ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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いよいよここまで来ました…長かった


MAGIC121『猛き獅子VS勇ましき龍』

俺とリアスは団体戦―――最終決戦のフィールドとなる広大な平地に立っていた。

 

『何もないんだな』

『聖徳太子も納得の小ざっぱりだぜ』

 

酷く小ざっぱりしてるぅ~……って、何やらすんだ。

実況がマイクを震わせる。

 

『さぁ、これまで激闘を繰り広げてきたバアルVSグレモリーの若手頂上決定戦もついに最終局面となります!サイラオーグ選手達によってもたらされた提案により団体戦となった最終試合!バアル側は王、サイラオーグ選手と謎多き仮面の兵士、レグルス選手! 対するグレモリー側はプリンセス・シュガーことリアス・グレモリー選手と魔法龍帝ウィザードラゴン!兵藤一誠選手です!!』

 

…改めてここまで来ると、壮観だよな。

ついにこの時が来たって感じがしてさ。

 

『何緊張してるんだ相棒。お前がこの場に立っているのは必然なんだ。胸を張れ』

 

…そうだな。

 

あ、因みにアーシアは陣地にて待機している。

理由は狙われやすいからだ。

 

サイラオーグさんの性格を考えると過剰に狙う事はないだろうけど、それでも流れ弾が来るとも限らない。

申し訳ないが、今回は控えに回ってもらった。

 

『さて、最終試合を始めようと思います』

 

審判が両チームの間に入り、俺達の準備が出来ていることを確認する。

 

『…では、最終試合!開始してください!』

 

ついに、最後の試合の狼煙が上がった。

 

 

俺とサイラオーグさんの視線が交差した。

一瞬の緊張が走ったかと思うと、サイラオーグさんは小さく笑った。

 

「リアス、お前の眷属は素晴らしい。妬ましくなるほど、お前を想っている。それ故に強敵ばかりだった」

「…貴方がそう言ってくれるなら、リタイヤしていったあの子達も戦った甲斐があったものよ」

 

サイラオーグさんの称賛に、リアスはそう返した。

 

「この場にいるのは互いに王と兵士のみ。終局に近いな」

 

サイラオーグさんは真っ直ぐに言うと、次に俺の前に立った。

 

「兵藤一誠。ついにここまで来たな」

「グレモリー城以来っすね。まぁあの時は風邪でしたけど」

 

頬を掻きながら言うと、サイラオーグさんは瞑目する。

 

「俺はずっとこの日を待っていた…お前と何も考えず、撃ち合える時を」

「……」

「――――行くぞ」

 

サイラオーグさんは足を広げると、一気に俺へと向かって駆け出した!

繰り出された拳を俺は――――

 

 

 

ズドンッ!!

 

 

 

「………ッ!!」

「…!?」

 

何もせず、受け止めた。

手ではない、俺の顔面でだ。

 

…体の芯まで痛みが駆け抜ける。

だけど俺は倒れる事なく、踏み止まる。

 

 

「…何故避けなかった?」

 

俺から距離をとったサイラオーグさんは、不思議そうに聞いてくる。

俺は血を拭い乍ら、口を開いた。

 

「…これで、スッキリしました。俺は、あんたの拳を受けていなかった。俺のダチや、仲間達は皆あんたの一撃を食らっていった」

「…」

 

何を言ってるんだろう、そう思うはずだけど、サイラオーグさんは何も言わずに聞いてくれる。

 

「一度はあんたの拳を受けなきゃ、俺はあんたと真正面から戦う資格だってない。…まぁ、俺なりのケジメですけどね」

「…そうか。で、どうだった?俺の拳は」

「…………漲ってきましたよ。全力のあんたと、俺の全てでぶつかり合うッ!!」

《Welsh Dragon Absolution Breaker!!!!!》

 

俺は禁手をすっ飛ばして極手を発動する。

並の奴ならオーラだけで吹き飛ばされるそれを受けて、サイラオーグさんは歓喜の笑みを浮かべていた。

 

「それが禁手の先の力かッ!クイーシャに見せた時よりも、オーラが洗練されている…ッ。英雄派の一派に見せた力含めて、俺にぶつけてこいっ!!!」

「…じゃあ、遠慮なく!!」

 

俺はスラスターを吹かして、一気にサイラオーグさんに肉薄!

