ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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曹操「皆。アニメでの俺の勇姿、しかと目に焼き付けてくれよ!」
ドライグ『とその気になっていたお前の姿はお笑い草だぜ』
イッセー「何でパラガスなんだよ」


MAGIC111『決戦都市アグレアス』

 

 

ゲーム当日。

 

 

「はぁ……凄いです」

「あぁ。本当に島が浮いてるんだね」

 

アーシアとゼノヴィアが、ゴンドラの上から感嘆の息を吐いた。

 

今俺達が向かっているのは空中都市・アグレアス。

何とこの島、浮いているのだ。

 

何でも島を浮かせている動力は旧魔王時代の産物だそうだが、詳しいことは分かっていない。

いや、性格には魔王アジュカ・ベルゼブブ様ぐらいしか知らないのだそうな。

 

確かにそんな物を見れば驚嘆するだろうけど……如何せん俺にはそんな余裕がなかった。

 

『相棒、何時までやつれてるんだ』

 

……しょうがないだろ。

昨日のあの情事も途中から記憶無くなってて、気付けばベッドで寝ていたんだから。

 

『いい加減慣れろよ』

 

…………慣れれる気がしないんですけど。

 

『『駄目だこりゃ』』

 

ほっとけ!!

……因みにこの場所は有名な観光地でもある。

 

この都市への入り方には大きく分けて三つある。

一つは魔方陣を使った転移、でもこれはVIPクラスか、特別な行事でなければ行き来は出来ない。

 

まぁ世界遺産でもあるらしいから、おいそれと魔力による移動は許可していないんだ。

それに良からぬ事を考えてる悪魔とか来そうだしな。

 

二つ目は飛行船等の空便、そして三つ目は――――今俺達が使用しているゴンドラでの移動。

 

これは満場一致で皆乗りたい!と申し出た為だ。

リアスは一度これに乗ったことがあるらしく、ここからの景色について言及したのが切っ掛けだ。

 

『ゴンドラの文字を入れ換えると?』

『マンドラゴラ』

 

どっから出てきたその単語。

 

 

「実はな、今回のゲーム会場設定は上の連中が相当揉めたらしくてな」

 

と、漫才繰り広げていたら、アザゼル先生が不意にそう呟いた。

 

「どういう事っすか?」

「現魔王派の上役はグレモリー領か魔王領での開催を望んだんだが、血筋を重んじるバアル派がバアル領での開催を訴えてな。中々の泥仕合になったそうだ」

「……まさか、トルコ相撲で?」

「…………あのな、悪魔のお偉方がそんな事で物決める訳ねーだろ。不覚にも面白いって思っちまったぞ」

 

と、一言突っ込んでからアザゼル先生は続ける。

 

「……ゲフン。現魔王は世襲じゃないからな。家柄、血筋を重視する上級悪魔にとっちゃ、大王バアル家は魔王以上に名のある重要なファクターなんだよ。元七十二柱の第一位だからな」

「……旧魔王に荷担してた悪魔達も過去にそんな事言って身内で揉めたってのに、何でまたおんなじ事をするんすかね」

『それはそれ、これはこれって奴だろ』

 

ドライグの言葉に、先生はげんなりしながら頷く。

 

「そう言うこった。大人ってのは難しい生き物なんだよ。人間にしろ、悪魔にしろな。体裁、趣、未だ貴族社会が幅利かせてる悪魔業界も一枚岩じゃないって事だ」

「……それで結局アガレス領に……」

「それも苦肉の策っぽいよなぁ」

「時代は変われど、毎度苦労するお家だ。大公アガレスは」

 

乾いた笑いを溢す中、木場は神妙そうに呟いた。

 

「……僕達のゲームは、魔王ルシファーと大王バアルの代理戦争と言う事かな」

「ま、そう言う風に見る連中は多いな。表向きはウィザードラゴン&プリンセスシュガーVS若手最強サイラオーグ……裏じゃ政治家連中があーでもないこーでもないって見守ってるんだろうな」

 

先生は木場に答える。

 

「……そう言うのは俺達にとっちゃまだ関わるべきじゃない。ただ目先の戦いに集中すべき、じゃないすかね」

「イッセーの言うとおりだ。お前達は戦う、ソレだけを考えてたら良い。お前達が負けたとしても、サーゼクスが政治的不利になることはない。ただ大王家の連中とサイラオーグの後ろ楯が甘い汁吸うだけだ」

