ってのは陰陽道、風水に基づいて作られた巨大な術式都市だからな。それゆえに各所にパワースポットを持つ。伏見稲荷とかもそうだな。おまえ達も観光でいくつか回ったはずだ。他にも挙げればキリがないほどの力場が京都には存在するが……まぁそれは今置いておこう。それらが現在、乱れて二条城の方にパワーを流し始めているんだ」
だから妙な気配が漂っているのか……。
「な、何か起こるんすか?」
「それはまだ分からん。まぁロクでも無い事が起きるのは確かだ。何せ向こうには九尾の御大将がいる訳だからな………先ずはシトリー眷属。お前達は京都駅周辺、そしてこのホテルの防衛担当だ。連中はここを狙ってこないって保証はないからな。有事の際は事に当たってもらう」
シトリー眷属が防衛…………って事は。
「グレモリー眷属、イッセー、グレイフィア…そして立神と匙。お前達はオフェンスだ。司令塔は一応はイッセーだが、何が起こるか分からん。イッセーが体調を崩した際はグレイフィアが司令塔だ………イッセー、体調はどうだ?」
「…大丈夫っす」
…………恐らく、今の俺は万全とは程遠い。
節々だって鈍い痛みが襲ってきてるし、僅かに息も上がってる………でも、やれない訳じゃない。
何とか誤魔化せる筈…………グレイフィアはちょい怪しいけど。
「お、俺もですか?」
「あぁ。お前の竜王形態の力は使える………ヴリトラの黒炎で連中の動きを縛り、力を奪う――――頼むぞ」
「りょ、了解っす」
「何だ、今更ビビってんのか?」
俺は匙の緊張を解す為に軽口で聞く。
「び、ビビってる訳ねーだろ!?こうなったら英雄派だろうがファントムだろうが何でも縛ってやるよ!」
「じゃファントム頼むわ」
「ゑ?!」
「冗談だっつーの」
よし、この様子なら大丈夫だろ。
「後……これは良くない知らせなんだが、今回支給されたフェニックスの涙は三つだけだ」
「三つって……少なくないっすか?」
「これに関しちゃどうしようもない。何せ今のご時世テロリストが跋扈してるせいで、涙の需要が上がってんのさ。少なくとも、各勢力への補給すらままならないぐらいにはな。これでも生産元のフェニックス家は急ピッチで仕入れてくれたんだ」
『要はほぼ無傷でクリアしろって事か。コンティニュー出来ればいいのにねぇ』
「誰もが新檀黎斗だったらこの世界オワタルートじゃねーか」
「バグヴァイザーも需要爆上がりだな……って!また例によって話脱線してるぅ!!」
おっと、脱線しちゃった。
「その代わりと言っちゃなんだが今回はプロフェッショナルも来てくれる……テロリスト専門の助っ人がな」
「へぇ……」
『私以外のプロフェッショナルだと………認めてなるものかぁぁ!!』
「「お前何時まで引っ張る気だ!!」」
『ヴァハハハハハ!!!』
「……兎に角!作戦としては以上だ。各員一時間後には集合だ――――全員死ぬなよ?帰るまでが修学旅行だからな!」
『はい!』
先生の言葉で、一致団結した――――
『じゃあ相棒修学旅行で来てないから死んでも仕方ないってことだな』
「おーし、ドライグ表出ろ……へっくしょん!」
と思ってたんだけどなぁ……。
ーーーー
さて、作戦会議が終わって全員が出払った事で、部屋には俺とグレイフィアだけになる。
「……イッセー」
「ん?どうしたの、グレイフィア」
「無理、してるんじゃない?」
「…まっさかぁ」
「嘘。何時もより反応が遅いわ。それに…少し呼吸が乱れてる」
…………思ってた以上に、俺の恋人は鋭かった。
「……敵わないな、グレイフィアには。――――でも、大丈夫だよ」
「でもっ」
俺は人差し指で彼女が言おうとしている事を塞ぐ。
「それ以上は、言わないで。…………あんなに小さい女の子が、一生懸命に頼んできたんだ……九重には、俺と同じ思いは味わってほしくないから」
それに、と俺は続ける。
「俺は皆を……グレイフィアを置いて死んだりはしないよ。だから、グレイフィア」
「…………あなたの背中は、私が守る。そんなの、言われなくたって、守って見せるから」
「…本当に、敵わないや」
これで俺は、心置きなく戦える。
結局映画は本編とは違う終わり方、分岐エンドなのかね