右拳で顔を殴ると見せかけ、左拳で腹を殴る!

 

「ッッぐ!!」

 

サイラオーグさんの顔が大きく歪む。

これまでに見せたどの表情とも違う………苦悶の表情。

 

「…ッ!!」

 

だが、俺の鎧にも大きく亀裂が走っていた。

あの状況で攻撃したのか……いや、この人なら不思議はない!

 

「ーーーおぉっ!!!」

「ぬぉぉぉぉっ!!」

 

俺とサイラオーグさんは拳をぶつけ合う!

ぶつかり合った衝撃波がソニックブームを生み、周囲の大地を破壊していく!

 

と、ここでリアスと対峙している兵士の少年が視界に移った。

仮面が取り払われると、そこにある顔は、俺とそう変わらない年齢の少年。

 

『あの小僧、まさか…!』

 

ドライグがそう呻いた時、変化は起こった。

 

 

ボコッ! ベキッ!

 

 

体中から異音を轟かせ、少年の肉体が変異していく!

 

全身に金色の毛が生え、腕や脚が太くなり、口が裂けて、鋭い牙を覗かせ、尻尾が生えて、首の周りにも金色の毛が揃えていく。

その小さかった体躯も逞しくなっていく。

 

 

ガォォォォォォオオオォッ!!!!

 

 

少年だった兵士は黄金の体が特徴のライオンとなり、大きく吠えた!

 

『おおおっと!バアルチームの謎の兵士、その正体は巨大な獅子だったーーー!』

 

何だありゃ……!

実況と同じく俺も驚きを隠せない!

 

だがドライグはどうやら知っている様だった。

 

『あの宝玉…間違いない、ネメアの大獅子か!!おいアザゼル!』

『…あぁ、まさかこんな所で出くわすとは!』

 

アザゼル先生も納得しているようだった!

だから何なんだよあれ!

 

『アザゼル総督、あれはいったい?』

『…ネメアの獅子はギリシャ神話に登場するヘラクレスの十二の試練の相手なんだが……。聖書の神があの獅子の一匹を神器として封じ込めた。それは十三ある神滅具として数えられて、極めれば大地を割るほどの威力を持ち、巨大な獅子の姿にもなれる。―――神滅具『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』!しかし、所有者がここ数年、行方不明になっていたんだが…まさか、バアル眷属の兵士になっていたとはっ!』

 

マジで!?あのライオンお前と同じ神滅具なのか!?

 

『あぁ、雰囲気からどうも俺に似た感じだったんだが……だが獅子になれるとは言え自立型だと言うのは聞いた事がないぞ』

 

そうだよ、って事はあの神滅具は悪魔なんだよ!

神滅具を悪魔に出来るのかよ!?

 

するとサイラオーグさんは静かに語りだした。

 

「残念ながら本来の所有者は既に死んでいる。俺が『獅子王の戦斧』の本来の所有者を見つけた時は、既に怪しげな連中に殺された後だ。神器となる斧だけが無事だった。所有者が死ねば神器はいずれ消滅する。その戦斧もそうなるであろうと思っていたんだが……あろうことか意志を持ったかのように獅子に化けて、所有者を殺した集団を根こそぎ全滅させたのだ」

 

それってかなりイレギュラーなんじゃないのか!?

 

『あぁそうだ!本来なら現存する事すらない…俺も所有者が死ねば意識が落ちて、気づけば次の所有者に行くからな』

「俺が眷属にしたのはその時だ。獅子を司る母の血筋が呼んだ縁だと思ってな」

『成程。ウァプラは獅子を司る家計、なかなか洒落た眷属だな』

 

そりゃ運命的な出会いだ。

 

『単独で意思を持って動く神器……神滅具だと!?更には悪魔に転生できたのか!それを可能にしたのは獅子の力か悪魔の駒の性能か…。どちらにしろ興味深い!実に興味深いぞ!そりゃ、所有者を断定できないわけだ!レアだ!レアすぎるぜ!サイラオーグ!今度、その獅子を俺の研究所に連れてこい!スゲー調べたい!』

『おぉ、水を得た魚の如くだな』

『寧ろ独身が婚約者を得たかのようだな』

『今なんつったぁ!!』

 

なんせ悪魔に転生してるもんな、神滅具が。

はしゃぐ気持ちも分かる。

 