 

……けどそれでも、

 

「サイラオーグさんだから、今更政治家の意見に左右されたりはしないでしょうね」

「そうだな。アイツ自身はただ、上を目指すためのパイプ作りとしての関係だ」

 

野望を叶えるには、力だけじゃ駄目ってことだな。

 

『そりゃそうだろ。何時の時代も、爪と牙だけの野獣はただ死んでいくだけだ。己を律する事が出来る理性、生き残る為の知恵も揃って、一人の人間は覇者になる。昔の戦国武将が良い例だ。……相棒』

 

何だ?

 

『恐らくこの試合、お前達が勝てばサイラオーグ・バアルは後ろ楯を全て無くす。奴自身、名のある悪魔達に認められるというのは挙げるべき成果の一つだと理解はしているだろう。後は結果次第で如何様にも変わる。勝てば上へ、負ければ失う…………だがお前にも勝つべき理由がある。だから倒すことを躊躇うなよ』

 

 

…………分かってるさ。

 

「そういえば先生。この試合、テロリストに狙われたりする事は……」

 

木場が先生にそう尋ねた。

先生より先に、俺は木場の質問に答えた。

 

「あぁ、大丈夫だと思うぞ」

「えっ?」

「おいイッセー。何でそう言い切れるんだ?」

「あー……こないだヴァーリからメールがあったんで」

 

 

『はぁ!?』

 

 

全員が驚いた声を上げた。

 

「ち、ちょっと待て!何でお前、ヴァーリのメアド知ってるんだよ!?」

「こないだ前書きコーナーで交換したんすよ」

「メタい!!」

「そしたらほら」

 

俺は携帯を操作して全員に画面を見せる。

メールの内容はこうだった。

 

『バアル家のサイラオーグと君達グレモリー眷属の大事な試合だ。君にはエロゲ等の借りもあるし、俺自身この試合は非常に興味がある。君達の試合の邪魔はさせない』

 

……と。

 

「……あの野郎、憎いことしてくれやがるな」

 

口がにやけてますよ、先生。

 

 

「……イッセー先輩、続きがありますよ」

「え、あぁ、これはなぁ」

「んぁ?……アザゼルの積みプラモの処理を後日手伝ってくれると助かる…………すまん、イッセー」

「そういや伝言でカイトが怒ってましたよ。ディープストライカーなんて作らないなら買うなって」

「……すまん」

 

 

ーーーー

 

その頃のヴァーリチーム

 

 

 

「未だにこう言う作業は慣れないな……」

「おいヴァーリ!むやみやたらにパーツ切り取るなよ…………って言った傍から切り取るなぃ!まだその部分作らねーから!!」

「アーサー、そのフレーム取ってー」

「はい。……ルフェイ、貴女まで無理をする必要はありませんよ」

「い、いえ、あんなに殺気立ってるカイトさん見たら、私だけ見ているだけにはいかないかなって……」

「殺す、殺す………………」

『……人間の憎悪は時として恐ろしいものだな』

 

 

終わり

 

 

 

ーーーー

 

 

ゴンドラから下りた俺達を出迎えたのは、入待ちファンとマスコミ軍団だった。

ボディーガードとスタッフに誘導され、一台のリムジンへと乗り込んだ。

 

「お待ちしておりましたわ、皆様」

 

リムジンに乗っていたのはレイヴェルだった。

聞けば先にここに来て諸々の準備を進めていたんだとか。

 

すげぇなこの子。

 

 

……しっかしすげぇ人混みだな。

何て言うか、テレビの大物人物になった気分だぜ!

 

『実際大物だろう』

 

そうでしたね。

でもこう実際に体感すると言ってみたくなるというか…………

 

『……人間とはよく分からん』

 

まぁ俺悪魔だけどな。

そうこう言っている内にリムジンはすいーっと進み、会場である巨大なドームが視界に入ってきた。

 

 

 

「ひぇー、すげぇ豪華なホテル……」

 

今俺達がいるのは試合会場のアグレアス・ドームの横にある高級ホテルだ。

……悪魔になってからこう言う豪華な場所ばかり行ってる様な気がするな。

 

『気にするな』

 

そうだな。

気を取り直して専用ルームまで足を運んでいる最中、何かの気配を感じて俺は足を止めた。

 

「どうしたのイッセー……っ!」

 

通路の向こう側を睨む俺を不審に思ったのか、リアスが尋ねてくると、リアスも何かを感じ取ったのか、身構えた。

すると奥からはフードを目深に被った怪しげな集団が現れた。

 

『……ほぉ。こりゃまた大層な連中だな』

 

……知ってるのか、ドライグ。

 

『あの真ん中にいる司祭服着た奴を見てみろ。驚くぞ』

 

どういう…………うぇっ?!

 

ドライグに言われたので集団の真ん中を見ると、俺は絶句した。

そのローブの下にあったのは――――骸骨。

 

何と骸骨が司祭服を着ていたのだ!

その骸骨は俺達の眼前で歩みを止めると、目のない眼孔の奥を光らせた。

 

『これはこれは紅髪のグレモリーに、堕天使の総督ではないか』

 

……喋った感じがしないな。

これは魔法で言葉を飛ばしているの、か?

 

「おぉ、これは冥界下層……冥府に住まう死の神ハーデス殿。死神(グリムリッパー)をそんなに引き連れて上がってくるとは……しかし、悪魔と堕天使を嫌う貴方がここに来るとはね」

 

ハーデスって………………まさか、この骸骨が神様なのか!?

ハーデスって、冥王ハーデスだろ!?

 

『あぁ、死の国を納める冥府の神。人間の生前の悪行を量り様々な地獄で死者を裁く、薄ら骸骨だ』

 

薄ら骸骨って……いや、骸骨だからてっぺんハゲだけどもさ。

 

『ファファファ……言うてくれるものだな、カラスよ。最近上が何かと五月蝿いのでな。視察に訪れたまでよ』

「骸骨ジジイ。ギリシャ側の中であんただけが勢力間の協定に否定的なようだな」

『なればどうするとな?この年寄りもロキの様に屠るか?』

 

そのやり取りの後、ハーデスを取り巻く集団から殺気が発せられる。

おいおい試合前なんですけど!

 

「屠るなんて誰が言ったよ。俺はただ寛容になれって言いたいんだよ。特にあんたの周りじゃ黒い噂が絶えないんだからな」

『ファファファ……カラスとコウモリが群れてピーチクパーチク鳴いとると、私とて防音対策もしたくなるのでな』

 

わぁお、隠す気のない蔑みだ。

ある意味好感が持てるぜ。

 

そう思っていると、骸骨は今度は俺の方を振り向いた。

 

『赤き龍か。白き龍と共に地獄の底で暴れまわっていた頃が懐かしい限りだ………』

 

何、お前昔何かしたのかドライグ。

 

『ま、若気の至りって奴だよ』

 

どんなはぐらかし方だそれ!

 

『……今代の宿主は、我らに近い物を抱えておる様だな。ファファファ……小僧、お主とは仲良くなれそうだ』

「…………そりゃどーも」

 

 

……近いもの。多分、ドラゴンの事か。

どっちにしても俺は仲良くなりたくないっす!

 

『まぁ良いわ。今日は楽しみとさせてもらおう。せいぜい死なぬようにな』

 

それだけ言い残すと、ハーデス一派は俺達の元を通りすぎていく。

 

「……北欧時代に先輩のヴァルキリーからハーデス様の話は聞いてはいましたが……魂を掴まれているような感覚は、生きた心地がしませんね」

「道理で内側がゾワゾワした訳だ……絶望した時と何か似てると思った」

 

先生は首をコキリと鳴らした。

 

『首の骨が折れる音』

「折れてねーよ!!……ま、あんなジジイだが、各勢力の主要陣の中でもトップクラスの実力者だからな」

「じゃあ、サーゼクス様よりも……」

「……多分な。良いかお前ら、絶対に奴らと敵対するな」

 

ま、近付いたらロクな事なさそうだしな。

 

 

 

 

『因みに冥府でナニをしたんだ』

『……秘密』

 

 

 

 

 




もう絶対PGなんて作らんぞ
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