「所有者無しの状態のせいか、力がとても不安定でな。敵味方見境無しの暴走状態になって、勝負どころではなくなるから単独で出せるものではなかった。出せるのは今回、俺と組めるこのような最終試合だけだ。いざというとき、こいつを止められるのは俺だけだからな」

「成程、だから出せないって訳か」

 

つまりさっきの試合も、アバドンさん単独で出張る他無かった訳だ。

 

「何方にしても、私の相手はその獅子って事ね」

 

リアスは息を吐くと、紅色のオーラを纏う。

それと同時に、四肢に滅びのオーラが纏われる。

 

「リアス、無茶はしないでくれよ」

「貴方にそっくりそのまま返すわ」

 

俺の視界の端で、リアスへ向けてライオンが飛び掛かった!

 

「んじゃ、俺達も続けましょうか!」

「…あぁ!!」

 

俺達も再び戦闘を再開する。

サイラオーグさんの拳圧を躱しつつ、俺は背後へと後退する!

 

「魔龍進化!!」

《Wizard Promotion!!Water Dragon!!!!!》

 

俺は鎧を青く染めると、全砲門へ魔力をフルチャージさせる!

 

《Full Blast Burst!!!》

「新しい力かッ!!」

 

各砲門から放たれたドラゴンショットを拳でぶっ飛ばしつつ、俺に右ストレートを放つ!

ならこっちも!

 

「えやあぁぁぁぁぁっ!!!」

「てぃやぁぁぁぁぁっ!!!」

 

右ストレートと、砲撃ユニットにチャージされた砲撃とパンチが交差する!

やはりパワー特化ではないからか、少し後退ってしまうが……

 

 

「…ぐっ」

 

サイラオーグさんは何故か苦悶の表情を浮かべていた。

見れば、彼の右腕から血が滲んでいた。

 

あの個所は――――

 

 

「……ハハッ」

 

俺は思わず笑みを零した。

 

木場、ゼノヴィア、ロスヴァイセさん、皆の一撃は、ちゃんと届いていたんだ。

 

「魔龍進化!」

《Wizard Promotion!!Hurricane Dragon!!!!!》

 

風を纏い、鎧が緑色に変わる。

すぐさま両腕に纏わせたオーラを薄く研ぎ澄ませ、大きく振るう!

 

赤龍帝の旋風剣(ウェルシュ・ハリケーンカリバー)!!」

「っ!!」

 

極限まで研ぎ澄ませた手刀を放つ!

一刀目は躱されるが、二刀目はサイラオーグさんの左手の表面を切り裂いた!

 

「…ぬんっ!!!」

 

だがサイラオーグさんは怯む事無く、拳の波動を放った!

身を捻って躱したが……

 

「…ぐっ」

 

右肩に痛みが走った……躱しきれなかったか!

一瞬ふら付くが何とか踏み止まると、眼前にはサイラオーグさんが!

 

《Wizard Promotion!!Land Dragon!!!!!》

「ぬおおおお!!!」

 

迫るサイラオーグさんの拳を受け止める!

…この形態でも、ダメージはあるか。

 

だが、耐えれない訳じゃない!

 

「っおぉ!」

「!」

 

俺はサイラオーグさんの腕をつかむと、空中へと投げ飛ばした!

宙を舞うサイラオーグさん目掛けて、拳を突き出す!

 

「っちぃ!!」

 

サイラオーグさんは空中で身を無理やり捻ってそれを躱す!

標的を失った一撃は平地の地面を抉った!

 

「はぁ!」

 

そのまま着地しつつ蹴りを放とうとするサイラオーグさんに、拳を突き出す!

 

《Maximum Solid Break!!!!!》

「ぉっ!!!」

 

激突のまま肘のスラスターを吹かすと、サイラオーグさんの体は再び浮き上がる!

そのまま駆け出すと、手元にドラゴンショットを作り出しそのまま、

 

「こいつは、俺の仲間達の分だっ!!大撃砕の龍波動(ギガンティック・ドラゴンショット)ォッ!!!!!」

「――――ッ!!!?」

 

 

殴り飛ばす!!

 

咄嗟の防御として両手を交差させたサイラオーグさんの体は、後方へ大きく吹っ飛んだ!

平地の地面を幾つもの瓦礫に変えつつ、サイラオーグさんは漸く踏み止まった。

 

「……凄まじい破壊力と堅牢さを維持しているな。枷をしていないにも関わらず、ここまで追い込まれるとはっ!」

「サイラオーグさんこそ、あっという間に対応してるじゃないですか…!」

 

サイラオーグさんは息を荒げながら、俺を称賛する。

とは言っても結構ギリギリだけどな、俺も!

 

『闘気を一か所に集中させ、ダメージを半減させたのか。恐ろしく戦い慣れしてる証拠だな』

 

お陰で隙も見出せねぇよ。

 

『だがお前の一撃は確実に奴へ突き刺さっている。お前の力は、確かに届いている』

「ありがとよ…!」

 

改めて構えると、

 

 

「キャッ!」

 

リアスに悲鳴が耳に届いた。

見ればリアスは頭から血を流し、膝をついていた。

 

獅子の体躯にもダメージの後はあるが、未だに戦意は尽きていない!

 

「リアスはやらせねぇ!!」

《Wizard Promotion!!Water Dragon!!!!!》

《Welsh Critical Fire!!!》

 

砲口に魔力をチャージして、四肢に向けてぶっ放す!

獅子は大きく跳躍するが、軽やかに着地した。

 

『神滅具だからな、大したダメージではないだろう』

 

くっそ、面倒な相手だ…!

 

それは兎も角として、リアスの傷の状態を見る。

ダメージは少なそうだが、出血が激しいな。

 

『フェニックスの涙を使った方が良いな。このままでは失血でリタイヤになってしまうぞ』

 

そうだな。

俺は懐からフェニックスの涙を取り出すと、リアスに中身を振りかけた。

 

「…リアス、大丈夫か?」

「えぇ。…御免なさい、貴方の足を引っ張ってしまって」

「気にする事はないって。相手は神滅具で、相当な手練れだからな」

 

さて、回復手段をこっちも使っちまったが…………

 

 

『サイラオーグ様!私を身に纏ってください!あの禁手ならばあなたは……!』

 

その時、サイラオーグさんに向けて獅子がそう進言した。

アイツ喋れるのか……って、禁手!?

 

だが獅子の言葉を受けて、サイラオーグさんは怒号を飛ばした。

 

「黙れッ!あの力は冥界の危機に関してと時のみに使うと決めたものだ!この男の前であれを使って何になる!?俺はこの体のみでこの男と戦うのだ!!」

『…ほぉ、どうやら奥の手があるようだな』

 

ドライグがそう言った時、この場は一瞬にして静かになった。

 

『おい小僧。他人に全力を要求しておいて、自分は出し惜しみするのが、お前の礼儀なのか?』

「お、おいドライグ!」

『そんな礼儀が信じるものなら、お前は相棒と戦う資格はねぇ!!』

 

お前なぁ……でも、全力を出し惜しみされてムカつくのは確かに分かる。

 

「サイラオーグさん。俺は全力を出すまでもない、大した事無い奴だって事ですか?」

「…っ」

 

少し意地悪な問いかけだが、ここは遠慮なく言わせてもらう。

 

「俺は出し惜しみなんてしてません。今、この場に持てる全てをかけて戦ってます。そんな出し惜しみされた状態で勝ても、俺は全く嬉しくない!だから――――見せてくださいよ、あんたの全力!」

 

一呼吸の間の後、サイラオーグさんは口を開いた。

 

「…すまなかった、兵藤一誠。確かに相手に全力を求めておいて、こちらが力を出し惜しみするなど無礼以外の何物でもない。それに、これまで俺に着いてきてくれた眷属達にも顔向けできんな。俺はなんと愚かだったのだろうか」

「……」

「俺は目の前の男を倒したい!俺は負けるわけにはいかんのだ!我が夢のために! 俺の夢に準じてくれた我が眷属のために!レグルスゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

『ハッ!!』

 

ゴゥ、とサイラオーグさんの力が更に大きくなった!

ライオンの全身が黄金に輝き、光の奔流と化しサイラオーグさんに向かう!

 

「今日この場を死戦と断定する!行くぞ、兵藤一誠ッ!!!!!」

 

黄金の光を全身に纏ったサイラオーグさんは高らかに叫んだ。

 

 

 

「――――我が獅子よ!ネメアの王よ!獅子王と呼ばれた汝よ!我が猛りに応じて、衣と化せ!!!」

 

 

 

フィールド全体が震えだすその様は、異空間であるフィールドが耐えられなくなってきたようだった。

サイラオーグさんが眩い閃光に包まれていき、周囲の風景をぶっ飛ばす!

 

 

『「禁手化(バランス・ブレイク)ッ!!!!」』

 

閃光が止み、現れたのは金色に輝く獅子の全身鎧だ。

頭部の兜にはライオンのたてがみと思わせる金毛がなびく。

 

「『獅子王の戦斧』の禁手化―――『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』!!!お前を殺すつもりで行かせてもらうぞッ!兵藤一誠!!!」

「…おいおい、獅子座の黄金聖闘士かよ」

 

もろ黄金聖衣じゃねーか!

 

『ある意味あれが直接攻撃を重視した使い手にとって究極に近い姿だからな。力の権化である鎧を着込み、それで直接殴る。だから、どうしても果てがあのようになる』

「これと同じようなもんか」

『そうなるな。だが、何もない状態であれだけの力を有してるなんて、とんでもないだろうなぁ』

 

他人事みたいに言うんじゃねーよ!

 

「……行くぞ」

《Wizard Promotion!!Land Dragon!!!!!》

 

短く告げられた言葉の後に、黄金のオーラを纏った拳が放たれた。

俺は魔龍進化を発動、それを受け止めるが……

 

「…ッ!!」

 

だが、受け止めた籠手に亀裂が走った。

ただのパンチで、これかよ!?

 

籠手越しだってのに手が痺れてんだけど!!

 

俺は負けじとパンチを放つ。が、

 

 

ガンッ!!!

 

 

「この状態であれば、攻撃特化であるお前の一撃も受け止められる!!」

「なっ…!」

 

簡単に受け止めやがった!

 

「――――おぉッ!!」

「…あぁっ!!!」

 

俺達は連続で殴り合い、周囲の大地を破壊していく!

ほぼ互角に見えるが、実は押されているのは俺の方だったりする…!

 

『Maximum Solid Break!!!!!』

「どぉりゃぁっ!!!」

「グッ……!!」

 

この一撃でも、サイラオーグさんは体を仰け反らせるだけか……そう思っていた俺に、体勢を整えたサイラオーグさんの蹴りが放たれた!

 

「フンッ!!」

「…ぐっ、がぁ!!」

 

蹴りを躱した俺の腹に、サイラオーグさんの拳が突き刺さった!

その余波により、俺は後方へと大きく後退する!

 

くっそ、防御に回した魔力がなけりゃ、危なかったぜ…………。

 

「ドライグ、今の俺とサイラオーグさんの差って、どれぐらいだ」

『何もない状態なら、互角ないしお前の方がやや優勢だが……あの鎧込みだとそれが逆転しちまう。だが未だに立っているから、そう簡単に負ける事はないはずだがな』

 

それでも、何時かは逆転されかねないって事か……それに、この形態の攻撃すら簡単に止められる。

なら……………

 

 

 

 

 

 

「ドライグ、覇龍を使うぞ」

『!』

 

俺は立ち上がると、ドライグにそう進言した。

ドライグ端々無言を貫いていたが、やがてフット呆れたように笑った。

 

『……その様子だと、言っても聞かないな』

「あんな啖呵切っちまったんだ。なら、俺だって切ってない手札がある」

 

それが覇龍だ。

ま、これが俺を勝利に導くジョーカーか、それとも破滅を呼ぶジョーカーか……。

 

『…分かった。俺も出来る限り怨念を抑える。お前はサイラオーグ・バアルを倒す事だけに集中しろ』

「サンキュー。…ドラゴン、お前にまた迷惑かけちまうけど、ゴメンな」

『…フン。無様に負けられるよりはマシか』

 

 

……ありがとな。

俺は魔龍進化を解除し、通常の鎧姿に戻る。

 

「…通常の鎧に戻した?」

「……」

 

何かあるのかと身構えるサイラオーグさんを見据え、俺はその理を――――紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

「―――――我、目覚めるは」

 

 

 

 

 




次回、D×Dウィザード

イッセー「これで、あんたを倒す!!」

ドライグ『これ以上は、限界だ……!』

ベルザード『君は本当に、規格外な赤龍帝だ』


MAGIC121『光輝なる希望』


イッセー・ドライグ「『――――我ら、目覚めるは!!』」
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